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それからあっという間に時は過ぎていき、部屋を作り終わった時にはすっかり日が落ちていた。
「いやぁ経緯はアレだが…共同生活ってワクワクすんな」
「つかれたー」
「共同生活…これも協調性や規律を育む為の訓練…!」
「キバるなあ委員長」
「みんなお疲れ様〜」
「怜奈ちゃん!」
男子達が共同スペースである一階のソファに集まっていると、カップを持った怜奈がエレベーターから出てきて声をかける。
彼女の姿に緑谷が声をかけると、怜奈は持っていたカップをキッチンのシンクに置いてからソファへと近付き瀬呂達が勧めるまま切島の隣の空いたスペースに腰を下ろす。
「みんなお部屋のお片付け終わるの早いね」
「男子と女子じゃな」
「てかずっと思ってたんだけど、怜奈ちゃんそのワンピースめっちゃ可愛いな!」
「怜奈ちゃんが着るから可愛いんだよ」
「それな」
「似合ってんぜ!!」
「ありがとう!ね…ミッドナイト先生がお見舞いにくれたんだ」
「怜奈くんの部屋作りは終わったのか?」
「私はみんなが来る前に終わらせちゃったの」
ちょっとずるだけど、と笑う怜奈になるほどーと納得していると轟は一度唇を噛んで言おうかどうか迷った後に意を決して先程聞けなかったことを聞こうと口を開いた
「…………………怜奈」
「ん?」
「…………身体はもう、本当に大丈夫なんだよな?」
「…うん、大丈夫」
「……"あの時"の力は、何なんだ?」
その言葉に、ピタリと空気が止まった。
あの時、とは恐らくオール・フォー・ワンと戦った時に見せた力の解放のことだろう
「ちょ、轟くん!!何を…」
「わかってる。あの日のことを怜奈に思い出させることがどれだけ辛いことか…俺だってなるべく思い出させたくはねえ」
「ならっ…どうして…」
轟の発言に緑谷が思わず声を荒らげると、彼はそれを制してから静かに自分を見つめる怜奈に向き直りギリッと拳をにぎりしめる。
「けどっ…怜奈が次ああなった時…っもう助けられなくなるのは嫌なんだ!!!」
止まった空気に自身の痛いほどの思いをのせ振動を与える轟に、緑谷達は息を呑む。
彼らとて、気にならなかった訳では無い。しかしそれを聞くのは、あの日の恐怖を彼女に思い出させることに繋がってしまう、それにより誰も聞くことは出来なかった。
しかし例えそうだとしても、轟は"次"に繋げられる一手が欲しかったのだ。
一気に静まり返る室内に、渦の中心である怜奈は一度瞳を伏せてから口を開いた
「───ありがとう」
「「「「っ…」」」」
「そんなふうに言ってもらえるなんて、私は幸せものだね」
もし言葉に重さがあるとしたら、彼女の声は羽根のように軽くふわふわと宙に漂っていそうなほど柔らかい声だった。
甘さを纏ったその声は、彼女の眩い微笑みとともに彼らの五感を支配する
「説明するのが遅れてごめんなさい…あれは、私の本来の力だと教えてもらったの」
「本来の…力…?」
「そう…この力のここから先のお話はまた今度みんなに聞いてもらいたいと思ってるんだ」
それでもいいかな?と轟を見遣る怜奈に、彼は見惚れていたからか一瞬反応が遅れてから頷きを返した
「…悪ぃ、先走って………」
「ううん、焦ちゃんは私のことを思って聞いてくれたんだもん。」
だから謝らないで、と言う怜奈に轟はふ、と息を吐き出して表情を和らげた。
周りの男子達も詰めていた息を吐き出すと、部屋を整理し終わったであろう女子達が談話スペースにいる彼らをみつけ足を運ぶ
「怜奈ちゃーん!」
「わ、なあに透ちゃん」
「私もー!」
「ふふ、擽ったいよお茶子ちゃん」
「後で私もくっつく予定!!あ、男子部屋出来たー?」
「うん、今くつろぎ中」
ドーン!と怜奈に抱きついてきた葉隠と麗日に八百万と耳郎がズルいと騒ぐ横で芦戸が声をかけると上鳴が片手を上げ返事を返す。
するとその言葉を聞いた芦戸は女子の方を振り返り意味あり気に笑うとここに来た目的を話す
「お部屋披露大会、しませんか!?」
そこからの彼女らの行動は早く、あれよあれよという間に2階へと移動すると無遠慮に部屋の扉に手をかけた。
「わああダメダメちょっと待──!!!」
そんな緑谷の掛け声も何のその、目的のため女子達によって部屋の扉は開けられてしまう。
「オールマイトだらけだ!オタク部屋だ!!」
「憧れなんで…………恥ずかしい…」
突然始まったそれらに上鳴達がゴクリと喉を鳴らしているが、部屋主である緑谷は顔を真っ赤にして背を向けている。
女子達からはあまり好評ではないが、あとから入った怜奈は部屋を見渡してポツリと呟いた
「わあ…前とあんまり変わってないね!」
「「「?!」」」
「これ新しく出たスーツオールマイトだよね?」
「怜奈ちゃん!そうなんだ!これの初回限定盤が欲しくて朝早くから並んだんだよ!!」
「あ!このペン私も買ったんだ。青バージョン!」
「そうなの?!青バージョンすっごくレアなのに…!あとこれ有名なとことの合作だからすごい書きやすいよね!」
怜奈の呟きに彼らはバッと一斉に視線を向けたが、当の本人は緑谷の横でグッズについての感想を言い合っており、自身がどれほど衝撃的なことを言ったのか気付いてはいないらしい。
「おい緑谷ァ……」
「そのポジション寄越せやこらアアア!!!」
「幼馴染特典許すまじ!!!!」
「ブロッコリーの化身となる呪いをかけてやる!!」
「え、何?!なんで!!?ていうかその呪い普通に嫌!!!!」
一通り緑谷に八つ当たりをしてから隣の部屋へと移ろうとすると、扉の前では常闇が腕を組んで開けるなと言わんばかりに寄りかかり立ち塞がっていた
「フン、下らん…」
しかしそんな彼の頑張りは芦戸と葉隠によって撃沈した
「黒!!怖!」
「貴様ら…」
ほぼ黒で覆われた部屋に容赦なく芦戸の声が飛び、常闇は身体を震わせている。
「このキーホルダー俺中学ん時買ってたわあ」
「男子ってこういうの好きなんね」
「剣だ…カッコイイ…」
「ほんとだ…カッコイイ……!」
「出ていけ!!」
切実に言われた言葉に従って隣の部屋へと移動する
「アハハハハハ」
「まぶしい!!」
予想通りというかなんというか、輝くものをありったけ集めたかのような部屋の作りは目がチカチカと刺激される。
「ノンノンまぶしいじゃなくて、ま・ば・ゆ・い!」
「思ってた通りだ」
「想定の範疇を出ない」
「キラキラしてて青山くんみたいだねえ」
「メルスィーエンジェル…!!!」
芦戸と葉隠が辛辣な言葉を投げかけたあとに部屋を出る。残りの部屋は峰田だったが、あまりにも異質なオーラと彼の顔を見て何を言うでもなくそそくさと3階へと移動しようと背を向けた
「ワァー普通だァ!!」
「普通だァ!すごい!!」
「これが普通と言うことなんだね…!」
「言うことないならいいんだよ…?」
「でもとっても落ち着く感じで、私は好きだなあ」
「か、神風さんっ……!!」(ぶわあ)
「難しそうな本がズラッと…さすが委員長!」
「おかしなものなどないぞ」
「メガネクソある!(ボッ)」
「何が可笑しい!!激しい訓練での破損を想定して…」
「備えあれば憂いなしだもんね」
「わかってくれるか怜奈くん…!!」
「チャラい!!」
「手当り次第って感じだナー」
「えー!?よくね!?」
「けど流行に敏感なのはいい事だよ」
「怜奈ちゃ〜ん!」
「ダメだよ怜奈ちゃん!」
「そうそうすぐ調子乗るからこいつ」
「お前らこらぁ!!」
「ウサギいるー!!可愛いいい!!」
「ペットはズリィよ口田あざといわあ」
「(何か競い始めてる…)」
「あっ」
「逃げちゃっ…」
兎を持ち上げていた麗日だったが、兎は何かを感じとったのかひくりと鼻をひくつかせるとその手から抜け出しダッ!と廊下に向かって駆け出した
「んっ?」
『プッ』
芦戸達が脱走したことに焦るが、兎は目的を見つけたのかその人物の胸元に飛び込んだ。
飛び込まれた本人は一瞬何だと目を見開いたが、それがなんなのかを理解するとふにゃりと頬を緩ませる
「どうしたの?うさぎさん」
『プ、プ』
「あははっ、擽ったいよ!」
兎の頭を撫でながら聞く怜奈に、兎はすりすりとその頬に擦寄る
その擽ったさに思わず笑い声をあげると、周りは何も言うことなくスッ…と携帯を取り出すとカメラを起動させその光景を撮った。
ただ無心で撮った
─────USAGI GJ────
そう一言胸に添えて
「後でそっちの写真頂けますか?」
「ならそっちの動画くれ」
「皆さんに送りますわ」
「(うさぎさん可愛いなぁ〜)」
全員がほくほくと収穫を胸に口田の部屋を後にして、今まで部屋を見られたうちの男子がポツリと呟いた
「釈然としねえ」
「ああ…奇遇だね俺もしないんだ釈然…」
「そうだな」
「僕も☆」
明らかなその負の感情は、彼らの後ろに黒い影を背負わせている。その顔には"全くもって不満です"とありありと書かれていて、そうとう何かが傷付けられたのだろうと察することが出来る。
「男子だけが言われっ放しってのはぁ変だよなァ?"大会"っつったよな?なら当然!女子の部屋も見て決めるべきじゃねえのか?誰がクラス一のインテリアセンスか、全員で決めるべきなんじゃねえのかあ!!?」
怜奈のフォローも虚しく、女子の容赦ない舌剣が男子の競争心に火をつけてしまった
全く興味のない人をも巻き込んで、第一回A組ベストセンス決定戦が始められることになってしまったのだ
「えっとじゃあ、部屋王を決めるってことで!!」
「部屋王」
「別に決めなくてもいいけどさ…」
「(フフフ…オイラだけが主張しても足蹴にされてただろう。だが!少なからず自尊心を傷つけられたこいつらの意志に乗じることで、オイラの主張は"民意"という皮を被るのさ!!)」
女子部屋を物色したいが為の峰田の思考回路は相当なものだった。
遅くなりそうだなと予想をたてた怜奈はポケットからスマホを取り出し、爆豪へ少し遅くなるかもと連絡を入れるとわかった。の返事を見て一言謝罪を送ってから画面を閉じる
「焦ちゃん眠そうだね、大丈夫?」
「ん…でも怜奈の部屋見るまでは寝ねぇ…」
「(お部屋ならいつでも見せてあげるのに…)」
スマホをしまった際横にいる轟を見遣ると、彼は眠た気な顔から何故かキリッと表情を引き締めた。
それに首を傾げていると、部屋王について話していた芦戸がこちらを振り返った
「あ、じゃあ前回の部屋王は怜奈ちゃんってことで!」
「え?でもこれ第一回って…」
「いやいやいや」
「投票とかやったら確実に怜奈ちゃんが一位だから」
「皆さん異議はありませんわね?」
「「「異議なーし!!」」」
「でも部屋は見せてね!」
「いいのか…な?」
謎な設定に怜奈は苦笑するも周りは納得しているのかそのまま4階へと移動する。
「爆豪くんと切島くんと障子くん……だね」
「爆豪くんは?」
「くだらねえからやらねえってよ。俺なんだか眠くなってきた…」
首を掻きながら言う切島に、その時の様子が安易に想像出来て怜奈は彼らしいなぁと心の中で呟く。
それならと爆豪の部屋は飛ばし切島の部屋を見ようと芦戸と葉隠はテンション高く声を上げる
「どーでもいいけど、多分女子にはわかんねえぞ。この男らしさは!!」
「……うん」
「彼氏にやってほしくない部屋ランキング2位くらいにありそう」
「アツいね、アツクルシイ!」
「ホラな」
「目標を文字にして掲げるのは大事だと思うよ!」
「くっ…神風っ!!」
「次!障子!!」
「何も面白いものはないぞ」
「面白いものどころか!!」
「ミニマリストだったのか」
「まァ幼い頃からあまり物欲がなかったからな」
「こういうのに限ってドスケベなんだぜ」
「もの少なくて困ったりしない?」
「あまりないかもな」
「そっか…何かあったら言ってね!」
「ふ…ああ。」