本編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
B級隊員 山原ナマエは有名だ。旧ボーダー時代から在籍しているのもあってボーダー幹部にも物怖じしない。
「城戸さーん。戸棚にあったカステラ食べちゃったごめんね」
これが最高司令官の城戸に向かって放った言葉だ。周りの人間はどうしたらいいか戸惑っていたというのに当の本人は「ドーナツ置いてきたから許してちょ」とだけいって帰って行った。彼女は神経が図太かった。城戸がいつもにまして顔が険しかったのは言うまでもない。
「いやカレーはやっぱりチキンカレーだから。前から思ってたけどカツカレーなんて邪道だから!」
「人の好みをとやかく言うつもりはない。しかしカツカレーをバカにされては黙ってはおけないな」
火花を散らす風間と彼女を見たのは午前10時頃。そして午後3時過ぎには本部の視聴覚室で二人で紅の豚を見ていた。もう仲直りしたのか。
「豚……、今日の晩ごはんはカツカレーにしよう」
その映画を見てその感想か。彼女の脳内はどうなっているのだろう。そして午前中にカツカレーは邪道だと主張していたのは何だったのか。意見がころころ変わりすぎである。
そしてその次の日、C級ブース内で騒いでいる彼女を見つける。
「うるせー! 年上に逆らうな!」
「今それ関係ねえだろ!」
言い争っているのはA級隊員の出水だった。確か彼女と彼は師弟関係だったはず。何を揉めているのだろうと野次馬の中に紛れる。
すると同じくA級隊員の米屋が現れ二人の間に入る。
「めっちゃ目立ってんぞ。なにどーしたの」
「おういいところに来た米屋。これで白黒つけるぞ弾バカ」
「望むところだアホ師匠」
「なにがだよ」
「シンジくんのヒロインは綾波レイかアスカのどっちかって話」
「はい全員解散」
パンパンと手を叩く米屋の合図で野次馬が散り散りになる。なんて傍迷惑な。彼女は一々騒がないと生きていけないのだろうか。
「げ、菊地原がいる、違う道いこ」
「聞こえてるんだけど」
「地獄耳」
「仕方ないでしょ、そういうサイドエフェクトなんだから」
「でも誉められたとき聞き逃さないのいいじゃん。そもそも菊地原の耳あっての風間隊じゃん」
「……やっぱあんたの頭っておめでたいよね」
「ケンカ売ってんのかこら」
言葉とは裏腹に少し菊地原が嬉しそうだったのは気のせいだろうか。
「やっぱ諏訪さんってショタじゃね?」
「だよねー。笹森の気に入り方がちょっとねー」
「迅は結局ロリなのか? あいついっつも女の尻追いかけ回してるけど」
「真の姿を隠すためのカモフラージュ」
「おお、なるほど」
納得する太刀川に小さい声で「たぶん」と彼女は付け加えた。聞こえてないぞ絶対。そして休憩室でなんて会話しているんだ。あらぬことを言われるぞ。主にその二人が。
そしてその予想は当たる。
「ナマエーーー!!!」
「なんで私ってバレた? これだからボーダー内じゃろくな事言えん」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえよ! 止まれ!!」
「鬼の化身みたいな顔してる人が追いかけて来てるのに止まるわけないでしょ! あ、あなたの好きな笹森くんが前方から歩いて来てますよ」
「好きじゃねえわ!!」
「え……諏訪さん……?」
「ああ違う! 違うぞ日佐人!」
「お幸せに~~」
「こら! 待て!! ……あー日佐人っさっきのはそういう意味じゃねえんだって!」
浮気がバレた夫みたいな言い訳ですね、と偶然居合わせた人間にそう言って去った彼女。なぜそう誤解を招く言い方をするのだろうか。そして何時も一方的に言って去っていくのか。確信犯なのか何も考えず口にしているのかどっちだ。
……てかもう疲れた。この調査疲れた。今度は自分で調べろ林藤。つーか子供のときから全然変わってないぞ。だから彼氏できないんだよ。
「ははっなんだそりゃ」
最後は完全に私感が入ってたぞ、とこれを送ってくれた奴を思い浮かべて笑う。
最近顔を見ていないナマエのことが気になり、本部勤めの昔からの知り合いにどうしてるか聞いてみるとしばらくしてこれが送られてきた。真面目なやつだからわざわざナマエに張り付いて調べてくれたらしい。そこまでしなくてよかったのになぁ。
「でもま、楽しそうでよかったよ」
ナマエに振り回されてるやつはちょっと可哀想だけどな。
机から写真を取り出す。そこに写っている二人は幸せそうに笑っている。
「最上さん、あんたの娘は毎日楽しそうに本部を引っかき回してるみたいだぞ」
城戸さんの苦悩が頭に浮かぶな、と言うと写真の中の最上さんが笑ったような気がした。
すると部屋のドアがノックされ、迅が入って来た。笑っている俺に怪訝な顔をした。
「どうしたんです? ボス」
「いやちょっとな。というか、迅おまえロリコンなのか?」
「!?」
「城戸さーん。戸棚にあったカステラ食べちゃったごめんね」
これが最高司令官の城戸に向かって放った言葉だ。周りの人間はどうしたらいいか戸惑っていたというのに当の本人は「ドーナツ置いてきたから許してちょ」とだけいって帰って行った。彼女は神経が図太かった。城戸がいつもにまして顔が険しかったのは言うまでもない。
「いやカレーはやっぱりチキンカレーだから。前から思ってたけどカツカレーなんて邪道だから!」
「人の好みをとやかく言うつもりはない。しかしカツカレーをバカにされては黙ってはおけないな」
火花を散らす風間と彼女を見たのは午前10時頃。そして午後3時過ぎには本部の視聴覚室で二人で紅の豚を見ていた。もう仲直りしたのか。
「豚……、今日の晩ごはんはカツカレーにしよう」
その映画を見てその感想か。彼女の脳内はどうなっているのだろう。そして午前中にカツカレーは邪道だと主張していたのは何だったのか。意見がころころ変わりすぎである。
そしてその次の日、C級ブース内で騒いでいる彼女を見つける。
「うるせー! 年上に逆らうな!」
「今それ関係ねえだろ!」
言い争っているのはA級隊員の出水だった。確か彼女と彼は師弟関係だったはず。何を揉めているのだろうと野次馬の中に紛れる。
すると同じくA級隊員の米屋が現れ二人の間に入る。
「めっちゃ目立ってんぞ。なにどーしたの」
「おういいところに来た米屋。これで白黒つけるぞ弾バカ」
「望むところだアホ師匠」
「なにがだよ」
「シンジくんのヒロインは綾波レイかアスカのどっちかって話」
「はい全員解散」
パンパンと手を叩く米屋の合図で野次馬が散り散りになる。なんて傍迷惑な。彼女は一々騒がないと生きていけないのだろうか。
「げ、菊地原がいる、違う道いこ」
「聞こえてるんだけど」
「地獄耳」
「仕方ないでしょ、そういうサイドエフェクトなんだから」
「でも誉められたとき聞き逃さないのいいじゃん。そもそも菊地原の耳あっての風間隊じゃん」
「……やっぱあんたの頭っておめでたいよね」
「ケンカ売ってんのかこら」
言葉とは裏腹に少し菊地原が嬉しそうだったのは気のせいだろうか。
「やっぱ諏訪さんってショタじゃね?」
「だよねー。笹森の気に入り方がちょっとねー」
「迅は結局ロリなのか? あいついっつも女の尻追いかけ回してるけど」
「真の姿を隠すためのカモフラージュ」
「おお、なるほど」
納得する太刀川に小さい声で「たぶん」と彼女は付け加えた。聞こえてないぞ絶対。そして休憩室でなんて会話しているんだ。あらぬことを言われるぞ。主にその二人が。
そしてその予想は当たる。
「ナマエーーー!!!」
「なんで私ってバレた? これだからボーダー内じゃろくな事言えん」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえよ! 止まれ!!」
「鬼の化身みたいな顔してる人が追いかけて来てるのに止まるわけないでしょ! あ、あなたの好きな笹森くんが前方から歩いて来てますよ」
「好きじゃねえわ!!」
「え……諏訪さん……?」
「ああ違う! 違うぞ日佐人!」
「お幸せに~~」
「こら! 待て!! ……あー日佐人っさっきのはそういう意味じゃねえんだって!」
浮気がバレた夫みたいな言い訳ですね、と偶然居合わせた人間にそう言って去った彼女。なぜそう誤解を招く言い方をするのだろうか。そして何時も一方的に言って去っていくのか。確信犯なのか何も考えず口にしているのかどっちだ。
……てかもう疲れた。この調査疲れた。今度は自分で調べろ林藤。つーか子供のときから全然変わってないぞ。だから彼氏できないんだよ。
「ははっなんだそりゃ」
最後は完全に私感が入ってたぞ、とこれを送ってくれた奴を思い浮かべて笑う。
最近顔を見ていないナマエのことが気になり、本部勤めの昔からの知り合いにどうしてるか聞いてみるとしばらくしてこれが送られてきた。真面目なやつだからわざわざナマエに張り付いて調べてくれたらしい。そこまでしなくてよかったのになぁ。
「でもま、楽しそうでよかったよ」
ナマエに振り回されてるやつはちょっと可哀想だけどな。
机から写真を取り出す。そこに写っている二人は幸せそうに笑っている。
「最上さん、あんたの娘は毎日楽しそうに本部を引っかき回してるみたいだぞ」
城戸さんの苦悩が頭に浮かぶな、と言うと写真の中の最上さんが笑ったような気がした。
すると部屋のドアがノックされ、迅が入って来た。笑っている俺に怪訝な顔をした。
「どうしたんです? ボス」
「いやちょっとな。というか、迅おまえロリコンなのか?」
「!?」