番外編
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香取隊、柿崎隊、玉狛第二の夜の試合がもうすぐ始まるのに現在作戦室で待機中だ。今日はみれないかもなぁ。「あ、揃った。一抜け」「ああっ!」「おまえトランプはつえーよな」「昔トランプのプロに弟子入りしたからね」「えっ!? 本当に!?」「あ、ごめん嘘です」「ナマエー!!」怒られた。
「………!?」
すると手札を置いた迅が突然立ち上がった。
「どうしたの?」
「トイレ?」
「………敵が来る」
一瞬がくっと肩を落としておまえね、って顔を私に向けた迅。しかしすぐに切り替えてパターンAで! と指示を出す。いや今のタイミングだったらトイレかと思うわ。そう思いつつ太刀川さんに続いて立ち上がる。パターンAなら私は本部基地防衛だ。今回はぼっちじゃないからね。なんせ小南もいる。
「……小南、ナマエ。太刀川さんについて行け」
「太刀川に? なんで?」
「太刀川さんが……ぶった斬られる未来が見えた」
「……!?」
「縦割り? 横割り?」
またしてもガクンと肩を落とした迅。そしてこっちに振り返って頭ぐちゃぐちゃにされた。だって気になるじゃん。
「おまえは本当に……そこじゃないだろう」
「どっち?」
「………………………横割り」
「横割りか。りょーかい」
「…………今回の相手……思ったより厄介かもしれない」
切り替えてますけど顔がシリアスになりきれてませんよ迅さん。そう言うと誰のせいだと怒られた。だって気になるじゃん。横割り太刀川さん。
迅は先行して基地に侵入したネイバーに対峙しに行った。姿が見えないと予知不十分だからね。
侵入したネイバーは三人。迅は風刃で攻撃するもピンポイントでシールドを張られてしまった。これ敵から風刃の性能ばれてるな。厄介な。
《司令部。むこうの狙いは遠征艇だ! 防衛チームを先回りさせてくれ! 》
「直接対決かー」
「自信ねえのか?」
「このメンバーで負けたらダメでしょ」
「そりゃそうだ」
太刀川さんと軽口叩きながら他のメンバーと合流する。風間さんと村上によっ! と挨拶して遠征艇の格納庫に入る。
「なにしてんだ?」
「エスクードはっとく。念のため」
「おー了解」
一通り覆いきってから格納庫の前に並んでいる4人の横に並ぶ。
「……来るぞ二人だ。遠征艇ドッグ用エレベーターを降下中」
「二人だけですか?」
「ゲートで犬型のトリオン兵を呼ぶそうだ」
「犬型……」
「前の新型より手強いってことはないだろ。こっちに予知があるからとはいえ、この面子に突っ込んでくる相手がかわいそうだな」
「何のんきなこと言ってんの。迅の予知だとあんた真っ二つにされるらしいわよ」
「……!」
「へえ。そいつは俄然楽しみになってきた」
「ちなみに横割りね横割り」
「それ重要か?」
「縦だとちょっと間抜けじゃない?」
「たしかに」
「山原緊張感を持て」
「はーい」
そんなこんなで敵がやってきた。額に傷があるのと坊主の若そうなの。風間さんはカメレオンで隠れている。
坊主は背中からリング状の浮遊物を出現させて傷の方は犬型のトリオン兵を出現させた。犬だっていうからちょっと楽しみにしてたけど全然可愛くない。角いらんだろ。
「目標確認。壁は鬼怒田さんが分厚く補強済み。壊しちゃダメなものはしまってある。地下だから音もそんなに気にしなくていい。上と違ってメテオラも解禁。思いっきりやっていいそうだ」
「了解」
「OK」
「はいはーい」
「あんたらのお目当てはこの中だ」
言わなくてよくない? って思ったけど見た目からしてバレバレだな。若いほうのネイバーは目的を当てられたからか目を見開いている。
「遠征艇をぶっ壊したきゃその前に俺たち4人をぶった斬らなきゃなんないな」
そう太刀川さんが挑発した瞬間、カメレオン状態だった風間さんが傷のあるネイバーの左腕を切り落とした。
「………!!」
「おっと悪い。4人じゃなくて5人だった」
「姿を消すトリガー……!!」
すると傷のあるネイバーは背中からカマキリみたいな鎌のトリガーを出現させた。
「背中から武器が……」
「レイジさんの全武装みたい」
「なるほど……こいつはよく斬れそうだ」
そして斬られた左腕を何かと結合すると銃が出現した。それってありですか?
「ありゃあ……手まで生えちゃったよ風間さん」
「次からは脚を狙う」
「脚からもなんか生えそう」
「悪いがあまりおしゃべりもしてられんのでな」
「「戦闘開始だ」」
途端、敵は背中に出した武器を足場に固定し、銃に出力を合わせた。
「!! 格納庫!!」
ドッ! とデカい音を響かせ発射されたものは一番近くにいた村上がレイガストで逸らして防いだ。ナイス。と思ったら犬型トリオン兵の角で村上の右腕が持って行かれた。角意味あったわ。そんなことを思いつつ小南、太刀川さんと共に村上のフォローに入る。
「アステロイド」
犬を散らして間合いをとる。
『あぶねーいきなり終わるところだった』
『鋼さんナイスカバー』
『えらいぞー』
風間さんがカメレオンを起動させるが坊主のネイバーのトリガーが縦横無尽に動き始める。太刀川さん達は武器で防いで私はハウンドで防ぐ。カメレオンの特性ばれちゃったな。
傷のあるほうの生えた鎌が重音を響かせながら小南と太刀川さんを襲う。小南が真上を取ってメテオラを炸裂させると坊主のほうが距離をとる。
「旋空弧月」
「アステロイド」
太刀川さんと共に坊主を狙うが傷のあるほうが間に入って阻止された。近すぎて旋空弧月の強みが生かせないしあの生えた鎌が想像より硬い。
太刀川さんが鎌に挟まれるけど犬達も一斉に攻撃してきてそちらの処理をしなきゃいけない。犬地味に邪魔だな。
すると小南が飛び上がってコネクトした双月で傷のあるほうの生えた鎌を攻撃する。バギンと音がして鎌が折られた。おかげで太刀川さんが解放された。再び間合いをとる。
『やっとこさ鎌一本か。こいつは骨が折れる』
『重点的に狙わないとあれ折れないね』
『罠踏む気配もないし冬島さんに全部ショートワープに変えてもらったほうがいいかも』
『格納庫狙いでこっちの動きを制限してくるのが厄介だな』
『黒トリガーでもない限りあの威力で連発はないでしょう。あと一発は俺が止めますよ』
『よしその間に敵を減らすぞ』
『どっちから?』
『軽い方からって言いたいとこだが重い方を先に料理しなきゃならなそうだな』
『犬また増えたんだけどなんでいっぺんに使ってこないの?』
『多すぎると細かく動かせないんだろ。連携しなきゃただの雑魚だ』
『飛び回るリングも犬も重い方の攻撃をサポートしている。分断したほうがいい。軽い方は俺のカメレオンを警戒しているようだ。ちょうどいいから俺が受け持つ。山原は間に入って連携と犬を止めろ。重い方は三人でかかれ。いいな?』
『了解』
『了解!』
『了解!』
『りょうかーい』
***
(斧使いは鋭い動きと大斧の一撃。炸裂弾での射撃もある。こっちをかき回して隙を作る役目か)
(盾使いはこちらと目標の間を的確に防御。位置によっては攻撃にも参加する。剣の腕もあって目標破壊のためには一番邪魔な相手だ)
(ヒゲは二人の隙をカバーして攻撃をつなぐバランサー。戦況を動かす役割だが伸びる斬撃で止めを狙ってくる動きもある)
(一番若そうな双剣使いも一人でラタを抑えている。透明化のトリガーには警戒が必要だ。他の奴が使ってくる可能性とあるな)
(厄介なのが射手の女。的確にこちらの連携を絶ち、弾と位置取りで思うように行動させないよう制御してくる)
(大砲のチャージは完了した。この一発をどこで使うかが重要だ。時間もない。戦況は互角の膠着状態。敵をを誰か一人落とせば形成は大きくこちらに傾く。敵の兵と遠征艇。狙いどころが二つあるのがこちらの有利な点だ。敵は大砲を意識しているはず。この一手で勝負を決める)
ガトリンは前を向き意識を集中させた。
****
急にリング状のトリガーと犬達が村上を襲い始めた。犬は私担当だから消えてくれ。アステロイドで排除するも次から次へと突入させてくる。消耗戦なわけないしトリオン兵は数に限りあるでしょ。なんかしようとしてるなこれ。
『相手さん、動き変わった。何か企んでる。村上は格納庫の方集中して。風間さん坊主よろしく』
『了解』
『了解』
風間さんは坊主の余裕を減らそうとカメレオンを起動した。そして片腕を囮に坊主の背後をとって両足を切り落とした。
坊主は倒れた状態からこちらにトリガーを放ってきた。ハウンドで撃ち落とすが同時に犬が大量に襲ってくる。犬邪魔だな。
そう思った一瞬の隙だった。村上が犬の相手をした一瞬。傷の男が格納庫に身体を向けた。
『来るぞ大砲だ! 村上を援護しろ!』
『了解!』
小南がこちらへ動き始めたと同時に傷の男は背中の鎌で太刀川さんの動きを固定した。
「太刀川さんごと格納庫を……!?」
位置もタイミングもばっちりで敵の大砲の斜線が読めない。太刀川さんが邪魔で砲撃も阻止できない。村上が間に合っても太刀川さんは倒せる。
「…………だが」
「一手遅いな。真っ二つだ」
小南が切り返して大斧で太刀川さんごと横に真っ二つに切り飛ばした。予知命中。やっぱ横割りだよね。
そんなことを考えてたら傷のネイバーが残った鎌で体勢を整え、格納庫へ砲撃を撃った。でも斜線はばっちり分かるからその位置にエスクードを発動させる。同時に村上が前にはいってレイガストで砲撃を阻止した。
「……見事」
「さすが」
そう言って太刀川さんと共に消えた。はい?
「……!?」
「本体が消えた……!?」
「我々の完敗です。お見事でした」
そういって坊主の方も消える。トリオン反応もない。
「これは……ベイルアウトか……!」
「パクりじゃん! どこに文句言えばいいやつ!?」
「敵の大胆な動きの理由はこれか」
風間さんに完全にスルーされた。村上の方を向いたらうんうんと頷かれた。ね、パクりじゃんね村上くん。
『いや~~~俺たちの大勝利だな!』
「何言ってんの。予知通り真っ二つになったくせに」
『予知を逆手に取ったんだ。予知を利用して敵を倒したんだから迅の予知に勝ったといっても過言じゃない』
「はいはい」
「敵の攻撃を漏らして悪かったな」
「いえ充分です。おかげで最後は止められましたし。俺がやられても山原さんがいましたしね」
「防いだ村上がえらいよ」
「敵の完全撤退まで油断はできないが第一の任務は達成だ」
「おつかれさま!」
「おつかれ~」
格納庫に置いてたスマホ持ってきてランク戦の画面にする。まだ始まってないみたいだ。
「私と小南無傷だからなんか役割渡されるかな? ランク戦みにいきたい」
「行く暇ないんじゃない? 今は待機してろって言われるでしょ」
「えぇ……まあいいやここでみよ」
そのあとちっさいスマホ画面で4人でランク戦をみた。私と小南がうるさかったから風間さんが煩わしそうな顔してて村上が苦笑していた。
「………!?」
すると手札を置いた迅が突然立ち上がった。
「どうしたの?」
「トイレ?」
「………敵が来る」
一瞬がくっと肩を落としておまえね、って顔を私に向けた迅。しかしすぐに切り替えてパターンAで! と指示を出す。いや今のタイミングだったらトイレかと思うわ。そう思いつつ太刀川さんに続いて立ち上がる。パターンAなら私は本部基地防衛だ。今回はぼっちじゃないからね。なんせ小南もいる。
「……小南、ナマエ。太刀川さんについて行け」
「太刀川に? なんで?」
「太刀川さんが……ぶった斬られる未来が見えた」
「……!?」
「縦割り? 横割り?」
またしてもガクンと肩を落とした迅。そしてこっちに振り返って頭ぐちゃぐちゃにされた。だって気になるじゃん。
「おまえは本当に……そこじゃないだろう」
「どっち?」
「………………………横割り」
「横割りか。りょーかい」
「…………今回の相手……思ったより厄介かもしれない」
切り替えてますけど顔がシリアスになりきれてませんよ迅さん。そう言うと誰のせいだと怒られた。だって気になるじゃん。横割り太刀川さん。
迅は先行して基地に侵入したネイバーに対峙しに行った。姿が見えないと予知不十分だからね。
侵入したネイバーは三人。迅は風刃で攻撃するもピンポイントでシールドを張られてしまった。これ敵から風刃の性能ばれてるな。厄介な。
《司令部。むこうの狙いは遠征艇だ! 防衛チームを先回りさせてくれ! 》
「直接対決かー」
「自信ねえのか?」
「このメンバーで負けたらダメでしょ」
「そりゃそうだ」
太刀川さんと軽口叩きながら他のメンバーと合流する。風間さんと村上によっ! と挨拶して遠征艇の格納庫に入る。
「なにしてんだ?」
「エスクードはっとく。念のため」
「おー了解」
一通り覆いきってから格納庫の前に並んでいる4人の横に並ぶ。
「……来るぞ二人だ。遠征艇ドッグ用エレベーターを降下中」
「二人だけですか?」
「ゲートで犬型のトリオン兵を呼ぶそうだ」
「犬型……」
「前の新型より手強いってことはないだろ。こっちに予知があるからとはいえ、この面子に突っ込んでくる相手がかわいそうだな」
「何のんきなこと言ってんの。迅の予知だとあんた真っ二つにされるらしいわよ」
「……!」
「へえ。そいつは俄然楽しみになってきた」
「ちなみに横割りね横割り」
「それ重要か?」
「縦だとちょっと間抜けじゃない?」
「たしかに」
「山原緊張感を持て」
「はーい」
そんなこんなで敵がやってきた。額に傷があるのと坊主の若そうなの。風間さんはカメレオンで隠れている。
坊主は背中からリング状の浮遊物を出現させて傷の方は犬型のトリオン兵を出現させた。犬だっていうからちょっと楽しみにしてたけど全然可愛くない。角いらんだろ。
「目標確認。壁は鬼怒田さんが分厚く補強済み。壊しちゃダメなものはしまってある。地下だから音もそんなに気にしなくていい。上と違ってメテオラも解禁。思いっきりやっていいそうだ」
「了解」
「OK」
「はいはーい」
「あんたらのお目当てはこの中だ」
言わなくてよくない? って思ったけど見た目からしてバレバレだな。若いほうのネイバーは目的を当てられたからか目を見開いている。
「遠征艇をぶっ壊したきゃその前に俺たち4人をぶった斬らなきゃなんないな」
そう太刀川さんが挑発した瞬間、カメレオン状態だった風間さんが傷のあるネイバーの左腕を切り落とした。
「………!!」
「おっと悪い。4人じゃなくて5人だった」
「姿を消すトリガー……!!」
すると傷のあるネイバーは背中からカマキリみたいな鎌のトリガーを出現させた。
「背中から武器が……」
「レイジさんの全武装みたい」
「なるほど……こいつはよく斬れそうだ」
そして斬られた左腕を何かと結合すると銃が出現した。それってありですか?
「ありゃあ……手まで生えちゃったよ風間さん」
「次からは脚を狙う」
「脚からもなんか生えそう」
「悪いがあまりおしゃべりもしてられんのでな」
「「戦闘開始だ」」
途端、敵は背中に出した武器を足場に固定し、銃に出力を合わせた。
「!! 格納庫!!」
ドッ! とデカい音を響かせ発射されたものは一番近くにいた村上がレイガストで逸らして防いだ。ナイス。と思ったら犬型トリオン兵の角で村上の右腕が持って行かれた。角意味あったわ。そんなことを思いつつ小南、太刀川さんと共に村上のフォローに入る。
「アステロイド」
犬を散らして間合いをとる。
『あぶねーいきなり終わるところだった』
『鋼さんナイスカバー』
『えらいぞー』
風間さんがカメレオンを起動させるが坊主のネイバーのトリガーが縦横無尽に動き始める。太刀川さん達は武器で防いで私はハウンドで防ぐ。カメレオンの特性ばれちゃったな。
傷のあるほうの生えた鎌が重音を響かせながら小南と太刀川さんを襲う。小南が真上を取ってメテオラを炸裂させると坊主のほうが距離をとる。
「旋空弧月」
「アステロイド」
太刀川さんと共に坊主を狙うが傷のあるほうが間に入って阻止された。近すぎて旋空弧月の強みが生かせないしあの生えた鎌が想像より硬い。
太刀川さんが鎌に挟まれるけど犬達も一斉に攻撃してきてそちらの処理をしなきゃいけない。犬地味に邪魔だな。
すると小南が飛び上がってコネクトした双月で傷のあるほうの生えた鎌を攻撃する。バギンと音がして鎌が折られた。おかげで太刀川さんが解放された。再び間合いをとる。
『やっとこさ鎌一本か。こいつは骨が折れる』
『重点的に狙わないとあれ折れないね』
『罠踏む気配もないし冬島さんに全部ショートワープに変えてもらったほうがいいかも』
『格納庫狙いでこっちの動きを制限してくるのが厄介だな』
『黒トリガーでもない限りあの威力で連発はないでしょう。あと一発は俺が止めますよ』
『よしその間に敵を減らすぞ』
『どっちから?』
『軽い方からって言いたいとこだが重い方を先に料理しなきゃならなそうだな』
『犬また増えたんだけどなんでいっぺんに使ってこないの?』
『多すぎると細かく動かせないんだろ。連携しなきゃただの雑魚だ』
『飛び回るリングも犬も重い方の攻撃をサポートしている。分断したほうがいい。軽い方は俺のカメレオンを警戒しているようだ。ちょうどいいから俺が受け持つ。山原は間に入って連携と犬を止めろ。重い方は三人でかかれ。いいな?』
『了解』
『了解!』
『了解!』
『りょうかーい』
***
(斧使いは鋭い動きと大斧の一撃。炸裂弾での射撃もある。こっちをかき回して隙を作る役目か)
(盾使いはこちらと目標の間を的確に防御。位置によっては攻撃にも参加する。剣の腕もあって目標破壊のためには一番邪魔な相手だ)
(ヒゲは二人の隙をカバーして攻撃をつなぐバランサー。戦況を動かす役割だが伸びる斬撃で止めを狙ってくる動きもある)
(一番若そうな双剣使いも一人でラタを抑えている。透明化のトリガーには警戒が必要だ。他の奴が使ってくる可能性とあるな)
(厄介なのが射手の女。的確にこちらの連携を絶ち、弾と位置取りで思うように行動させないよう制御してくる)
(大砲のチャージは完了した。この一発をどこで使うかが重要だ。時間もない。戦況は互角の膠着状態。敵をを誰か一人落とせば形成は大きくこちらに傾く。敵の兵と遠征艇。狙いどころが二つあるのがこちらの有利な点だ。敵は大砲を意識しているはず。この一手で勝負を決める)
ガトリンは前を向き意識を集中させた。
****
急にリング状のトリガーと犬達が村上を襲い始めた。犬は私担当だから消えてくれ。アステロイドで排除するも次から次へと突入させてくる。消耗戦なわけないしトリオン兵は数に限りあるでしょ。なんかしようとしてるなこれ。
『相手さん、動き変わった。何か企んでる。村上は格納庫の方集中して。風間さん坊主よろしく』
『了解』
『了解』
風間さんは坊主の余裕を減らそうとカメレオンを起動した。そして片腕を囮に坊主の背後をとって両足を切り落とした。
坊主は倒れた状態からこちらにトリガーを放ってきた。ハウンドで撃ち落とすが同時に犬が大量に襲ってくる。犬邪魔だな。
そう思った一瞬の隙だった。村上が犬の相手をした一瞬。傷の男が格納庫に身体を向けた。
『来るぞ大砲だ! 村上を援護しろ!』
『了解!』
小南がこちらへ動き始めたと同時に傷の男は背中の鎌で太刀川さんの動きを固定した。
「太刀川さんごと格納庫を……!?」
位置もタイミングもばっちりで敵の大砲の斜線が読めない。太刀川さんが邪魔で砲撃も阻止できない。村上が間に合っても太刀川さんは倒せる。
「…………だが」
「一手遅いな。真っ二つだ」
小南が切り返して大斧で太刀川さんごと横に真っ二つに切り飛ばした。予知命中。やっぱ横割りだよね。
そんなことを考えてたら傷のネイバーが残った鎌で体勢を整え、格納庫へ砲撃を撃った。でも斜線はばっちり分かるからその位置にエスクードを発動させる。同時に村上が前にはいってレイガストで砲撃を阻止した。
「……見事」
「さすが」
そう言って太刀川さんと共に消えた。はい?
「……!?」
「本体が消えた……!?」
「我々の完敗です。お見事でした」
そういって坊主の方も消える。トリオン反応もない。
「これは……ベイルアウトか……!」
「パクりじゃん! どこに文句言えばいいやつ!?」
「敵の大胆な動きの理由はこれか」
風間さんに完全にスルーされた。村上の方を向いたらうんうんと頷かれた。ね、パクりじゃんね村上くん。
『いや~~~俺たちの大勝利だな!』
「何言ってんの。予知通り真っ二つになったくせに」
『予知を逆手に取ったんだ。予知を利用して敵を倒したんだから迅の予知に勝ったといっても過言じゃない』
「はいはい」
「敵の攻撃を漏らして悪かったな」
「いえ充分です。おかげで最後は止められましたし。俺がやられても山原さんがいましたしね」
「防いだ村上がえらいよ」
「敵の完全撤退まで油断はできないが第一の任務は達成だ」
「おつかれさま!」
「おつかれ~」
格納庫に置いてたスマホ持ってきてランク戦の画面にする。まだ始まってないみたいだ。
「私と小南無傷だからなんか役割渡されるかな? ランク戦みにいきたい」
「行く暇ないんじゃない? 今は待機してろって言われるでしょ」
「えぇ……まあいいやここでみよ」
そのあとちっさいスマホ画面で4人でランク戦をみた。私と小南がうるさかったから風間さんが煩わしそうな顔してて村上が苦笑していた。
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