番外編
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「クリスマスってこ、恋人ってなにするの……?」
クリスマスどうしますか? と聞いたら返ってきた言葉がこれだった。少し頬が赤らんでいる。よかった。いつも通り玉狛でバカ騒ぎか本部でバカ騒ぎか友だちとバカ騒ぎの三択以外にちゃんと烏丸と過ごすという選択肢があったらしい。ベッドに座って横並びになって座っている状態だが、足が居心地悪そうにもぞもぞしていて微笑ましい。雰囲気もそわそわしている。可愛くて肩に手を回してこめかみに唇を当てると「うにょ」と奇声が上がった。また奇声シリーズが増えたと喉が鳴った。
「……クリスマスは稼ぎ時だって去年バイトのシフト入れてなかった?」
「んーまあ、ナマエさん大学の友だちのクリスマス会と玉狛のクリスマス会二連チャン! って元気に色気なく楽しそうにしてたので大丈夫かと思ったんで」
「元気に色気なく……? 色気いる?」
「クリスマス前はカップル出来やすいらしいので色気は必要みたいですよ」
「知らなかったわ……」
「知らなくていいんですよ。今年はイブもクリスマスも平日だからいれる時間少ないから前の週の休みに二人でどこか行きますか? そっちの方が長くいられますよ」
「……イベントは当日楽しみたい派だけど烏丸が大変そうだからそれもあり……ですが」
「ですが?」
「……なんか、当日、顔みたい……かも?」
普段は遠慮なんか知らないみたいな顔をするくせに、烏丸を尊重しつつも甘えてくるのはこの関係になってからだった。顔が勝手にほころんで頭と頭をくっつける。ぽんぽんと撫でると「なんだよぉー」とちょっと不満げな声が出て腕が身体に回ってきた。
「イベントの日だけどさ」
「うん」
「ハロウィンのときは別に気にしなかったのにクリスマスは顔みたくなるんだろ。クリスマスなんて人の誕生日だよ」
「誰かと過ごす日って雰囲気ありますからね。俺も家族やボーダーの人達と過ごすのばっかりでしたけど、やっぱりナマエさんと二人で過ごせるなら人の誕生日でも特別ですよ」
「……キリスト様ありがとう?」
「ありがとうって事で当日どうしますか? 二人でクリスマス料理作ってもいいし、イルミネーション見に行ってもいいし」
「料理……イルミネーション……」
「映画とかショッピングでもいいですけどナマエさんクリスマスっぽいことしたいでしょう?」
「したい。ショッピング、イルミネーション、ご飯がいい。……けどどっちも次の日学校あるからイルミネーションご飯がいい」
「別にショッピングデートもいいですよ」
「ご飯凝ったの作りたい。ローストビーフ作ったろって気分になったから」
「鳥は?」
「鳥は買う。んーあとポテサラのツリーが可愛かった。去年みた。あとはビーフシチューとか? 肉多過ぎかな? 普通のシチューにする? んーググろ」
「ググるならこっちで」
足を広げて太ももをポンポン叩くと一瞬固まったあと、のそのそ身体を縮めて「おじゃまします」とやってきた。お腹に手を回して肩にあごをのせて密着する。落ち着くなと思った。
「ローストビーフ作ったことあるんですか」
「なんか林藤さんが肉の塊を貰ってきてこれはローストビーフしろって肉が言ってたからレイジさんと作った」
「へえ楽しみです」
「野菜のテリーヌ……? 知らない言葉ですね。却下」
「意外と簡単ですよ」
「じゃあ烏丸担当で」
「作って持ってきます」
「よろしくお願いします」
「はい」
幸せだな、とふと思った。
特別な日の少し特別なご飯。それを二人で作る話をする。ただそれだけ。それだけなのにこんなにも心が満たされる。目をつむってナマエに顔を寄せる。いつもと同じシャンプーの香り。最初はこの香りにドキドキしていたのに今となっては落ちつく香りだ。烏丸が使ってもこんな匂いはしないのに不思議だなと思う。初めて抱きしめたときには柔らかくてふにゃっとしていて、これ力を入れて大丈夫かと思った。今は力加減も分かって結構な頻度で抱きしめている。何度もやってるのに飽きない。飽きる気配がない。ナマエにも。絶対に飽きるとか愛情がなくなるとかそんな日が来るなんてないんだろうなと思う。だってそれは日々増していっているのだから。
「んがっ!」
「ん、ほら」
急にナマエがスマホを落とした。烏丸の方が位置が近かったので烏丸が拾って渡そうとする。その際に見えたのは「クリスマス カップル 性夜」の文字。
「……なに調べてるんですかスケベ」
「ちがっ! 違う! クリスマスのカップルってなにするか調べてたら出てきたの!」
本当に! と必死に主張するナマエに本当だろうなと思いつつナマエを抱きあげて枕にぽすんと頭をつけてベッドに横たえる。ナマエの身体を跨いで両手を顔の横に置いて頬をすりよせる。
「予行演習しておくか?」
「んぐ、んん、あぅ……」
困ってて可愛いなと思ってたらか細い声で耳を赤くしながら「……本番までお待ちください」と言われて笑いながら「楽しみにしておく」と返した。
クリスマスどうしますか? と聞いたら返ってきた言葉がこれだった。少し頬が赤らんでいる。よかった。いつも通り玉狛でバカ騒ぎか本部でバカ騒ぎか友だちとバカ騒ぎの三択以外にちゃんと烏丸と過ごすという選択肢があったらしい。ベッドに座って横並びになって座っている状態だが、足が居心地悪そうにもぞもぞしていて微笑ましい。雰囲気もそわそわしている。可愛くて肩に手を回してこめかみに唇を当てると「うにょ」と奇声が上がった。また奇声シリーズが増えたと喉が鳴った。
「……クリスマスは稼ぎ時だって去年バイトのシフト入れてなかった?」
「んーまあ、ナマエさん大学の友だちのクリスマス会と玉狛のクリスマス会二連チャン! って元気に色気なく楽しそうにしてたので大丈夫かと思ったんで」
「元気に色気なく……? 色気いる?」
「クリスマス前はカップル出来やすいらしいので色気は必要みたいですよ」
「知らなかったわ……」
「知らなくていいんですよ。今年はイブもクリスマスも平日だからいれる時間少ないから前の週の休みに二人でどこか行きますか? そっちの方が長くいられますよ」
「……イベントは当日楽しみたい派だけど烏丸が大変そうだからそれもあり……ですが」
「ですが?」
「……なんか、当日、顔みたい……かも?」
普段は遠慮なんか知らないみたいな顔をするくせに、烏丸を尊重しつつも甘えてくるのはこの関係になってからだった。顔が勝手にほころんで頭と頭をくっつける。ぽんぽんと撫でると「なんだよぉー」とちょっと不満げな声が出て腕が身体に回ってきた。
「イベントの日だけどさ」
「うん」
「ハロウィンのときは別に気にしなかったのにクリスマスは顔みたくなるんだろ。クリスマスなんて人の誕生日だよ」
「誰かと過ごす日って雰囲気ありますからね。俺も家族やボーダーの人達と過ごすのばっかりでしたけど、やっぱりナマエさんと二人で過ごせるなら人の誕生日でも特別ですよ」
「……キリスト様ありがとう?」
「ありがとうって事で当日どうしますか? 二人でクリスマス料理作ってもいいし、イルミネーション見に行ってもいいし」
「料理……イルミネーション……」
「映画とかショッピングでもいいですけどナマエさんクリスマスっぽいことしたいでしょう?」
「したい。ショッピング、イルミネーション、ご飯がいい。……けどどっちも次の日学校あるからイルミネーションご飯がいい」
「別にショッピングデートもいいですよ」
「ご飯凝ったの作りたい。ローストビーフ作ったろって気分になったから」
「鳥は?」
「鳥は買う。んーあとポテサラのツリーが可愛かった。去年みた。あとはビーフシチューとか? 肉多過ぎかな? 普通のシチューにする? んーググろ」
「ググるならこっちで」
足を広げて太ももをポンポン叩くと一瞬固まったあと、のそのそ身体を縮めて「おじゃまします」とやってきた。お腹に手を回して肩にあごをのせて密着する。落ち着くなと思った。
「ローストビーフ作ったことあるんですか」
「なんか林藤さんが肉の塊を貰ってきてこれはローストビーフしろって肉が言ってたからレイジさんと作った」
「へえ楽しみです」
「野菜のテリーヌ……? 知らない言葉ですね。却下」
「意外と簡単ですよ」
「じゃあ烏丸担当で」
「作って持ってきます」
「よろしくお願いします」
「はい」
幸せだな、とふと思った。
特別な日の少し特別なご飯。それを二人で作る話をする。ただそれだけ。それだけなのにこんなにも心が満たされる。目をつむってナマエに顔を寄せる。いつもと同じシャンプーの香り。最初はこの香りにドキドキしていたのに今となっては落ちつく香りだ。烏丸が使ってもこんな匂いはしないのに不思議だなと思う。初めて抱きしめたときには柔らかくてふにゃっとしていて、これ力を入れて大丈夫かと思った。今は力加減も分かって結構な頻度で抱きしめている。何度もやってるのに飽きない。飽きる気配がない。ナマエにも。絶対に飽きるとか愛情がなくなるとかそんな日が来るなんてないんだろうなと思う。だってそれは日々増していっているのだから。
「んがっ!」
「ん、ほら」
急にナマエがスマホを落とした。烏丸の方が位置が近かったので烏丸が拾って渡そうとする。その際に見えたのは「クリスマス カップル 性夜」の文字。
「……なに調べてるんですかスケベ」
「ちがっ! 違う! クリスマスのカップルってなにするか調べてたら出てきたの!」
本当に! と必死に主張するナマエに本当だろうなと思いつつナマエを抱きあげて枕にぽすんと頭をつけてベッドに横たえる。ナマエの身体を跨いで両手を顔の横に置いて頬をすりよせる。
「予行演習しておくか?」
「んぐ、んん、あぅ……」
困ってて可愛いなと思ってたらか細い声で耳を赤くしながら「……本番までお待ちください」と言われて笑いながら「楽しみにしておく」と返した。