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幼少期 緑谷出久
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「ひっく……うぇぇ…痛いよぉ…」
保育園の遊具の隅で緑谷出久は小さく蹲って泣いていた
近所に住む幼馴染である爆豪勝己に歩いていた最中、彼が通り過ぎる際に自分の背中を押され派手に転んでしまったのだ。
擦れた傷が幾重にも重なり合い柔らかな肌にぷつぷつと鮮血が浮かび上がり面積を広げて行った
突き飛ばした当の本人は既に自分を突き飛ばしたことなんか忘れお気に入りのジャングルジムのてっぺんに立ち、得意げに自信に賞賛をあびせる眼下の幼児たちに向かって鼻を鳴らしている
自分に個性がないとわかってから爆豪や他の園児達はこぞって緑谷を馬鹿にした
善と悪をよく理解出来ていないからこその幼さゆえの容赦ない言葉の数々は鋭い凶器となり日々涙を誘った
泣いている今の姿を見られでもしたらきっとさらに馬鹿にされてしまうと、何とか溢れ出る涙を止めようとするが1度でた涙は蓋をしようにもなかなか止まってはくれない
上手く出来ずにすんすんと鼻を鳴らしていれば自分の頭上にうっすらと影が出来る感覚がした
(誰か来た、馬鹿にされちゃう!)
突然の事で立ち上がることも出来ずぎゅっと目を瞑って頭を下に向けたが、何かされる様子が一向にない
今までの経験上こんなにも時間が空くのは流石におかしいと思い涙でぐしゃぐしゃの顔のまま頭をあげると、キラキラと光り輝く二つの宝石が自分を照らしていた
「きみ、だいじょうぶ?」
それが天使───神風 怜奈との初めての出会いだった
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