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爆豪と緑谷の衝突から一夜明け、寮の中からも蝉の声が僅かに聞こてくる1年A組の寮内に、それすらも遮るほどの声が響き渡っていた
「ケンカして」
「謹慎~~~~~~~~!?」
芦戸と葉隠の声を皮切りに次々と彼らに向かって浴びせられる声に、いつもは反論する爆豪も今回ばかりは分が悪く緑谷と共に相澤に課せられた寮内清掃を黙々と行っている(僅かに唸ってはいるが)
「えええそれ仲直りしたの?」
麗日の率直な言葉に、爆豪は反応せず緑谷がしどろもどろに反応を返すと飯田はよく謹慎で済んだものだと叱咤する
「まったく君達は…!怜奈くんをあまり困らせることはやめたまえ!!」
「問題児2人の幼馴染なんて大変だよな~」
「そうそう!愛想尽かされちゃっても知らないよっ」
「「!!」」
飯田の言葉を皮切りにそうだそうだと周りがここぞとばかりに好き勝手に騒ぐのに、爆豪と緑谷はばっ!!と怜奈の姿を振り返る
唯一爆豪と緑谷のストッパーを行える怜奈は、普段から彼らをフォローしてくれていて、その見事な働きぶりは相澤からも頼りにされるほど
いつも支えてもらっているというのに、この世で最も大切だと自負している怜奈に自分達のせいで涙を流させてしまったことは、爆豪達自身物凄く心が抉れたし(心の底から)あんな行動をしてしまったことに後悔もしている
「っ…怜奈…」
「怜奈ちゃん…ほんとに、ごめんなさい…」
昨日の時点で一応は許してもらってはいるが、そんな彼女から見捨てられたら…!!といった想像で表情を青褪めさせる幼馴染2人に、怜奈は昨日ちゃんと怒ったしなあ、と昨夜を思い出して小さく息を吐く
「…大丈夫、もう怒ってないよ」
「!」
「怜奈ちゃん…!!」
「でも、喧嘩しちゃだめだよ?お掃除、頑張ってね」
ぱあっ…!と心底安心した様子で表情を輝かせる2人に怜奈がしょうがないなあ、と頬を緩める横でそれを面白く思わない周りは思いっ切りブーイングをかました
「泣き落としなんて汚ねえぞ!!!」
「幼馴染羨ましいんだよコノヤロー!!!」
「調子乗んなよチクショウ!!」
「怜奈くん!!あまり甘やかすのはよくないぞ!!」
「そうだよ!!この2人普段怜奈ちゃんに甘やかしてもらってるんだから、こんな時くらい冷たくしちゃっていいんだよ!!」
「えぇっ?」
「なんなら謹慎中怜奈ちゃんと喋れないっていうのはどう?」
「「「「さんせ~~~~!!!」」」」
「ハア!!?勝手言ってんじゃねえぞクソカス!!」
「そ、それだけはやめて!!」
「じゃあ行ってきまーす!!」
「掃除よろしくなー」
「ぐぬぬ!!」
「怜奈ちゃ~ん…………」
「あはは…ちゃんと2人でお掃除してね〜」
耳郎の提案に苦笑いを浮かべる怜奈の背を麗日達が押しながら、上鳴達もケタケタと揶揄いながら退室すれば爆豪の悔しそうな唸り声と緑谷の力ない声が蝉の声にかき消された
「もー!!怜奈ちゃんってばほんとに優しいんだから!」
「たまにはガツンと言ってやんないと!」
「ふふ、実はもう叱ってたりするんだよ」
「えっそうなの?!」
「うん、ダメだぞっ!って、ちゃんと言ったよ!」
「「「叱ってください」」」
「ダメだ可愛いぞ…!!」
「ある意味役得ってやつか…」
「でもさー緑谷と爆豪のあの険悪な感じ、何とかなんないのかね」
「怜奈ちゃんが居てくんなきゃとっくに学級崩壊起きてんぜ」
「やー…でもあの拗れたコンビは直んないだろ。なあ神風」
「ふふ、うーん……そうだなあ…」
砂藤の言葉に賛同する声が多数上がる中で、確かめるように自分にかかった声に対し怜奈は真っ青な空を見上げ、飛び立つ2羽の鳥を視界に映し眩しそうにその瞳を細める
「───────私は……2人がやっと、ライバルになれたんだなあって思うよ」
─────────────
─────
─────────
「皆いいか!?列は乱さずそれでいて迅速に!!」
シュバババ、といつものように両手を振りながらA組をグラウンドへ誘導しようとする飯田の姿に、瀬呂が笑いながら彼の行動のあべこべさにツッコミを入れれば予想通りショックを受けていた
A組では入学式のことを思い出しまた相澤の合理的指導を受けるやもと少々身構えていたが、あの頃とは状況が状況なだけにその予想は杞憂として終わるだろう
「聞いたよ———A組ィィ!」
そこで響き渡るは、B組の問題児物間の声。
無視をするわけにもいかず声のする方向に目を向ければ、彼はロッカーにもたれかかりながらこちらに視線を向けていた
彼は高笑いと共にA組が仮免試験にて轟、爆豪が落選してしまったことを嬉しそうに声を大にして言い放つ
相変わらず気が触れてしまっている
「(物間くん、ずっと待っててくれたのかなあ…)」
そんな物間に対して怜奈はあまりにもタイミングのいい彼の登場にそんな思考をめぐらせ微笑ましく様子を見つめる
しかしその物間の姿に切島が前回を思い出し、またオメーだけ落ちたな!と反撃するも、予想に反しB組は全員合格とのこと
その事に対し、轟が顔に影を落としながら謝罪をこぼすのに怜奈はすかさずフォローを入れ頭を撫でながら物間に対し眉を下げる
「よしよし…もう、物間くん…あんまり焦ちゃんをいじめないで?」
「怜奈…」
「うっ…ぐぬぬっ…!!」
パァ…と顔を明るくさせながら怜奈を抱きしめる轟と彼女からの言葉に喉を詰まらせる物間に、周囲の脳裏には同じ光景が浮かび上がっていた
「「(あれだ…ペットの喧嘩を止める飼い主だ…)」」
と、そんなことをしているうちに列は大分進んできていたようで、普通科から早く進むように声が飛んでくる
その聞き覚えのある声に怜奈が顔を上げれば、少しの不満を顔色に滲ませる心操の姿
そして彼の姿を目に映した瀬呂達の声に、怜奈は緩む頬をこらえることなく轟達の脇を抜ける
「人使くん!」
「!怜奈、」
「「(人使くん?!!!!)」」
下の名前呼びで彼に駆け寄る天使にA組(+物間)がショックで固まる中、怜奈はこちらに体を向けてくれた心操に駆け寄ると彼もふ、と表情を緩める
「わあ、なんだか久しぶりだねえ」
「そうだね、怜奈仮免試験だったもんな。改めておめでとう」
「ありがとう!…ねぇねぇ、人使くん」
「っ…う、うん?」
名前呼びという甘い余韻からだらしなく緩んでしまいそうになる頬の筋肉を引き閉めれば、怜奈は反対にとろりと瞳を溶かしながら内緒話をするかのように彼の耳元に手を当て、少しだけ背伸びをする
「みんながね、人使くんのこと見て、"がっしりしたような気がする"って言ってたよ」
「っ」
すぐそばで感じる吐息と甘い香りに、息が詰まりそうになる
そんな心操に気付かない怜奈は、嬉しそうに口角を上げる
「頑張ってるもんねえ、人使くん。人使くんの努力が他の人にも見えてて、すっごく嬉しい」
なんて、本当に自分の事のように誇らしげに…嬉しそうに言うものだから、その眩しさに頬が、体が…熱くてしょうがない
他の人にどう言われるかなんて、正直どうでもいい
自分にとって、1番に褒めて欲しい人からそんなふうに言われたら…こうなるのも、仕方ないだろう
「っ…あ、りがと… 怜奈と相澤先生が指導してくれてるから…」
「人使くんがちゃんと頑張ったからこその成果だよ!でも、最近顔出せなくてごめんね?」
「いいよ、怜奈も忙しいでしょ。たまに来てくれるだけでも、俺は…嬉しい、し…(って、何言ってんだ俺は…?!)」
「ふふっ…優しいね、人使くん」
「…それは怜奈でしょ」
「照れてる?」
「誰のせいだと」
小さな声で軽口を叩き合う2人の雰囲気はどこか甘く、触れられなくて…誰ともなくズキリ、と胸が苦しくなる
「────、」
そんな2人の間を引き裂くかのようにして滑り込んだ腕は、簡単に怜奈の細腰を一周すると抱き込むようにその身を自身の元へと引き寄せた
「焦ちゃん…?」
「…いきなり何」
左右非対称の色合いが自身を牽制するかのように光る様子と、己よりも鍛え抜かれた体と気迫に奥歯が苦い音を立てる
「…怜奈、そろそろ出ねえと遅れちまうぞ」
「あっそうだね…ありがとう焦ちゃん、人使くんも引き止めてごめんね?」
「…ううん、また連絡する」
「うん!」
慣れたように彼女に顔を寄せる横顔に拳を握れば、怜奈は八百万達に手を引かれ進んでいく
甘い刺激を忘れぬように耳元を撫で上げた瞬間、その余韻を上書きするかのように低い音が流れ込む
「…随分と仲がいい見てえだな」
「……精々騎士ぶっていればいいよ、今だけはね」
精一杯の威嚇を込めて目を逸らすことなく言葉を交差すれば、轟はそれらを興味が無いように一瞥してから怜奈達の後に続く
「絶対に、追いついてやる」
きっと今は何一つ、敵いやしないのだろう
あの子が褒めてくれた腕を撫で、悔しさを噛み締めた
とてつもない広さを持つ雄英高校のグラウンドに全学年が集まる始業式の場で、トップである根津校長は自身の毛質やいい毛並みを保つための説明をしてくれているが、いかんせん内容がないようなだけに興味を持つ生徒はあまりいなさそうだ
「
長い前置きの後で、可愛らしい口元から発せられた単語に今まで話を流していた全員の背筋が、無意識にシャツのシワを伸ばす
「柱の喪失。あの事件の影響は予想を超えた速度で現れ始めている。これから社会には大きな困難が待ち受けているだろう───特にヒーロー科諸君にとっては顕著に表れる」
事実、ここ数日で怒った事件数やその手口はオールマイト以降ほぼ撲滅されていたと言っても過言ではないものばかりで、以下に重大な損失であったかが日増しに実感を感じさせられていた
「2·3年生の多くが取り組んでいる"
ついで言われる単語に、1年生…特にヒーロー科の者達に疑問が広がるも、根津からの静かな激励とも取れる声に怜奈は静かに頷きをこぼした
一方で彼からの"後継"、という言葉にオールマイトの脳内では教職に就く以前の記憶が蘇っていた
『後継を探しているというのなら、雄英程若い才能に恵まれた環境はないさ』
雄英高校に着任する前の面談にて、根津からされた1つの提案
『後継者…誠くんの娘さんには、断られてしまったんだろう?』
『…はい。正直言って、あの子以上にこの個性を授けたいと思う子が現れるかどうか分かりません』
『彼女程の子はそうそう見つかるものでは無いからね…けど、君の後継に推奨できそうな子がいる』
記憶とともに目の前を見渡すオールマイトのサファイアに映る先に居る人物の顔に、思考はそこで回想をやめた
───────
───────────
─────
「じゃあまァ…今日からまた通常通り授業を続けていく」
ハウンドドッグの注意事項を聞いた後教室に戻り、教壇に立つ相澤の言葉に生徒達は皆表情を引き締めつつも心中にある話題は
代表して蛙吹が問いかければあちらこちらから賛同するような声が上がっている
そんな彼らの様子に相澤は少々考えた後捕縛布の隙間から口をのぞかせた
「平たく言うと"校外でのヒーロー活動"。以前行ったプロヒーローの下での職場体験…その本格版だ」
簡潔にまとめられた制度に、麗日が数秒後に体育祭での頑張りとは?!と納得がいかないとばかりに訴えかけるも、そもそもこの活動は体育祭で得たスカウトをコネクションとして使うことになる
また授業の一環としてでは無く生徒の任意として行うものであり、そもそも体育祭で指名を受けていない生徒にとってはその活動自体が難しいものとなってくるのだ
「早とちりしてすみませんでした…」
「仮免を取得したことでより本格的・長期的に活動へ加担できる。ただ1年生での仮免取得はあまり例がないこと…敵の活性化も相まっておまえらの参加は慎重に考えているのが現状だ」
そして一言二言述べられた後に一限の教科担当がバァン!!っと登場を決める
「一限は英語だ━━━━━!!すなわち俺の時間!!久々登場俺の壇上待ったかブラ!!!今日は詰めていくぜ━━━━!!!アガってけ━━!!イエアア!!」
「その前に怜奈ちょっと借りるぞマイク」
「え?」
「What…?」
「見てマイク先生一気にテンション下がった」
「変わり身の速さ」
「スンってなったな」
「5分もかからんほら上げてけイエー」
「テンション上げる気0の呼びかけ」
「無感情すぎて笑う」
「リスナーよ怜奈ちゃん戻るまで自習な」
「急にやる気なくしましたね」
「すっげえ真顔」
「私情」
「悪いな怜奈、少しいいか」
「はい、じゃあマイク先生先に進めててくださいね?」
「怜奈ちゃんんんんー!!早く帰ってき」
スパアンッ
「扉勢いよく閉めすぎじゃなァい?!!」
マイクの声が虚しく扉に当たるのを横目に、怜奈は扉を勢いよく閉めた相澤に向き直る
「消太先生…何かありましたか?」
「インターンの件…先程はああ言ったが、今学校側へ怜奈からの援助を求める声がチラホラ上がってきている」
「!」
「援助の内容は敵退治のパトロール、人命救助や山岳地帯・自然現象が相手での活動…また病院側からもいくつか依頼が来ている状態だ」
─────"次世代の救世主"─────
まことしやかに囁かれているその言葉は、彼女が次の"抑止力"になることが期待されているからこそのもの
ズバ抜けた戦闘センスと超S級希少個性、ヒーローの典型とも取れるお人好しな性格ではあるものの、冷静さからくる広い視野と逆境をもひっくり返す機転の良さ、驚異的な観察眼と知識、揺らがない信念…
一つ挙げればキリのない人間離れした天賦の才
今回の仮免許取得は、世間にとって待ちに待った瞬間でもあったのかもしれない
公安も一目置く怜奈の存在は、学生という肩書きを持ってして尚協力を申し出たい程の人材なのだ
「…それらは全て、"学校側から私を派遣する"…ということでいいんでしょうか」
「話が早いな…つまりそういうことだ」
各事務所へお世話になるのではなく、あくまで"雄英高校"からの派遣。という形にしなければ、彼女を巡りいざこざが発生する可能性がある為、もし怜奈がインターンを引き受けた際にはこの条件の下活動を行うことになる
「…だが、さっきも言ったがインターンはあくまで生徒の任意。学業との並行で時間も取られることになるし実際とてもきついものになるだろう…決してこれは無理強いじゃない、俺達は教師として…"保護環境下にある怜奈"の意思を尊重する」
冷たいとも取れるような言い方だが、その声音と表情から全てを察して…どんな時でも彼は逃げ道を作ってくれるのだなと口元が弧を描いて、瞳の中の光が強くなる
「……その現場に行き、 活動を行う中で私がこうしたいと望んだものが形になり…人を救う為の武器になるかもしれません」
────カードは怜奈の望みに応えてくれる。それは怜奈の力になりたいからや
「人を救けられる選択肢が増えるのなら…私は、そのチャンスと可能性を逃したくないです」
強気の笑みと瞳の輝きが、あの人の強さを彷彿させる
「この子達の主として…"背負う者"として、私は…もっと強くなりたいんです」
ただ真っ直ぐで、強い輝き
そんな彼女の様子に、大方予想はついていたのか相澤は張り詰めた息を吐き出して怜奈の頭部を大きな手で撫でつけた
「まあ、そう言うだろうと思っていたよ。俺的には、もう少し時間を置いてもいいと思っていたが…」
「消太先生…」
「…わかった。じゃあ再度校長達とも相談し、優先度の高いものからこちらで受理してインターンを行っていこう」
「!本当ですかっ?」
「ああ。しかし、怜奈は以前敵連合から狙われる身…今の保護下において何か危険があった場合には即刻インターンは中止、活動は見直しになるかもしれん…それでもいいか?」
「はい!」
ありがとうございます!と頭を下げる怜奈に、こんなにも可憐な少女に国までもが助けを乞う事実に少なからず頭が痛くなるが…彼女の成長に繋がるならばと、再度小さな頭を愛しむかのように優しく撫でる
「インターンについての説明…まあこれは後日クラスで行うが、それが終わった後で正式に物事が進むまでは少し時間を貰うことになるが、また決まり次第連絡することになるから、それまで待っててくれ」
「はい!何から何までありがとうございます」
「それが条件だからな。気にしなくていい…ああ、それと、もう一つあってな…」
「?」
「……………正直俺は反対なんだが、気分転換にといくつか別の依頼も入ってる」
「気分転換、ですか?」
日誌からA4サイズの封筒を取り出した相澤は、少々渋った様子を見せた後で視線を逸らしながら怜奈へと紙の束を手渡した
「…!これ、園美さんの会社のロゴ…?」
「…………ああ、SAKURAブランドからモデルの依頼だそうだ」
「もっモデル…ですか??」
「俺達学校側からはあの人の頼みを無下にすることは出来ん…けど、怜奈がやらないと言えばあの人も納得するだろう。」
暗にやらいでくれ。とも取れる言い方は相澤達自身彼女の可愛らしい姿があまり世間に出回るのは精神衛生上よろしくないからであるのは、きっとこれからも知らされることは無いのだろう
「俺はこういった方面には詳しくないからな、何かあればミッドナイトさんあたりに声掛けてくれ」
「わ、わかりました…」
割と厚みのあるような気がする封筒の表紙をサラリと撫で上げた後で、再び頭にかかる重さに隙間から見上げようとして…低めの体温が頬を撫でる
「……絶対に、無理だけはするな。俺を…俺達を、頼るんだ」
「………はい」
縋るような、ただ切実なその眼差しに…大きな掌の上から白魚のような指先をそっと重ねて、承諾と反省の意を込めて頬を寄せれば相澤の纏う空気が柔らかく揺れる
「頭撫ですぎじゃなァい??」
突如意識外から響いた声に扉の方に視線を向ければ、僅か10cm程の隙間からじっとりとこちらに視線を向けるプレゼント・マイクの姿が見える
そんな彼に目の前の担任はびきりと青筋を浮かび上がらせると、瞬時に隙間から手をねじ込み扉を開け放つと目にも止まらぬ早さで同期の顔を締め上げた
「盗み聞きとはいい趣味だな髭グラサン野郎」
「ホワァ━━━━━━━!!俺のcuteeyeとグラサンが━━━━━━!!仮にも同期の顔を躊躇無く鷲掴むかね普通━━━━?!!」
「ま、マイク先生…授業は?」
「よっしゃあリスナー達!!!!怜奈ちゃんも戻ってきた事だし早速授業を始めていくぜェ!!」
「すげえあの顔のまま話せるんだ」
「流石はプロヒーロー!!表情筋まで抜かりなく鍛え上げられている!!」
「飯田多分違うぞ」
「おいマイク私情」
「お前だけには言われたくねえよ!!!!」
「「(いやどっちもです)」」
「あ、あはは…」
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