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幼少期 緑谷出久
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「きれい…………」
キラキラと自身を照らす存在に、気付けばぽろりと口から出たその言葉は幼い自分から出せる最大の賞賛だった
ダイヤモンドのように輝く大きな瞳とその周りを縁取る同色のふさふさのまつ毛
汚れを知らない雪から生まれたような白い肌
ぷっくりとした桜色の小さな唇
サラサラと風と戯れる肩で切りそろえられた髪は瞳と同じく光をうけ淡い虹色に輝き、自身と地面を輝きがキラキラと反射していた
緑谷は幼いながら彼女はとても美しい生き物だと本能で感じ取っていた
あれだけ止まらなかった涙は過去最高の衝撃によりいつの間にか消え失せ、ただぽかんと見惚れてしまっていた
すると少女は口をぱくぱくとさせる緑谷と同じようにしゃがみこんできゅっと形のいい唇を引き結び、悲しそうな顔と鈴のような声で言の葉を紡ぐ
「お膝、怪我してる…痛い?」
声まで綺麗だなと思ったが、そう言われて漸く意識が戻りハッとする。そういえば自分は怪我をして泣いていたのだと
目の前の少女により涙は吹き飛んでしまったが、忘れていたものに気付いた瞬間怪我はじんじんとした痛みを与えてくる
「あ、えっと…ちょっとだけ…」
女の子とあまり話したことがないためし多少どろもどろになってしまうが今の状態を伝えることが出来た
こんな風に怪我をしても園児達に心配されたことはないため、どんな反応をすればいいのか分からなかったのだ
ただこうして心配されているのがたまらなく嬉しかったのは今でも覚えている
「(この子誰だろう…?新しく来た子かな?)」
そうふわふわとした胸の内で考えていると、ふわりと優しい風が自分の膝をゆっくりと撫でていることに気がついた
「"
目の前の少女がそう唱えると血が固まり始めていた膝の傷は数秒の後に綺麗に消えてしまっていた
「へぁ?!」
見たことも無いその光景に思わず変な声が飛び出し、何拍か置いてから傷は治ったのだと理解した
「えぇ?!きっ傷が消えちゃった!すごい!!!」
子どもらしい柔らかな足は怪我なんてなかったかのように元通り綺麗になっていて、怪我のあった場所に手を当てて確認するように何回も違う角度から覗いて見たがやはり傷は見当たらない
「君が治してくれたの?!ありがとう!」
興奮しながらお礼を述べると、目の前の少女はふにゃりと緩く笑った
「もう痛くなあい?」
ふわふわと花が咲いたような表情を浮かべる少女にかっ可愛い!!!思わず口に出しそうになり、慌てて口を塞ぎ言葉を奥に呑み込ませれば少女はどうしたの?と小首を傾げた
言葉が呑み込まれたことを確認してからなんでもない!、と慌てて首をふり痛くないと全力で伝えれば少女は嬉しそうによかったあ、と言ってくれた
「ぼっ僕、緑谷出久!本当にありがとう!」
「私、神風怜奈!どういたしまして」
「えっと、えっと!怜奈ちゃんって呼んでもいい?」
「うん!」
私のお友達になってくれる?と聞いては大輪の花を浮かべ言ってきた少女に緑谷はその言葉を正確に理解するよりも先に大きくうなづいた