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相澤によって強制的に身体を剥がされたA組は、そのことに対し文句を言いながらも各々部屋を作るために怜奈に手を振ってから移動をする。
「ごめんね消太先生、もう大丈夫だから…」
「…ほんとか?」
「うん。全部言えてスッキリしちゃった」
剥がされた際抱き上げられた怜奈は振り返していた手を止め、相澤に声をかけると彼は心配そうに眉を下げながら問いかけてくるのに、赤くなったままの目元で笑いかければ渋々下ろしてくれた。
「でもあんなにいっぱい泣いちゃって、ちょっと恥ずかしいなあ」
「……あいつらは嬉しかったと思うけどな」
「え…?」
恥ずかしそうに目元に両手を当てる怜奈に相澤がそう言うと、怜奈はきょとんとした表情を見せる。
その様子に全くわかってないなと察し、相澤は軽く溜息を吐いたあとくしゃりと散々抱きつかれて乱れた髪を整えるように撫でる。
「あいつらは今まで怜奈の強いところだけしか見れなかったが…こうして弱いところを見れたことで、信頼されていると思えたと思うぞ。」
「…そう、かな…」
「だいたい、お前は何でもかんでも我慢し過ぎなんだよ。怜奈のことで迷惑だなんて思うわけないんだからもっと頼れ。」
「…ありがとう、消太先生…頑張るね」
頑張ることでもないんだがな、と声音では呆れつつも優し気に目を細めた相澤は最後にぽんぽん、と頭を撫でた後ゆっくり休めよ?と声をかけてから玄関へと足を向けた。
そんな彼に怜奈はもう一度お礼を言ってから手を振れば、相澤も手を振り返しゆっくりと扉を閉めた。
その様子を見届けてから怜奈が後ろを振り返ると、ずっとそこに居たのだろうか、台所から爆豪が顔を覗かせた。
「あれ?勝己くん、お部屋の整理してたんじゃ…」
「…今日、夜時間あるか」
怜奈の疑問には答えずに両手をポケットに入れながらそう聞いてくる爆豪に、怜奈は笑顔で大丈夫だよ。と答える
「私が勝己くんのお部屋に行った方がいいかな?」
「おう。…引き止めて悪かった」
「ううん…あの、ありがとう勝己くん」
先程の光景を思い出すようにして瞳を伏せた怜奈に爆豪は言葉の意味に少し眉を寄せてから、その姿を見下ろした
「あのね、さっきの言葉すごく嬉しかったの。それに勝己くんのおかげでみんなともお話しできたから」
ほんとにありがとう。と笑う怜奈に、爆豪は赤い目元を見てぎゅっと唇を噛んでから彼女の正面に立ちその頭を自身の肩口に引き寄せた。
「…礼を言うのは俺だわ」
「勝己くん……」
「……俺にはもっと弱い姿見せろよ。…お前は遠慮してばっかだからな」
相澤と同じようなことを言いながら、彼女にしか見せない微笑みを携えた爆豪に、怜奈はその顔を見上げへにゃりと顔を緩めた
「ふふ、勝己くんは優しいね」
「お前にだけだわ」
「えー?嘘だあ」
「チッ…これで目冷やせ」
「ひゃっ!冷たいっ」
からかうように笑い声を上げる怜奈に、爆豪はバツが悪そうにそっぽをむいてガーゼが巻かれた保冷剤を彼女の目元に当てる。
もしかしてこれを用意するためにキッチンに居たのだろうかと思い、怜奈が再びお礼を言うと爆豪は満足そうにフン、と鼻を鳴らし彼女が目元にそれを当てていることを確認してから手を引いてエレベーターに向かう
爆豪の部屋は4階のため途中でわかれさらに1階に上がりエレベーターの扉が開いたところで、そう言えば男子棟と女子棟は分かれていたんだと思い出し、エレベーターに戻ろうと引き返そうとした時部屋からダンボールの空箱を外に出すため廊下に姿を見せた轟と鉢合わせる。
エレベーターの前にいるのが怜奈だと確認した轟は箱を投げ捨てる勢いでその場に置くと早足で彼女に近づく
「怜奈、何で男子棟にいるんだ?」
「えへへ…分かれてることすっかり忘れてて、勝己くんと一緒に間違えて上がって来ちゃったの」
「……」
「焦ちゃん?」
「目元…まだ痛むのか?」
「あ…ううん!痛くはないんだけどまだちょっと赤いから、勝己くんが持たせてくれたの。だから大丈夫だよ」
轟は痛くない、の言葉でほっとしたような表情から爆豪の名前が出たことでムッと表情が変わり口元に手をあてて先を越された…と呟いている。
「なあに?」
「いや、冷やすなら俺がするか?」
「いいよいいよ!焦ちゃん今お部屋作ってるでしょ?」
「う…」
思いついたように提案した轟だったが怜奈がやんわりとそれは悪いよと断りを入れると、受け入れて貰えなかった彼はしゅん…と一瞬眉を下げるも、お部屋どこまで進んだ?と言う怜奈の質問にパッと顔を輝かせ見るか?と小さな手を引いて自分の部屋へと誘導する
扉から部屋を覗き込むと家具が一つの場所に集められていて、壁にはいくつかの畳がかかっていた
「わ、畳敷くの?」
「ああ。実家が日本家屋だからな、フローリングは落ち着かねえ」
「…ねえ焦ちゃん、よかったら手伝ってもいい?」
「え…」
「私みんなより先にお部屋作るの終わってるから暇なんだ」
ね?と握られたままの手を顔まで掲げて微笑む怜奈に、轟は真顔で比喩ではなく心臓にドスッと矢が突き刺さる
「…ジャアタノンデモイイカ」
「?なんか焦ちゃん声が…」
「キノセイダ」
顔を背けて震える轟を見やったが、彼は深呼吸してから心配そうにする怜奈に微笑み中へと招き入れる。
「じゃあ、やるよ」
"
「浮かせている間に畳敷いちゃおう」
「おお…」
ふわふわと浮いている家具を興味深そうに見る轟に、お茶子ちゃんとお揃いみたいでしょ?と話しているとものの数分でそれらは敷き終わった
「この箪笥はどこに置く?」
「前の位置で構わねえ」
「わかった」
浮いている家具を押して空中で前の部屋での位置を思い出しながら移動させた後解除と呟けば浮いていた家具は静かに畳の上に置かれる。
それから天井や枠を轟の実家と同じように構築していけば、部屋のスタイルはだいたい完成された
「すげえ…ありがとな怜奈。助かった」
「えへへ、役に立ててよかった!」
「…れ、」
瞳を輝かせる轟に怜奈が笑い返すと次いで轟は何かを言いかけたが、それと同時にその場に着信音が響き渡った。
それによって轟の言葉は遮られ思わず口を噤むと怜奈は聞き取れなかったのかそれに気付くことは無く、慌てて轟に一言謝ってから部屋を出て応答ボタンをスライドさせる
「はい、怜奈です」
『怜奈、ブラドだ。病み上がりのところ急で悪いんだが今時間を作ってもらうことは可能か?』
「ブラド先生…?はい、大丈夫です」
『そうか!すまないが、着いてきて欲しいところがある。今から迎えに行くから着いてきてもらってもいいか?イレイザーには許可をとってある』
「はい、わかりました」
ありがとう、と言ってから切られた電話に後ろの轟を見遣るとブラド先生か?と聞かれるのに肯定する
「今から来るみたいなの。ごめんね焦ちゃん、手伝うって言ったのに…」
「いや、もう十分だ。あとは一人で出来るから気にすんな」
「…ほんとにごめんね?」
首を横に振る轟に怜奈は手を合わせて今一度謝ってから、彼に手を振ってそのままエレベーターへと乗り込んで行った。
彼女の姿を見送った轟は、また後ででいいかと息を吐いて再び作業へと取り掛かる
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指示された通り外にでれば、ちょうどブラドが入り口のほうから姿を見せ怜奈を見つけて猛スピードで駆け寄ってくる。
「怜奈!体調は大丈夫か?」
「はい!ブラド先生、お久しぶりです」
駆け寄ってきたブラドは怜奈の正面にたつとどこも割れていないな?と確認するように体を見遣る。
それに笑いながらもう元通りですよ、と言えば彼は少しの涙を浮かべながらほっと息を吐き出し目尻の雫を拭うとその頭を撫でながら本題に入る
「それで、ついてきて欲しい所なんだが─」
「ブラド先生、どこ行ったんだ?」
「わざわざ外出ろって言ったくらいだし、なんかあるんだろ」
所変わって、一年ヒーロー科B組の敷地内の庭で泡瀬が言った台詞にB組委員長である拳藤が言葉を返す。
彼らの担任であるブラドは部屋の片付けに移る前に中庭に集まってくれと言った後どこかへ行ってしまった。
ただ集まっておいてくれと言われただけでその他は何も指示されていないため生徒達の間でザワつくも、入り口の方からブラドの声が聞こえた
「待たせたなB組」
「遅ーいブラド先生!」
「どこ行ってたんですか?」
軽くブーイングが飛び、純粋な疑問を投げられたブラドはまあ落ち着けと声をかけると顔を横に向け誰かに声をかけている。
それにB組は首を傾げるが、ブラドと共に入ってきた人物の姿を映すと一斉に目を見開いた。
「えっと、B組の皆さん…お久しぶりです」
ふわりと微笑みながらそう声をかけてきたのは、あの日自分達を救ってくれた、美しい天使だったからだ
目を見開いて固まる生徒達に不安になった怜奈だが、ブラドはそんな彼女を安心させるように微笑みながら小さな背中を押すと、それを視界に入れた拳藤が一歩前に出る。
「れ…怜奈、なんだよね…?本物、だよね……?」
「……心配かけてごめんね、一佳ちゃん」
安心させるようにあの日と変わらない笑顔を見せる怜奈に、拳藤は息を飲んでから走り出していた。
走り出した拳藤に続きその他の生徒達も走りよって周りを取り囲むと、拳藤は勢いよく小さな身体を抱きしめた。
その際感じた線の細さに、こんなにも細い身体で自分達を助けてくれたんだと思うと、涙が止まらなくなった。
耳元から聞こえる水音に、怜奈は瞳を伏せると何を言うでもなくその腕を震える身体へと添える
「っ、怜奈、怜奈…!!」
「………うん、ここにいるよ…一佳ちゃん」
「よかった…!!ほんとに、よかった…!!」
「…ありがとう一佳ちゃん」
抱き合う彼女らの周りを取り囲んで、B組の生徒達は嗚咽を漏らしながら言葉を伝えようと必死に音を作る。
「あの日、うちらが毒吸い込んじゃった時神風さんが助けてくれたんだよね?!」
「あの時本当はもう力ノコッテナイ聞きましタっ…」
「なのに…私達のこと助けるためにボロボロになって…!」
「ん"……」
「神風がっ、俺らのこと助けてくれたから親が許可だしてくれたんだ!!」
「お前がいなかったら後遺症とかあったかもって言われて…」
「感謝してもしきれねぇ…!!」
涙でぐしゃぐしゃになった顔は数分前の自分を彷彿とさせて、少し涙が出そうになったがこれ以上泣くのはやめようとぐっと堪えて吃る彼らの声を拾いあげようと何度も頷きを返す。
「怜奈のおかげで、うちら毒まいた奴のこと倒せたんだよっ…」
「神風が毒を消してくれてたから、俺攻撃できたんだ!!」
顔を上げた拳藤に続き鉄哲が腕の隙間から顔を覗かせて言ったのは、あの日毒を操っていた敵のことだろう。
毒霧が濃くて近付けなかった時、怜奈が毒を消してくれたおかげで相手も混乱しその隙に倒すことが出来たと言う二人に、怜奈は拳藤の手を握り首を緩く振った。
「…私がしたのはあくまで毒を消す作業だけ…ちょっとお手伝いをしただけで、根本の敵を倒したのは鉄哲くんと一佳ちゃんだよ」
「怜奈…」
「ヴィランを倒してくれてありがとう」
最後そう言って笑いかける怜奈に、拳藤も泣きながらぎこちなくも笑い返せば、鉄哲はやっぱお前最高だぜ!!!とだぱっと涙を溢れさせた。
その光景に怜奈が大袈裟だなと思わず笑い声を上げれば、周りも釣られるように笑い声を中庭に響かせた。
「怜奈……お前が苦しい時、何もしてやれずすまなかった…俺の生徒達を助けてくれて、心から感謝している…ありがとう…!」
笑い声が収まってきたのを見計らってブラドが頭を下げると、怜奈はそれに瞳を伏せてから顔を上げて欲しいと至極優しい声音で催促すれば、ブラドはゆっくりと顔を上げB組も彼女を見遣る。
「私は、仲間を助けるために当然のことをしただけです…こうして無事な姿が見れただけで、私……すごく嬉しいです」
本当に無事でよかったと、光を浴びて輝く怜奈に全員が見惚れていると、泣いたことにより赤くなった目元のまま物間はポツリと呟いた
「A組のことは好きになれそうにないけど…君は嫌いじゃないよ」
見惚れつつもいつもの様に素直じゃない言葉をかける物間に周りは呆れ顔で彼を見るが、怜奈はその言葉に思案顔のまま声を投げる
「…物間くんは、ツンデレさんなんだよね?」
「…………………………は?」
至極真剣な顔で彼女から出た衝撃の言葉に物間がビシリと固まると、女子達はぶはぁと吹き出して震える
「普段は素直じゃないけど、たま―――に素直になるんだって一佳ちゃん達が教えてくれたの!」
「なっ……!!ちょっと拳藤ォ!!変なこと吹き込まないでくれるかなあ?!!」
「あははははは!!ダメだお腹痛い!!」
「怜奈ちゃんサイコー!!」
「ギャハハハハハハ!!!」
「渾名決定だな!」
「よっ!ツンデレ物間くん!!」
「今日もレッツひねくれ!!」
「やっやめろぉぉおおお!!!」
A組よりだいぶ騒がしくはあったが、心配していた彼らともこうして無事再会できたことに、怜奈は目の前で走り回る彼らに今一度笑い返した。
(かかってこいよツンデレ物間くん!!)
(変な渾名で呼ぶなよ!!)
(仲良しだねえ)
(君のせいだからね!!!?)