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築三日だという恐ろしいほどの速さで出来上がった学生寮に怜奈の荷物が運び込まれたのは、昨日の夜のこと
因みに昨日の夜はオールマイトの部屋で一緒に寝て(オールマイト希望)、暫しの別れを惜しんだ。
他の生徒達が来るのはまだ後らしく、怜奈はみんなよりも早めに荷解きを進めていいと言われた
「何か手伝おうか?」
「ううん、一人で大丈夫!パーパ達もやる事あるでしょ?」
「…無理するなよ」
「何か困ったことあったら呼んでくれな?」
「ありがとう」
心配そうにするオールマイト達が去った後、怜奈は後ろを振り返り運び込まれた荷物の箱を全て開けると杖は解放させずに"
"
(余談だが怜奈の部屋割りは相澤が決め、峰田からは最も遠い5Fの蛙吹の隣の部屋だ。)
ものの数分で完成した部屋を怜奈は満足気に見渡したあと、ついでに中の構図を一通り覚えておこうかとエレベーターで共同スペースである一階に移動する。
それから風呂場や洗面所、キッチンなどを見て回っていると玄関が開く音が聞こえた。
先生かな?と思いその場から離れリビングに向かうと案の定、準備で出ていた相澤が私服からヒーロースーツに着替え玄関の入口にたっていた。
彼はリビングに怜奈がいるのに気付くと長い足で進みながら話を振る
「もう部屋の整理終わったのか?」
「うん!中の構図一通り覚えておこうかと思って」
「………お前、個性使ったな?」
「…な、なんのことだか………………」
「おい」
流石プロヒーローとでも言うべきか、鋭い指摘にギクリと反応した怜奈は冷や汗をかきながらすいーと視線をあさっての方向に向けたが、隠しきれてないぞと最終的に目の前まで来た相澤にふにっと両頬を摘まれるとそのままかるく左右に引っ張られる。
「病み上がりなんだから、無理すんなって言っただろ」
「へ、へっと……りはひりで…ひょっとらへ…はいほうも、ひへらいひ…」
「…ほんとにちょっとだな?」
じとっと見下ろしてくる相澤に両頬を摘まれたまま慌ててこくこくと頷けばまったく…と言いながら摘まれていた頬は解放され代わりに優しく抱きしめられる。
「…消太お兄ちゃん…?」
「……わかってるんだ。力が全て引き出された分コントロールする為にも、個性を使用して慣れさせる必要があるって……」
だが……と言った背中と頭に回されている相澤の腕が僅かに震えているのを感じて、自分からも目の前の彼の背中をぎゅっと抱きしめる
「…………俺は、怖いんだ……」
「お兄ちゃん…」
「またお前が壊れてしまうんじゃないかと、思ってしまうんだよ……」
「情けなくて、ごめんな…」と回された腕にさらにこもる力に、病室での再会で見た相澤の涙が脳裏を掠めた
笑ってはくれているが、まだきっとみんな不安を抱えたままで、何とか日常通りに振舞おうとしてくれているのは、きっとあの時の恐怖を思い出したくないからだ。
それほどまで、今回の事件での怜奈は死と距離が近かった。
「消太お兄ちゃん」
「…」
その心中を察した怜奈は、肩口に埋められていた顔を両手でふわりと包み込んで自分の方へ向けさせ、相澤が弱々しい表情を浮かべているのに軽く笑ったあと、少し背伸びをしてコツンと額を合わせる。
「…不安にさせてごめんね…」
「…違う。俺が、ただ…………」
「ありがとう、消太お兄ちゃん」
「っ……………」
「でもね、大丈夫だよ。私はもう壊れない。死ぬ覚悟はもう捨てた。…私は、未来を賭けて…ヒーローとして生きるから」
くっついていた額をパッと離し、相澤の両頬からも手を離すと、消えてしまった温もりに相澤が手を伸ばすよりも先に怜奈はその身体に抱き着き、ね?と思いっきり笑った
それに対し相澤は一瞬呆気に取られたような顔を浮かべてから、ふ、と柔らかく吹き出した
「そうだな…お前がそう言うなら…きっと"大丈夫"だ」
抱きついてきた怜奈の頭を撫でながら、相澤は口元に笑みを浮かべながら小さな身体を抱きしめ返した
(なら俺は、お前の未来を守るよ)
あの日と変わらぬ想いを抱いて
(夏って抱きつくとちょっと暑いねえ)
(…………)
(え、待ってお兄ちゃん力強い!あいたたたたっ)
────
「そろそろあいつらが来る頃だな」
二人でソファにかけ寛いでいると相澤が備え付けの時計を見ながら呟く。
今日からここで生活する上での注意や説明をする為に彼はこの場にいるのだ。
そろそろ指定した集合時間だと相澤が移動するのに怜奈もあとに続こうとすればお前はここにいろ、と静止をかけられる
「でも、私……」
「俺はあいつ等に言わなきゃならんことがある。それが終わったらちゃんとここに連れてくるから…俺が呼ぶまでは待機していてくれ」
な?と宥められるように頭をぽんぽんと撫でられた怜奈は、渋々ではあるがわかったと頷きを返すと相澤はいい子だ。と言ってから手を離し玄関から外へと歩いていった。
「とりあえず1年A組、無事にまた集まれて何よりだ」
そう生徒達の前で言った相澤に、A組も各々こうして集まれたことに対し安心感を纏わせている。
「あの、先生…れ」
「──緑谷、それは後で順に話す」
緑谷の言葉を遮った相澤は、同じ考えを持っていたであろう彼らを見遣り、まだ今は聞くな、と無言で圧をかける。それに対し緑谷達は一瞬口を開くもきゅっと唇を引き結んだ。
そして仮免の話により一瞬場がザワつくも、相澤はそれらを鎮めると視線を五人へと向けた。
「轟、切島、緑谷、八百万、飯田。この5人はあの晩あの場所へ、怜奈と爆豪の救出に赴いた」
その言葉に、5人以外の生徒達の間にわずかな動揺が走り抜けた。
何人かは唖然と、何人かはやはりか、とそれぞれ表情を浮かべているのに相澤は瞬時にそれらを読み取り、皆把握はしてたみたいだな、と結論づけ色々棚上げした上で言わせてもらうよと口を開いた
「オールマイトの引退と怜奈の活躍…そして怜奈が戻ってなければ俺は…………怜奈・爆豪・耳郎・葉隠以外全員除籍処分にしてる」
風と共に告げられたその瞬間、全員の間に言い様のない緊張と悪寒が通り過ぎた。
誰も何も言えない中、相澤は淡々と言葉を並べていく
「彼の引退によってしばらくは混乱が続く…怜奈の存在によって少しは中和されるだろうが、平和の象徴の穴はでかい。敵連合の出方が読めない以上、今雄英から人を追い出すわけにはいかないんだ。」
理由はどうあれ信頼を裏切ったことは変わりないため、正規の活躍で信頼を取り戻してくれと続けた相澤は元気に行こうと足を進めるが、そんな雰囲気の中進める訳もなく立ち止まっていると
意外にも爆豪がその場を和らげたことにより、無事全員中へと進むことが出来た。
また施設の説明の際での峰田の危険な呟きに「怜奈になんかしたら殺すぞ」と相澤が言ったのは言うまでもない。