本編
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太刀川さんとトリオン兵を倒しながら警戒区域を進む。他の部隊は新型に遭遇しているらしくなかなか倒せないため手が薄くなった場所からトリオン兵が突破しそうなんだと。どんだけ強いの新型。
「てかＢ級はみんな集まれって言われてんのになんで私だけハブかれてんの」
「ついにＢ級にも見捨てられたんじゃねーか？」
「Ｂ級にもってなんだこら」
軽口叩き合いながら進んでいるとやっと目的地まで着く。無駄にトリオン兵多くて手間取った。
視線の先には二足歩行で頭に耳っぽいのをつけている誰得だよって言いたくなるようなトリオン兵が四体。そしてそれに向き合う短髪の少年。一体が少年に襲いかかって来たので地面に手をつけエスクードを出して守る。
「！？」
「よう村上 俺忍田さんからこいつら斬ってこいって言われてんだ。もらっていいか？」
「………どうぞ 太刀川さん」
村上は息を吐いてそう言った。片腕ぶっ飛んでまで戦った村上に「頑張ったなぁおーよしよし」と頭をわしゃわしゃにしておいた。その一方で太刀川さんは旋空弧月で三体を一気に真っ二つにした。ご臨終。
「太刀川さんあと一匹残ってますよ。ちゃっちゃとやってください」
「おまえに譲ってやったんだよ」
「いらんわ！ ……ってこっち来たし！」
あの人さっきのことまだ根に持ってるな！
私と村上の方に来たのでアステロイドを飛ばしたが腕でガードされる。
「硬っ！ なにあれ硬いな！ ほんと化け物だな太刀川さん！」
「ギャーギャー言ってないでさっさと倒せ、村上も手ぇだすなよ」
あのやろ……！
両手に出したアステロイドを太刀川さんにぶち込みたい衝動を押さえて合成させる。
「ギムレット」
ギムレットで頭部の装甲をぶち抜く。動きが止まったところでトドメにメテオラで核を壊した。そして太刀川さんにメテオラを撃とうとしたところで村上に止められる。村上ィイ！
「国近、新型撃破数ランキングはどうなってる？」
《嵐山さん三体、風間さん三体、小南二体、Ｂ級合同二体、木虎一体、ナマエさん一体、ミクモ？ 一体。太刀川さんは今の三体でトップタイだね》
「俺のから二匹村上につけとけ。けっこうダメージ入ってた」
「私のもつけといて！ 柚宇ちゃん！！」
《了解～。どうしてそんなに怒ってるの？》
「気にすんな」
あんたは気にしろ！ 村上が入れてくれたダメージなかったら勝てたか分かんないんだぞ！
「さて、次はどこに行きゃいいんだ？」
「風間さんが黒トリガーにやられたそうです」
「……え、風間さんがやられたの？」
その言葉に怒っていたのを忘れ、村上を凝視する。あの小型かつ高性能がやられるなんてどういう状況だ。カツカレーでも差し出されたの。
「はい、Ｂ級合同部隊も人型ネイバーと交戦中です」
「その二つはかなり面白そうだが今回の指揮官は俺じゃないからな」
《慶は東部地区に向かえ。風間隊に代わって東部のトリオン兵を排除しろ。Ｃ級と市民を守るんだ》
黒トリガーは一端放置するらしい。市街地に向かえば太刀川さんにやらせるようだが。てかあの人顔がにやにやしてんですけど。黒トリガー来いって顔してんですけど。
村上の顔を見るとそんな太刀川さんに呆れた様子だった。村上はアタッカーの良心だよね。ろくな人間いないからなアタッカー。
《ナマエ、おまえは南西部の三雲・烏丸の援護に向かえ。Ｃ級隊員を基地まで連れてくるんだ。村上はＢ級と合流しろ》
「！ りょーかい」
「了解」
驚いたことにこの戦いが始まって数時間も経ってなかった。基地爆撃に新型に人型ネイバーに黒トリガー……もうお腹いっぱいだよお母さん。
そして一人で行動を始めて気づく。Ｂ級が固まって行動している意味に。
「ちょっとおおお！！ 忍田さん！ ぴょこ耳が二体追いかけて来たんですけど！」
そうだよＢ級じゃ手に負えないからみんな固まってたんじゃん！ 最初から最後までハブられてたな私！ 何で私だけ個別行動なの！
《落ちつけ、市街地には連れて行くなよ》
「基地に連れてってもいい！？」
《ダメだ、烏丸達と合流したらどうする》
インカムの向こう側で「友達みたいに言いおったなあいつは……」と鬼怒田さんの呆れた声が聞こえた。こんな好戦的な友達いねーよ！
忍田さんは「出来るだけ足止めしろ。今おまえの元に向かえる隊員はいない」と私に言った。要約すると一人で頑張れってことですね。はい。
しかしこれ以上逃げてたら本当に市街地へ行ってしまう。ということは……戦えってことですね。はい。
「くそネイバーめぇ……おまえら遊真みたいなネイバーになれよ。あんなネイバーばっかだったら癒やしで世界が救われるわ」
そう最後に泣き言を漏らして追いかけてくるぴょこ耳たちに視線をやる。黒のぴょこ耳はさっきのと性能が違う。腕からドロッとしたの出してたうんキモイ。赤のぴょこ耳はえらく攻撃的だ。たぶん友達少ないね。話聞かないタイプだよあれ。
腕の装甲は私の力で砕けるわけないから狙うなら頭。でも腕でガードされる。あ、オワタ。足……当たるかなぁ。走りながらアステロイドを撃ってみたが避けられた。身軽ですね。これもうＣ級の援護どころじゃねえよ。
どうしたらいいんだろう。というか私のオペレーターの高島さん(三十路。男。結婚相手募集中)から全く連絡ないんだけど。あの人なにしてるの婚活中か。遠隔支援もないとか……なんでこんな苦行背負ってるんだろう……私も皆と一緒にたたかいたい……一人やだ……
「！ ぐおっしゃいッ！」
背後がピカッと光ったので振り返ると赤のぴょこ耳がビームを撃ってきた。頭！ 頭かすったよ！ あぶねえ！！
「あーもう腹立ってきた。意味わかんないけど腹立ってきた。よしこいよぴょこ＆ぴょこ」
屋根の上で止まり、中指を立てて挑発する。そして「ぐわごしょお！！」みたいな声を上げてやって来るぴょこ×２。私の中のなにか目覚めろおおおお！！
「てかＢ級はみんな集まれって言われてんのになんで私だけハブかれてんの」
「ついにＢ級にも見捨てられたんじゃねーか？」
「Ｂ級にもってなんだこら」
軽口叩き合いながら進んでいるとやっと目的地まで着く。無駄にトリオン兵多くて手間取った。
視線の先には二足歩行で頭に耳っぽいのをつけている誰得だよって言いたくなるようなトリオン兵が四体。そしてそれに向き合う短髪の少年。一体が少年に襲いかかって来たので地面に手をつけエスクードを出して守る。
「！？」
「よう村上 俺忍田さんからこいつら斬ってこいって言われてんだ。もらっていいか？」
「………どうぞ 太刀川さん」
村上は息を吐いてそう言った。片腕ぶっ飛んでまで戦った村上に「頑張ったなぁおーよしよし」と頭をわしゃわしゃにしておいた。その一方で太刀川さんは旋空弧月で三体を一気に真っ二つにした。ご臨終。
「太刀川さんあと一匹残ってますよ。ちゃっちゃとやってください」
「おまえに譲ってやったんだよ」
「いらんわ！ ……ってこっち来たし！」
あの人さっきのことまだ根に持ってるな！
私と村上の方に来たのでアステロイドを飛ばしたが腕でガードされる。
「硬っ！ なにあれ硬いな！ ほんと化け物だな太刀川さん！」
「ギャーギャー言ってないでさっさと倒せ、村上も手ぇだすなよ」
あのやろ……！
両手に出したアステロイドを太刀川さんにぶち込みたい衝動を押さえて合成させる。
「ギムレット」
ギムレットで頭部の装甲をぶち抜く。動きが止まったところでトドメにメテオラで核を壊した。そして太刀川さんにメテオラを撃とうとしたところで村上に止められる。村上ィイ！
「国近、新型撃破数ランキングはどうなってる？」
《嵐山さん三体、風間さん三体、小南二体、Ｂ級合同二体、木虎一体、ナマエさん一体、ミクモ？ 一体。太刀川さんは今の三体でトップタイだね》
「俺のから二匹村上につけとけ。けっこうダメージ入ってた」
「私のもつけといて！ 柚宇ちゃん！！」
《了解～。どうしてそんなに怒ってるの？》
「気にすんな」
あんたは気にしろ！ 村上が入れてくれたダメージなかったら勝てたか分かんないんだぞ！
「さて、次はどこに行きゃいいんだ？」
「風間さんが黒トリガーにやられたそうです」
「……え、風間さんがやられたの？」
その言葉に怒っていたのを忘れ、村上を凝視する。あの小型かつ高性能がやられるなんてどういう状況だ。カツカレーでも差し出されたの。
「はい、Ｂ級合同部隊も人型ネイバーと交戦中です」
「その二つはかなり面白そうだが今回の指揮官は俺じゃないからな」
《慶は東部地区に向かえ。風間隊に代わって東部のトリオン兵を排除しろ。Ｃ級と市民を守るんだ》
黒トリガーは一端放置するらしい。市街地に向かえば太刀川さんにやらせるようだが。てかあの人顔がにやにやしてんですけど。黒トリガー来いって顔してんですけど。
村上の顔を見るとそんな太刀川さんに呆れた様子だった。村上はアタッカーの良心だよね。ろくな人間いないからなアタッカー。
《ナマエ、おまえは南西部の三雲・烏丸の援護に向かえ。Ｃ級隊員を基地まで連れてくるんだ。村上はＢ級と合流しろ》
「！ りょーかい」
「了解」
驚いたことにこの戦いが始まって数時間も経ってなかった。基地爆撃に新型に人型ネイバーに黒トリガー……もうお腹いっぱいだよお母さん。
そして一人で行動を始めて気づく。Ｂ級が固まって行動している意味に。
「ちょっとおおお！！ 忍田さん！ ぴょこ耳が二体追いかけて来たんですけど！」
そうだよＢ級じゃ手に負えないからみんな固まってたんじゃん！ 最初から最後までハブられてたな私！ 何で私だけ個別行動なの！
《落ちつけ、市街地には連れて行くなよ》
「基地に連れてってもいい！？」
《ダメだ、烏丸達と合流したらどうする》
インカムの向こう側で「友達みたいに言いおったなあいつは……」と鬼怒田さんの呆れた声が聞こえた。こんな好戦的な友達いねーよ！
忍田さんは「出来るだけ足止めしろ。今おまえの元に向かえる隊員はいない」と私に言った。要約すると一人で頑張れってことですね。はい。
しかしこれ以上逃げてたら本当に市街地へ行ってしまう。ということは……戦えってことですね。はい。
「くそネイバーめぇ……おまえら遊真みたいなネイバーになれよ。あんなネイバーばっかだったら癒やしで世界が救われるわ」
そう最後に泣き言を漏らして追いかけてくるぴょこ耳たちに視線をやる。黒のぴょこ耳はさっきのと性能が違う。腕からドロッとしたの出してたうんキモイ。赤のぴょこ耳はえらく攻撃的だ。たぶん友達少ないね。話聞かないタイプだよあれ。
腕の装甲は私の力で砕けるわけないから狙うなら頭。でも腕でガードされる。あ、オワタ。足……当たるかなぁ。走りながらアステロイドを撃ってみたが避けられた。身軽ですね。これもうＣ級の援護どころじゃねえよ。
どうしたらいいんだろう。というか私のオペレーターの高島さん(三十路。男。結婚相手募集中)から全く連絡ないんだけど。あの人なにしてるの婚活中か。遠隔支援もないとか……なんでこんな苦行背負ってるんだろう……私も皆と一緒にたたかいたい……一人やだ……
「！ ぐおっしゃいッ！」
背後がピカッと光ったので振り返ると赤のぴょこ耳がビームを撃ってきた。頭！ 頭かすったよ！ あぶねえ！！
「あーもう腹立ってきた。意味わかんないけど腹立ってきた。よしこいよぴょこ＆ぴょこ」
屋根の上で止まり、中指を立てて挑発する。そして「ぐわごしょお！！」みたいな声を上げてやって来るぴょこ×２。私の中のなにか目覚めろおおおお！！
