本編
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それは突然始まった。
修くんのスラスター投げ、遊真のスコーピオンを手裏剣のように変形させて投げいる攻撃。その攻撃を辻、二宮さんが排除したところで千佳ちゃんのレッドバレット狙撃が二宮さんに向けられる。
「ああっ」
レッドバレット狙撃は犬飼の身を呈した防御によって阻まれた。二宮さんのメテオラによって場所を暴かれた千佳ちゃん。固定シールドで防御してるけど圧倒的に分が悪くなった。
『おっと!? 犬飼・辻両隊員が雨取隊員を狙う動き! 二宮隊長は動かず! 玉狛の2人を1人で相手どるつもりか! これに対して玉狛はどう動く!?』
修くんが狙っていた2対1の形になった。……が、
『……ちがう!』
狙われたのは修くんだ。二宮さんは修くんを確実に仕留める気らしい。修くんは気づいていない。
前のめりになって「修くん!」と叫んでしまう。ここで修くんが落ちたら玉狛第二の勝ち筋がなくなってしまう。誰か、と漏らしたときだった。
千佳ちゃんがアイビス で辻を撃った。
辻がベイルアウトし、修くんがフルアタックモーションに入った二宮さんを狙う。二宮さんはスライドして避ける。辺りは意気消沈した雰囲気に包まれるが、私と烏丸は違う。
「「……勝った」」
修くんの放った弾は右に弧 を描き、二宮さんに命中した。
そこからは怒涛の展開で。二宮さんが右手に残った弾で遊真を狙い、遊真はグラスホッパーとシールドを張りながら段幕を突き進んでいく。そして二宮さんの胸をスコーピオンで刺した。供給機関破損でベイルアウトだ。
「勝った……」
ずりずり腰が降りてイスから落ちていく。力が抜けた。動けない。
「勝ったぁ」
「はい、修達の勝ちです」
意識がふわふわしてる所で烏丸がそう言ってくれて一気に現実味が増してくる。やった。やった。修くんたちの勝ちだ。
「つーかーれーたー」
「師匠なにもしてねーだろ」
「小南といっしょ。自分の試合より神経つかうの」
「師匠あんまり自分の試合しねーだろ」
「それはそう」
「納得すんな」
そんな会話をしつつ、ひとつ奥の席にいる烏丸にグーパンチを差し出す。烏丸は笑って拳を当ててくる。これやってみたかったの。気分が上がる。んふふ。
「よかった」
本当に。
****
木虎が烏丸にお疲れ様ですと言っていたのでその後ろでふらふら手を振ると、三秒ほど間が空いて「山原さんもお疲れ様です」と言ってくれた。無視されるかと思ったのにと地味に感動した。
小南と合流して観覧ブースから出ると蔵内とばったり会った。
「解説おつかれ。蔵内の解説分かりやすくていいね。あと面白い」
「はは、ありがとうございます」
朗らかに笑う蔵内。ほんとおまえいなかったら王子と小南の二人だからな。ツッコミがいない悲劇。
「今日は蔵内先輩が来てくれてよかったです。小南先輩と王子先輩だけだとやばかったですよ」
「いやでもけっこう楽しかったよ。小南はかわいいやつだよな」
烏丸は淡白にはあ、と返してるが私と小南は違う。ほのかな乙女心と野次馬根性に一気に火がつく。テンション上がってきた。小南は言わずもがな喜んでいる。
「ちょっと今の聞いた!? 蔵っちがあたしのことかわいいって! 聞いたでしょ、ねえ! ねえ!」
「聞いた聞いた。聞きましたよ。そこんとこどうなんですか蔵内さん」
「小南みたいな孫が欲しいと思いましたよ」
「マゴ!?」
「蔵内おめぇ……」
またしても朗らかに告げる蔵内。これは素でいってやがる。一個下を本当に孫に当てはめてやがる。
蔵内と別れてから烏丸が小南を「よかったすね。お年玉もらえるんじゃないすか?」とからかってる。言ってやるな。
「思ってたのと違う……!」
「一個違いの異性の“かわいい”を孫目線とは思わないのであれは蔵内が悪いと思います」
「そうよね!? 期待するわよね!?」
「うん。どうする? 生駒のとこ行く? かわいいって言ってくれるよ。口直ししとく?」
「それはなんか違うわ」
渋い顔された。まあなんかあれは挨拶みたいなものだからね。おはようと一緒。
「年の近い異性の“かわいい”は期待するもんなんすか」
「当たり前でしょ!」
「ふーん」
ちらりとこっちを見てくる烏丸。おまえのかわいいも口癖みたいになってるからな。口をイーってする。すると口パクでかわいいと返ってきた。こういうとこだからな烏丸京介。
「生駒さんの所に行かなくても言ってあげますから」
耳元でぼそりと言うな。あと私は欲しがってません。
熱くなった頬を押さえると小南が不思議そうな顔をして「顔あかいけどどうしたのよ」と聞いてきた。最近かかってる持病です。……なんか烏丸は私への気持ち(っていったら大げさだけど)隠すつもりなさそうなんだよな。堂々としすぎてる。羞恥心ないのか。
後にこのことを訊ねてこう返ってくることになる。
「遠慮してたら一気に形成逆転されますから。隠すヒマもありません」
珍獣扱いされてる疑惑が浮上した。
修くんのスラスター投げ、遊真のスコーピオンを手裏剣のように変形させて投げいる攻撃。その攻撃を辻、二宮さんが排除したところで千佳ちゃんのレッドバレット狙撃が二宮さんに向けられる。
「ああっ」
レッドバレット狙撃は犬飼の身を呈した防御によって阻まれた。二宮さんのメテオラによって場所を暴かれた千佳ちゃん。固定シールドで防御してるけど圧倒的に分が悪くなった。
『おっと!? 犬飼・辻両隊員が雨取隊員を狙う動き! 二宮隊長は動かず! 玉狛の2人を1人で相手どるつもりか! これに対して玉狛はどう動く!?』
修くんが狙っていた2対1の形になった。……が、
『……ちがう!』
狙われたのは修くんだ。二宮さんは修くんを確実に仕留める気らしい。修くんは気づいていない。
前のめりになって「修くん!」と叫んでしまう。ここで修くんが落ちたら玉狛第二の勝ち筋がなくなってしまう。誰か、と漏らしたときだった。
千佳ちゃんが
辻がベイルアウトし、修くんがフルアタックモーションに入った二宮さんを狙う。二宮さんはスライドして避ける。辺りは意気消沈した雰囲気に包まれるが、私と烏丸は違う。
「「……勝った」」
修くんの放った弾は右に
そこからは怒涛の展開で。二宮さんが右手に残った弾で遊真を狙い、遊真はグラスホッパーとシールドを張りながら段幕を突き進んでいく。そして二宮さんの胸をスコーピオンで刺した。供給機関破損でベイルアウトだ。
「勝った……」
ずりずり腰が降りてイスから落ちていく。力が抜けた。動けない。
「勝ったぁ」
「はい、修達の勝ちです」
意識がふわふわしてる所で烏丸がそう言ってくれて一気に現実味が増してくる。やった。やった。修くんたちの勝ちだ。
「つーかーれーたー」
「師匠なにもしてねーだろ」
「小南といっしょ。自分の試合より神経つかうの」
「師匠あんまり自分の試合しねーだろ」
「それはそう」
「納得すんな」
そんな会話をしつつ、ひとつ奥の席にいる烏丸にグーパンチを差し出す。烏丸は笑って拳を当ててくる。これやってみたかったの。気分が上がる。んふふ。
「よかった」
本当に。
****
木虎が烏丸にお疲れ様ですと言っていたのでその後ろでふらふら手を振ると、三秒ほど間が空いて「山原さんもお疲れ様です」と言ってくれた。無視されるかと思ったのにと地味に感動した。
小南と合流して観覧ブースから出ると蔵内とばったり会った。
「解説おつかれ。蔵内の解説分かりやすくていいね。あと面白い」
「はは、ありがとうございます」
朗らかに笑う蔵内。ほんとおまえいなかったら王子と小南の二人だからな。ツッコミがいない悲劇。
「今日は蔵内先輩が来てくれてよかったです。小南先輩と王子先輩だけだとやばかったですよ」
「いやでもけっこう楽しかったよ。小南はかわいいやつだよな」
烏丸は淡白にはあ、と返してるが私と小南は違う。ほのかな乙女心と野次馬根性に一気に火がつく。テンション上がってきた。小南は言わずもがな喜んでいる。
「ちょっと今の聞いた!? 蔵っちがあたしのことかわいいって! 聞いたでしょ、ねえ! ねえ!」
「聞いた聞いた。聞きましたよ。そこんとこどうなんですか蔵内さん」
「小南みたいな孫が欲しいと思いましたよ」
「マゴ!?」
「蔵内おめぇ……」
またしても朗らかに告げる蔵内。これは素でいってやがる。一個下を本当に孫に当てはめてやがる。
蔵内と別れてから烏丸が小南を「よかったすね。お年玉もらえるんじゃないすか?」とからかってる。言ってやるな。
「思ってたのと違う……!」
「一個違いの異性の“かわいい”を孫目線とは思わないのであれは蔵内が悪いと思います」
「そうよね!? 期待するわよね!?」
「うん。どうする? 生駒のとこ行く? かわいいって言ってくれるよ。口直ししとく?」
「それはなんか違うわ」
渋い顔された。まあなんかあれは挨拶みたいなものだからね。おはようと一緒。
「年の近い異性の“かわいい”は期待するもんなんすか」
「当たり前でしょ!」
「ふーん」
ちらりとこっちを見てくる烏丸。おまえのかわいいも口癖みたいになってるからな。口をイーってする。すると口パクでかわいいと返ってきた。こういうとこだからな烏丸京介。
「生駒さんの所に行かなくても言ってあげますから」
耳元でぼそりと言うな。あと私は欲しがってません。
熱くなった頬を押さえると小南が不思議そうな顔をして「顔あかいけどどうしたのよ」と聞いてきた。最近かかってる持病です。……なんか烏丸は私への気持ち(っていったら大げさだけど)隠すつもりなさそうなんだよな。堂々としすぎてる。羞恥心ないのか。
後にこのことを訊ねてこう返ってくることになる。
「遠慮してたら一気に形成逆転されますから。隠すヒマもありません」
珍獣扱いされてる疑惑が浮上した。