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そして場所は移り、投票のため1階の談話スペースへと全員が移動する
「それでは!爆豪と梅雨ちゃん、前回部屋王の怜奈ちゃんを除いた…第一回部屋王暫定1位の発表です!!」
何人かは緊張した面持ちで、何人かは興味無さそうに見守る中、この場にいる全員が投票したことを確認して芦戸は声高らかに述べたあと事前に纏めておいた紙を手に結果を読み上げる
「得票数5票!!圧倒的独走単独首位を叩き出したその部屋は───
砂藤ーー力道ーーー!!」
堂々と宣言された結果に言われた本人はなんで俺?!と困惑した様子で述べると、なんでも投票したのは怜奈以外の女子で、理由はケーキが美味しかったからということらしい
部屋王とは全く関係ない理由にツッコミが入るものの砂藤は贈賄してんじゃねー!!という上鳴と峰田の攻撃を受けながらも満足そうな表情を浮かべている
「怜奈は誰に投票したんだ?」
女子票が5票という結果に轟が怜奈へと視線を向ければ、辺にいる人達もピタリと動きが止まる
変な緊張感が漂う中で彼女は少し照れながら言い放った
「私は……えっと、みっちゃんのお部屋に投票しました」
頬を染めながら恥ずかしそうに言った怜奈に、緑谷はビシリと固まり周りも一瞬固まった後になんとも形容し難い声を上げて騒ぎ始める
「はああああああああああああぁぁぁ?!!」
「なんっなんで緑谷?!!!」
「………………」
「緑谷くんの呼吸が止まっているぞ!!」
「「「てめえええええ緑谷アアアア!!!」」」
呼吸が止まっている緑谷に対し周りはそんなことは関係ないと言わんばかりに砂藤とは比べ物にならないほどの攻撃を彼に加える中で、轟と女子達は怜奈へと詰め寄った
「怜奈、なんで緑谷の部屋なんだ。俺の部屋じゃ落ち着かなかったのか…?」
「なんでなんで?!」
「緑谷の部屋完全にオタク部屋だったよ?!!」
「あ、え、えっと………」
理解できません!!と言わんばかりに詰め寄る彼女らに怜奈はもごもごと口の中で言葉を濁らせると、染まった頬に手を当てる
その反応にさらに顔を青ざめさせる轟達だったが、怜奈が小さくポツリと呟いた言葉にそれらの不安は一瞬で消え去った
「お………オールマイトが、いっぱいあったから………です…」
耳まで真っ赤に染めあげ、最終的に顔を覆って縮こまってしまった怜奈は、義父であるオールマイトで埋め尽くされた部屋のため緑谷の部屋を選んだという
「「「(かわっ…ああ〜〜〜〜〜??)」」」
「あはは…恥ずかしい……」
熱くなってしまった顔に風を送り誤魔化すようにはにかむ怜奈に、周りはぎゅっと顔を顰めいい子…!!と思うと同時にその可愛らしい様子に混乱し地団駄を踏んだ
怜奈の顔の熱も冷め、周りも落ち着いてきたところで麗日は部屋に戻ろうとする轟を引き留め飯田、緑谷、切島、八百万と共に外へと出て行った
その様子を見て、怜奈はあの日のことかな、と外に蛙吹の気配を感じとりながら彼らを見送った。
それに自身も彼らに言いたいことがあったのでもう少しここにいよう、と未だだべっている彼らを見渡す
「みんなまだお部屋行かない?」
「怜奈ちゃんはまだ行かない感じ?」
「みんなでこうして夜一緒にいれることが嬉しくって…お部屋に戻るのが名残惜しい感じがしちゃうの」
本当に嬉しそうに言う怜奈に、周りは可愛いと思うと同時に思わず泣きそうになってしまった
静かになってしまった彼らに怜奈が声をかけるより先に、女子達は彼女に飛びついた
「わあっ」
「もーーー!!怜奈ちゃん好きだあ!!」
「怜奈ちゃんが望むならずっとそばに居るからね!!」
「ずりーぞ芦戸達!!」
「俺らにも愛を伝えさせろォ!!!」
「させるわけないでしょーが」
泣きそうになる気持ちを誤魔化すように騒ぐ彼らと愛を伝えるダンス!!!と肩を組んで踊り出す上鳴達に、怜奈は声を上げて無邪気に笑い返した
──────────
──────────────
蛙吹が自身の胸の内を伝え、緑谷達も彼女に対して謝罪をすると、ガチャりと玄関の扉が開く音が響いた
外にいる緑谷達が自然と視線を向けると、開けられた扉から怜奈が顔を覗かせ、彼らに向かって微笑みかける
「怜奈ちゃん!」
「お話、終わったかなって思って」
何故ここに?と視線を向ける彼らに怜奈は微笑んだまま近付くと、泣いている蛙吹に手を伸ばしその涙を優しく拭う
「怜奈ちゃん……」
「ごめんね梅雨ちゃん…泣かせちゃって………」
「ちっ…違うよ怜奈ちゃん!あす…ゆちゃんを泣かせちゃったのは、僕達だっ………」
「ああ…俺達の、弱さのせいだ」
怜奈の言葉に、間髪置かずに緑谷が否定すると切島達も悪いのは俺達だと同意する
怜奈はそんな彼らにさらに目元を緩ませると、緑谷達を見遣りありがとう、と呟いた
「え…………」
「……あの日、助けに来てくれてありがとう」
その言葉の真意の意味を理解する前に、混乱の色に顔を染める彼らを見てか怜奈は改めて言い直した
それを聞いて改めて緑谷達は混乱する
あの日、確かに自分たちは彼女と爆豪を救出しに向かった。けれどその救出は爆豪だけ、しかも彼女の手助けがあって成功できたものだった
お礼を言われるようなことなど自分達は何も出来ていないと言う彼らに、怜奈は微笑みはそのままに緩く首を横に振った
「みんなが来てくれなかったら、勝己くんを助けることは出来なかった」
「「「!!」」」
「みんなが来てくれたから、私は最善に向かって動けた……あの日勝己くんを助けたのは、確かにみっちゃん達だったよ」
怜奈は全て気付いていた
彼らが心の中で自分を救えなかったことに対して後悔していることも、悔やんでいることも全て気付いていたのだ
彼女の温かい言葉と表情に、緑谷達はそれらを察してぐっと唇を噛み締めた
「怜奈………」
「ん…?」
「どうして……どうして怜奈は、そんなに強いんだ…?」
瞳の縁に僅かに涙をにじませながら言った轟に、怜奈は柔らかい表情のまま少し考えるように視線を上に向けその体勢のままゆっくりと注ぎ込むように彼らの耳に音を流し込む
「……………優しく、なりたいからかなあ」
「や、さしく………?」
涙を止めようと拭っていた蛙吹が顔を上げ繰り返すように呟くと、怜奈はうん。と蛙吹に笑いかけてからぽかんとした表情を浮かべる緑谷達を視界に入れる
「優しいって言うのは、相手を良く見ること…相手を見るって言う事は、強いって言う事じゃないかなって…私は思うの」
そう言って月の光で淡く怜奈に、改めて彼女を美しいと思うと同時にストンと胸に何かがハマったような感覚がした
何故彼女はいつも優しいのかと疑問に思っていたが、そうではないのだ
怜奈は優しくて強いのではない
強いから優しいのだ
言葉を喉に詰まらせる彼らに微笑んでいた怜奈だったが、何かに気付いたようにハッと目を見開くとオロオロと慌てだした
「ど、どうかしましたの怜奈さん?」
「か、勝己くんが話したいことあるから来てくれって言ってたのに…忘れちゃってた……!」
怒られるー!!と頭を抱える怜奈に、緑谷達は顔を見合わせてから思わず吹き出す
先程の凛とした表情をから一変して慌てるそのギャップに笑うと共に、彼女の言葉を忘れぬよう深く胸に刻み込んだ
いつの日か、彼女と同じように"優しく"なれるように
───────────
───────────────
「うぅ…勝己くん怒ってるかなあ…」
「怜奈ちゃんだから大丈夫やないかな?」
「まず爆豪が神風に怒鳴るとことか想像出来ねえ」
切島達が励ますように声をかけると、怜奈はそれに対しお礼を言いとりあえず連絡するねとスマホをポケットから取り出し、寮の中へと足を運ぼうと背を向けた瞬間
──────ドク…ン──
「っ…………は…………」
カツンッ
胸の内を心臓が勢いよく跳ねたのに、怜奈の足は止まり握っていたスマホは階段の段差に弾かれ地面へと落下した
「怜奈ちゃん………?」
緑谷が自身の名前を呼んだ気がしたが、その声を遮るほどの心音が怜奈の身体を支配する
──ドクンッ
──ドクンッ
──ドクンッ
内から湧き出てくる何かが外に出たいと叫び出すような感覚に、怜奈は自身の内で何が起こっているのか理解出来ず、あまりの苦しさに思わず膝を着き胸元を握りしめる。
緑谷達も彼女の違和感に気付き怜奈に走り寄り手を伸ばすと小刻みに震える背中に添えた
「怜奈?!」
「!!呼吸数が明らかにおかしいぞ…!」
「怜奈ちゃん大丈夫?!」
「………な………て………」
「え…………?」
何かの発作だろうかと緑谷達が彼女の周りを囲み支えていると、息を乱しながら怜奈が何かを伝えようと唇を震わせているのに麗日がそれを拾いあげようと顔を近付けた
「───はな、れて…!!」
怜奈の額から汗が流れポタリと地面に染みを作ったと同時に、彼女の胸元が眩い程の光を放った
───────ゴゥッ
光が放たれると辺に風が巻き起こり怜奈を包み込むと、傍らに居た緑谷達の身体は風によって彼女から弾かれるように引き剥がされた
「うおっ?!!」
「何っ!?」
「っ怜奈!!!!」
弾かれ地面に尻をつけながら彼女を見遣れば、怜奈は苦しそうに小さく声を漏らし光と風の渦の中に居た
光は怜奈が持っている力を解放するための鍵から発生していて、チェーンに通されたそれは宙に浮かび上がっている
「あつ……い………熱い………!!」
巻き起こる風に吹かれながら苦し気に声を漏らす怜奈に、八百万は先生を呼んできてください!!と怒号に近い声で飯田に指示を飛ばすと彼は彼女を頼んだぞ!!と苦しむ怜奈に顔を顰めながらも背を向け教師寮へと走り出した