番外編
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・ifのif話
・烏丸と同い年設定かつ幼稚園児
・タカシが出張る
おやつの時間には同じもも組の女の子たちからおすそ分けがやってくる。京介くんのお嫁さんになるのは誰かというキャットファイトを目の前で繰り広げられた。二人ペアになってという先生の指示は最近なくなった。何故なら自分のペアになろうと女の子同士が喧嘩になるから。そんな多くの理由から烏丸京介(今年で六歳)は少し冷めた子どもだった。
「きょーすけなんかムカつく!」
ぷんぷん怒っているのは同じもも組のタカシ。いわゆるガキ大将ポジションの男の子だった。サッカーやら追いかけっこやら身体を動かす遊びが好きなタカシと違い、京介は砂場やブランコといった遊びが好き。なんかあいつあわねーと常日頃から思っていたタカシ。そしてクラスの女の子は京介京介といつも目をハートにしているし先生も心なしか贔屓している気がする。なんかめちゃくちゃ気に入らない。そう思ったタカシは木の下でぼーっとしていた京介に直接ぶつかりに行った。タカシは思い立ったらすぐ行動な子どもだった。
「そうなんだ」
だが六歳児にしてはドライを極めていた京介の言葉はこれだけだった。あれ……なんか違うぞ……とタカシの最初の勢いは失われていく。タカシ少年はガキ大将ポジションではあったがメンタルは弱かった。
「アステロイドー!」
「ぎゃあ!!」
「ナマエ、飛び降りたらあぶないよ」
真横に降りてきたナマエに悲鳴を上げるタカシ。ナマエが木から飛び降りたせいで木の葉がはらはらと舞っていた。「なんかわたしターザンみたいじゃない?」「そうだね」驚きで震えるタカシ以外の会話はこれだった。京介は棒読みだ。
「お、おまえっなにしてんだよ!」
「柿さがしてたの」
「なんで」
「かにえせんせーはカニさんだから柿たべちゃダメなんだって」
「……そうなの?」
「うん」
だから柿を見つけてプレゼントするの、と得意げに話すナマエに「かにえせんせーかわいそう……」と眉を下げるタカシ。タカシはガキ大将だが性根の優しい男の子だった。「ぼくも一緒にさがす!」と張り切りだした。
そして支離滅裂な幼稚園児の会話を聞いていた同じ幼稚園児の京介は事の発端を思い出していた。
『かにえせんせーかわいそう……自分で育てた柿を食べられないまましんじゃうなんて……』
『かにえせんせーとこのカニは関係ないよ』
『柿を見つけてかにえせんせーにプレゼントする!』
『聞いてる?』
教室で一緒に読んでいた絵本に感化されたナマエは「かにえせんせーまっててね! せんせーの無念ははらすよ!」と声をかけて教室を飛び出した。ナマエに勝手に殺された蟹江先生(25)は「え、あっうん。待ってるね」とよく状況が理解できていない様子だった。強いていえば「ナマエちゃんまた何かしでかすんじゃないかな……」と少し不安げだった。
京介は飛び出していったナマエをしばらく見つめて絵本を片付け、靴を履き替えてグラウンドに出た。きょろきょろと視線を動かすと一つの木にしがみつくナマエを発見した。その木のある場所へのろのろ歩いていくと「柿をみつけたら落とすからキャッチしてね!」と勝手に協力者にされた京介。そして木の下で待っていたらタカシがやってきたというわけだ。
「がんばるぞ!」
「おー!」
「…………」
一致団結といった様子で繋いだ手をブンブン振りながら別の木へと歩いていくナマエとタカシ。その後ろでそれを見た京介はむっと眉を寄せた。そしてトットットと走って二人の元へ行き、空いているナマエの手をぎゅっと握った。
「おれも行く」
「うん! 一緒にかにえせんせーの無念をはらそう」
「それはどうでもいい」
「えっ」
京介の言葉にショックを受けたような顔をするナマエをおいて一つ挟んだ先のタカシへと視線をやる。
「な、なんだよぉ」
「あげないから」
「なにを……?」
「なんでも」
なんでもってなに……と不安げな顔で言うタカシに「なんでもはなんでも」と返す京介。隣のナマエに視線を戻すと「なんでも?」と不思議そうな顔をしていた。
「うん、なんでも」
・烏丸と同い年設定かつ幼稚園児
・タカシが出張る
おやつの時間には同じもも組の女の子たちからおすそ分けがやってくる。京介くんのお嫁さんになるのは誰かというキャットファイトを目の前で繰り広げられた。二人ペアになってという先生の指示は最近なくなった。何故なら自分のペアになろうと女の子同士が喧嘩になるから。そんな多くの理由から烏丸京介(今年で六歳)は少し冷めた子どもだった。
「きょーすけなんかムカつく!」
ぷんぷん怒っているのは同じもも組のタカシ。いわゆるガキ大将ポジションの男の子だった。サッカーやら追いかけっこやら身体を動かす遊びが好きなタカシと違い、京介は砂場やブランコといった遊びが好き。なんかあいつあわねーと常日頃から思っていたタカシ。そしてクラスの女の子は京介京介といつも目をハートにしているし先生も心なしか贔屓している気がする。なんかめちゃくちゃ気に入らない。そう思ったタカシは木の下でぼーっとしていた京介に直接ぶつかりに行った。タカシは思い立ったらすぐ行動な子どもだった。
「そうなんだ」
だが六歳児にしてはドライを極めていた京介の言葉はこれだけだった。あれ……なんか違うぞ……とタカシの最初の勢いは失われていく。タカシ少年はガキ大将ポジションではあったがメンタルは弱かった。
「アステロイドー!」
「ぎゃあ!!」
「ナマエ、飛び降りたらあぶないよ」
真横に降りてきたナマエに悲鳴を上げるタカシ。ナマエが木から飛び降りたせいで木の葉がはらはらと舞っていた。「なんかわたしターザンみたいじゃない?」「そうだね」驚きで震えるタカシ以外の会話はこれだった。京介は棒読みだ。
「お、おまえっなにしてんだよ!」
「柿さがしてたの」
「なんで」
「かにえせんせーはカニさんだから柿たべちゃダメなんだって」
「……そうなの?」
「うん」
だから柿を見つけてプレゼントするの、と得意げに話すナマエに「かにえせんせーかわいそう……」と眉を下げるタカシ。タカシはガキ大将だが性根の優しい男の子だった。「ぼくも一緒にさがす!」と張り切りだした。
そして支離滅裂な幼稚園児の会話を聞いていた同じ幼稚園児の京介は事の発端を思い出していた。
『かにえせんせーかわいそう……自分で育てた柿を食べられないまましんじゃうなんて……』
『かにえせんせーとこのカニは関係ないよ』
『柿を見つけてかにえせんせーにプレゼントする!』
『聞いてる?』
教室で一緒に読んでいた絵本に感化されたナマエは「かにえせんせーまっててね! せんせーの無念ははらすよ!」と声をかけて教室を飛び出した。ナマエに勝手に殺された蟹江先生(25)は「え、あっうん。待ってるね」とよく状況が理解できていない様子だった。強いていえば「ナマエちゃんまた何かしでかすんじゃないかな……」と少し不安げだった。
京介は飛び出していったナマエをしばらく見つめて絵本を片付け、靴を履き替えてグラウンドに出た。きょろきょろと視線を動かすと一つの木にしがみつくナマエを発見した。その木のある場所へのろのろ歩いていくと「柿をみつけたら落とすからキャッチしてね!」と勝手に協力者にされた京介。そして木の下で待っていたらタカシがやってきたというわけだ。
「がんばるぞ!」
「おー!」
「…………」
一致団結といった様子で繋いだ手をブンブン振りながら別の木へと歩いていくナマエとタカシ。その後ろでそれを見た京介はむっと眉を寄せた。そしてトットットと走って二人の元へ行き、空いているナマエの手をぎゅっと握った。
「おれも行く」
「うん! 一緒にかにえせんせーの無念をはらそう」
「それはどうでもいい」
「えっ」
京介の言葉にショックを受けたような顔をするナマエをおいて一つ挟んだ先のタカシへと視線をやる。
「な、なんだよぉ」
「あげないから」
「なにを……?」
「なんでも」
なんでもってなに……と不安げな顔で言うタカシに「なんでもはなんでも」と返す京介。隣のナマエに視線を戻すと「なんでも?」と不思議そうな顔をしていた。
「うん、なんでも」