本編
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任務終わりに修くんのお見舞いに病院に向かっているとバッタリ会った三人組。関わりたくなかったのでスルーして歩き続けると「ちょっと待て!」と約二名が芸人のように突っ込んできた。
「なんか言えよ!」
「一人でもめんどくさいのに何で三人纏めているのめんどくさい」
「師匠はもう少し年下に優しくしろよ」
「今めんどくさいって二回言ったよね」
「ナマエさんもメガネくんの見舞いかー?」
全員違うこと言うなめんどくさい。つーかおまえらもか。
「お見舞いって意味知ってるの? 止め刺しに行くことじゃないからね?」
「ナマエさん、オレらそんな戦闘狂じゃねーから」
「山原さんこそ手ぶらで何しに行くのさ」
「お見舞い品は私の笑顔で」
「メガネくん何日入院させる気だよ」
「おいこら弾バカ表出ろ」
「もう表だよバカ師匠上等だ」
「道端でケンカすんなー」
「ちょっと! なんでオレを間に入れるの!」
私と出水の間に緑川を突っ込んだ米屋。真ん中でギャーギャー騒ぐ緑川の頭を叩くと「理不尽!」とさらに騒ぎ出した。中学生元気だな。
そして米屋が傍らに犬の人形を持っていたので凝視していると「これ? メガネくんのお見舞い品」とのこと。修くんのこと何歳だと思ってるの?
そんなやり取りをしながら歩いていると端っこに行った出水が顔をひょっこり出しながら口を開いた。
「つーかなんで来なかったんだよ」
「なにが」
「論功行賞の式典」
この間、今回の戦いの論功行賞の式典が基地で慎ましやかに行われた。なぜか二級戦功を貰った私も呼ばれていたのだが……
「赤吉さんと黒山くんも連れてっていい? って城戸さんに聞いたらおまえは来なくていいって言われた」
「なんで逆に連れてっていいと思ったんだよ」
だって新型倒したの赤吉さん達だし。撃破数五体とか言われたんだけど。あれからまた三体倒したらしい。優秀すぎて太刀川さんに絡まれてたからとりあえず殴っといた。うちの子に絡むな不審者め。
「でもさートリオン兵のこと憎んでるヤツもいるんだから少し気をつけたほうがよくね?」
「そーだよ。ただでさえ山原さん変に目立ってんだから」
「あー……だってさ、赤吉さんに黒山くん」
「ぐぅ」「ばう」
「「「…………」」」
パーカーのフードから出てきた小さくなった赤吉さんと黒山くん。赤吉さんが少し悲しそうだ。ごめんね。
よしよしと撫でていると固まっていた出水が赤吉さん達に指をさしてきた。人(?)に指さすなよ失礼な。
「なんで連れて来てんだよ!」
「んー修くんにサプライズ?」
「本当に入院長引かせる気か!」
「よねやん先輩サプライズってなんだっけ」
「さー?」
****
「こんにちはー」
修くんの病室に着くとそこにいたのは黒髪の美人さん。挨拶すると「うちの修がお世話になっています」と頭を下げられた。あ、お姉さんか。美人だな。
「修くん、まだ目覚ましてないんですか」
「ええ、皆さんにご迷惑をかけてしまって……」
「いえいえお気にせず。……あ、これ絶対嵐山のお見舞い品だ! あいつ弟たちにもこれ買ってたもん!」
「師匠空気読め。すみませんバカなんですこの人」
「枕元に人形置くのさすがにアレだからこっち置いとけば米屋」
「そうだなー」
「話聞け!」
ギャーギャー突っ込んでくる出水に病室で騒ぐなよと言うと「ここ出たら覚えとけよ」と震えながら言われた。別にいいけどフードに入ってる黒山くんが準備体操始めたぞ。小さくても力は強いからなこの二人。もうなんて紳士な子なんだろう。
頼もしい二人にときめきながら花を花瓶にいけてるお姉さんに話しかける。
「修くん面倒見いいからお兄ちゃんかと思ってたら弟だったんですね」
「? 修は一人っ子ですが」
「………ん? 、あなた、は……?」
「修の母です」
「お母さん!?」
「お姉ちゃんじゃなくて!?」
「若っ!!」
「うそだろ!!」
衝撃の事実に全員で一斉に突っ込んでいると部屋の扉がノックされ、見覚えのあるのが二人が入って来た。おお、と手を挙げるとその内の一人が飛び出してきた。
「ナマエーッ!!!」
目を鬼のように光らせた小南に思わず近くにいた緑川を盾にした。「だからなんでオレを間に入れるの!」と文句を言われる。だって小南めっちゃ怒ってるんだもん……。
「あんたまた危なっかしいことしたらしいわね……!」
「危なっかしい事とは」
「戦場で、しかも人型ネイバーの前で新型とハイタッチして踊り出したって聞いたわよ!」
「小南さんちょっと話し合おうか」
誰がそんな命知らずなことやるか。
小南の後ろにいる烏丸を訴えるような目で睨む。どうせこいつの仕業だ。そしたら烏丸も私を睨んできた。どういうことだ。
「今回はナマエさんの自業自得ですから」
「自業自得の結果が新型とハイタッチして踊り出すってなるのが分かんないんですけど」
「ハイタッチはしてたけどな」
「ちょっと出水黙れ」
これ以上意味の分からない怒りをぶつけられてたまるか。
小南にハイタッチはしたけど真面目にやってたよ、踊ってないよと詳しく説明する。小南は烏丸に騙されたと気づいたらしく後ろの烏丸に鋭い視線を向けたがすぐさま再び私を睨んだ。えぇー……なにこれ反抗期?
「そうか……もう小南も十七歳だからね、反抗期にもなるかぁ……」
「ちょっと! なにしみじみ言ってんのよ! 私が怒ってるのは……」
「小南先輩、一応ここ修の病室ですから」
烏丸がそう言うと小南は借りてきた猫のように小さくなり、修くんのお母さんに「ごめんなさい……」と謝った。うんうん、素直な子に育ってお姉さん嬉しい、と内心喜んでいると両腕を掴まれた。右手は烏丸、左手は小南。え、なにこれと動揺していると「来て早々申し訳ないんすけどちょっとナマエさん借ります」「おー。どこへでも連れて行けー」「どうも」と烏丸と米屋のやりとりを聞きながら病室から連れ出された。
「さて、屋上にでも行きましょうか」
そう言った烏丸の顔は無表情だったが明らかに怒っていた。これは説教コースな気がする。……高校生に怒られる大学生って……。
「なんか言えよ!」
「一人でもめんどくさいのに何で三人纏めているのめんどくさい」
「師匠はもう少し年下に優しくしろよ」
「今めんどくさいって二回言ったよね」
「ナマエさんもメガネくんの見舞いかー?」
全員違うこと言うなめんどくさい。つーかおまえらもか。
「お見舞いって意味知ってるの? 止め刺しに行くことじゃないからね?」
「ナマエさん、オレらそんな戦闘狂じゃねーから」
「山原さんこそ手ぶらで何しに行くのさ」
「お見舞い品は私の笑顔で」
「メガネくん何日入院させる気だよ」
「おいこら弾バカ表出ろ」
「もう表だよバカ師匠上等だ」
「道端でケンカすんなー」
「ちょっと! なんでオレを間に入れるの!」
私と出水の間に緑川を突っ込んだ米屋。真ん中でギャーギャー騒ぐ緑川の頭を叩くと「理不尽!」とさらに騒ぎ出した。中学生元気だな。
そして米屋が傍らに犬の人形を持っていたので凝視していると「これ? メガネくんのお見舞い品」とのこと。修くんのこと何歳だと思ってるの?
そんなやり取りをしながら歩いていると端っこに行った出水が顔をひょっこり出しながら口を開いた。
「つーかなんで来なかったんだよ」
「なにが」
「論功行賞の式典」
この間、今回の戦いの論功行賞の式典が基地で慎ましやかに行われた。なぜか二級戦功を貰った私も呼ばれていたのだが……
「赤吉さんと黒山くんも連れてっていい? って城戸さんに聞いたらおまえは来なくていいって言われた」
「なんで逆に連れてっていいと思ったんだよ」
だって新型倒したの赤吉さん達だし。撃破数五体とか言われたんだけど。あれからまた三体倒したらしい。優秀すぎて太刀川さんに絡まれてたからとりあえず殴っといた。うちの子に絡むな不審者め。
「でもさートリオン兵のこと憎んでるヤツもいるんだから少し気をつけたほうがよくね?」
「そーだよ。ただでさえ山原さん変に目立ってんだから」
「あー……だってさ、赤吉さんに黒山くん」
「ぐぅ」「ばう」
「「「…………」」」
パーカーのフードから出てきた小さくなった赤吉さんと黒山くん。赤吉さんが少し悲しそうだ。ごめんね。
よしよしと撫でていると固まっていた出水が赤吉さん達に指をさしてきた。人(?)に指さすなよ失礼な。
「なんで連れて来てんだよ!」
「んー修くんにサプライズ?」
「本当に入院長引かせる気か!」
「よねやん先輩サプライズってなんだっけ」
「さー?」
****
「こんにちはー」
修くんの病室に着くとそこにいたのは黒髪の美人さん。挨拶すると「うちの修がお世話になっています」と頭を下げられた。あ、お姉さんか。美人だな。
「修くん、まだ目覚ましてないんですか」
「ええ、皆さんにご迷惑をかけてしまって……」
「いえいえお気にせず。……あ、これ絶対嵐山のお見舞い品だ! あいつ弟たちにもこれ買ってたもん!」
「師匠空気読め。すみませんバカなんですこの人」
「枕元に人形置くのさすがにアレだからこっち置いとけば米屋」
「そうだなー」
「話聞け!」
ギャーギャー突っ込んでくる出水に病室で騒ぐなよと言うと「ここ出たら覚えとけよ」と震えながら言われた。別にいいけどフードに入ってる黒山くんが準備体操始めたぞ。小さくても力は強いからなこの二人。もうなんて紳士な子なんだろう。
頼もしい二人にときめきながら花を花瓶にいけてるお姉さんに話しかける。
「修くん面倒見いいからお兄ちゃんかと思ってたら弟だったんですね」
「? 修は一人っ子ですが」
「………ん? 、あなた、は……?」
「修の母です」
「お母さん!?」
「お姉ちゃんじゃなくて!?」
「若っ!!」
「うそだろ!!」
衝撃の事実に全員で一斉に突っ込んでいると部屋の扉がノックされ、見覚えのあるのが二人が入って来た。おお、と手を挙げるとその内の一人が飛び出してきた。
「ナマエーッ!!!」
目を鬼のように光らせた小南に思わず近くにいた緑川を盾にした。「だからなんでオレを間に入れるの!」と文句を言われる。だって小南めっちゃ怒ってるんだもん……。
「あんたまた危なっかしいことしたらしいわね……!」
「危なっかしい事とは」
「戦場で、しかも人型ネイバーの前で新型とハイタッチして踊り出したって聞いたわよ!」
「小南さんちょっと話し合おうか」
誰がそんな命知らずなことやるか。
小南の後ろにいる烏丸を訴えるような目で睨む。どうせこいつの仕業だ。そしたら烏丸も私を睨んできた。どういうことだ。
「今回はナマエさんの自業自得ですから」
「自業自得の結果が新型とハイタッチして踊り出すってなるのが分かんないんですけど」
「ハイタッチはしてたけどな」
「ちょっと出水黙れ」
これ以上意味の分からない怒りをぶつけられてたまるか。
小南にハイタッチはしたけど真面目にやってたよ、踊ってないよと詳しく説明する。小南は烏丸に騙されたと気づいたらしく後ろの烏丸に鋭い視線を向けたがすぐさま再び私を睨んだ。えぇー……なにこれ反抗期?
「そうか……もう小南も十七歳だからね、反抗期にもなるかぁ……」
「ちょっと! なにしみじみ言ってんのよ! 私が怒ってるのは……」
「小南先輩、一応ここ修の病室ですから」
烏丸がそう言うと小南は借りてきた猫のように小さくなり、修くんのお母さんに「ごめんなさい……」と謝った。うんうん、素直な子に育ってお姉さん嬉しい、と内心喜んでいると両腕を掴まれた。右手は烏丸、左手は小南。え、なにこれと動揺していると「来て早々申し訳ないんすけどちょっとナマエさん借ります」「おー。どこへでも連れて行けー」「どうも」と烏丸と米屋のやりとりを聞きながら病室から連れ出された。
「さて、屋上にでも行きましょうか」
そう言った烏丸の顔は無表情だったが明らかに怒っていた。これは説教コースな気がする。……高校生に怒られる大学生って……。