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「さて……どこから話そか」
全員が中に入ったことを確認すると、ケルベロスは談話スペースのテーブルの上に座り考えるように視線を上に向ける
「てか、ライオンが関西弁で喋ってることが驚きなんだけど…」
「しかもネイティブだぞ……」
「ライオン、なんでしょうか…」
「こらそこ小娘ェ!!ワイをただのライオンと一緒にすんな!!」
コソコソと会話をする耳郎達をビシッと指さすと、ケルベロスは心外や!!と言わんばかりに尻尾をテーブルの上にぶつけている
その様子にオールマイトはゴホン、と咳払いを漏らすと話を元に戻そうと一言声をかけてから疑問に思っていることを上げていく
①君達は何者なのか
②先程の光景は何だったのか
③何故我々のことを知っているのか
④彼女の身体の変化の原因は何なのか
とりあえず今気になっていることを四点に絞込み質問として投げかけると、まあまとめて話そか。と叩いていた尻尾の動きを止め真剣な眼差しに戻す
「まずワイらは代々受け継がれし存在。太陽の守護獣ケルベロスと月の守護者ユエ…ワイらが生まれたんは百年以上前、神風家当主がこの個性を持って生まれた時や」
時は遡り、個性というものが生まれてからまもなくして神風家の"魔法"という個性が出現したその後に彼らは生まれたのだという
「魔法の個性を持つもんを導くために生まれた存在やけど…ほとんど意味は為さんかったわ」
「何故…」
「…ワイらのことを認識出来るもんがごく稀やねん」
「…その個性を持った者全てがあんたらのことが見えるわけじゃないってことか」
「実際認識出来とったんは初代と先代の誠、そんで怜奈だけやった」
魔法の個性を持つ者のそばにいることは確かなのだが、殆どの場合は彼らを認識することが出来ずにその生涯を終わらせたのだとケルベロスは瞳の奥に薄らとした哀愁を漂わせた
それに気付かれる前にケルベロスは一度瞳を伏せこの話題はとりあえず後にまわそうと次いで二つ目の質問に突入する
「さっきのあれは、怜奈自身がやったことや」
「怜奈が…?」
「自分でも制御しきれないほどの魔法の力…魔力が強大化した結果、無意識に自身の願望をカードの形で具現化したんや」
先の事件で力が解放され、今まであった器に魔力が収まらなくなり今まで使っていた技を一度整理しようと無意識下で行った力の調節だという
「なら何故、君達はカードになっていないんだい?」
「さっきも言うたやろ、ワイらは守護獣と守護者…魔力の中の代表みたいなもんや。魔力の頂点に立つのは主やけど、ワイら魔力の代表は主を補佐する役目にある。せやからカードにはなってないちゅうことや」
「相澤先生の個性が効かなかったのはどうしてですか?」
「そんなもん簡単や。炎操っとる奴に炎出させるのを止めることは出来ても、炎自体に消えろー!言うて睨んでも消えへんやろ?それと同じや。まあワイらの場合はちょっと特殊なのもあるけどな」
「な、なるほど…」
「…俺達のことを知っていたのは、ずっと怜奈の中に居たからなのか」
「ああ。ワイらが主を変える条件は二つ…先代が死ぬか、先代が自らの意思でワイらを受け渡すかのどちらかや」
怜奈の場合は前者で、誠が亡くなったその瞬間にケルベロスとユエは誠が使っていた魔法と共に彼女の身体へと移った
元から誠は怜奈の力の解放とともに彼らの存在を受け渡すつもりでいて、ケルベロス達も彼女を次の主として支えようとした
しかし誠が怜奈の魔法の個性に制御をかけてしまっていたため、必然的に大きな力を持つ両者の存在はある意味彼女の中で封印されてしまい、今までずっと彼女を見ていることしか出来なかったのだ
「………たとえ怜奈が苦しんどったり危険な目にあったりしても…ただ中から見ていることしかできひんかった……それがめっちゃ悔しくてなあ…何度か無理やり出たろかおもてんけど、やっぱ無理やった」
「!だからユエさん、あんな風に怒ってたんだ…」
先程のユエの様子を思い出し麗日が呟く
自身の護るべき存在のすぐ近くに居るのに触れることも護ることも出来ず、ただそれを見ているしかない状況下に常に置かれていたとなると、その心の内は計り知れない
「こうしてやっと外に出れたからなあ…あいつも気いたっとったんや、堪忍な」
「いや……それは、こちらにも非はあるからね。仕方の無いことさ」
彼女が関わってしまった事件を改めて思い出し、怒らせてしまうのは当然のことだとオールマイトが頭を下げると「まあ怜奈も誠と同じで無茶するからなあ」とケルベロスは苦笑いで頭を上げろとオールマイトの顔を上げさせる
「んで最後、怜奈のあの髪は力を解放した際の副作用みたいなもんや」
「副作用……」
「副作用っても髪伸びただけで、あとはなんも問題ない。」
せやからなんも心配することは無いな〜、と軽く言うケルベロスに周りもホッと息を吐き出した。
「それに…髪長い怜奈も可愛ええやろ?」
「「「「それはもう最高です」」」」
キリッと顔に影を作り思案顔で言うケルベロスに全員が同意を示すと、せやろ〜?!と何故かケルベロスが自慢気に鼻を鳴らす
「…………今の怜奈の力は、どれぐらいだ」
見るの楽しみやな〜と上機嫌で鼻歌を歌っていたケルベロスだったが、彼にかけた一つの声がその表情を一変させる
かけられた問にケルベロスは緩んだ顔を消し、スっと目を細め発言者である爆豪に対し黄金の瞳を向けた
赤と金、強い輝きを放つもの同士がぶつかり合い静かな爆発を生み出した
「小僧…それを聞いて、どないするんや」
「あいつの事で知らないことがあんのが気に食わねえだけだ」
「………聞いて後悔はせんか?」
「怜奈のことを知って後悔することなんかねえわ」
「……知らずに何も出来なくなるのは、もう嫌なんだ」
「お願いします…彼女のことを、知りたいんです!」
爆豪に続いて一歩前に出た轟、緑谷にも視線をやり、周りにいる相澤達を確認してその瞳に迷いがないことを確認すると、ケルベロスは一つ息を吐く
「…………怜奈にやらせるよりはええか…。」
「!じゃあっ…」
「勘違いすんなや。これは怜奈のためや、決してお前らのためやない……ワイが説明する代わりに今後一切怜奈に力の説明を求めるようなことはするんやないで」
「ああ、わかってる」
相澤がそう頷いてから、ケルベロスは怜奈の力の大きさを示すものを何点か上げていく。と前置きを置いてから視線を真っ直ぐに向けた
「結論から言えば…歴代の中でも、怜奈の存在は異質や」
「異質…」
「まず一つは、ワイらの存在。おいそこの…もじゃもじゃの小僧」
「へ?!は、はいッ!」
「お前、ワイのことどんな風に見えとる?」
「え…普通に、はっきりと見えます…けど」
「透けたりはしとらんか?」
「…はい」
質問された緑谷はもじゃもじゃと言う単語にショックを受けながらも、言われた内容に対し改めてケルベロスの姿を確認するが、彼の言うようにどこかが透けたりという現象は見られない
その答えにケルベロスはもうそこから今までの奴らとは違う、と自身の前足を掲げ左右に動かして見せながら説明を続ける
「ワイら二人の姿がどれぐらい見えるかによって主の魔力の大きさがどれだけかがわかる…お前らにもハッキリとワイらの姿が見えるやろ?」
「はい…」
「こんなこと今までじゃ有り得ん…歴代でも力の強かった初代と誠ですら、ワイらのことは透けて見えとったぐらいや。それが怜奈の場合は自分が見えるだけじゃなく周りにまではっきりとその姿を認識させとる」
周りにまで影響を及ぼすほどのその力の範囲は測ろうと思っても測ることは出来ないだろうとケルベロスは続ける
実際誠についていた時に何度かオールマイト達の前に現れたというが、オールマイトと相澤はケルベロス達の存在を確認したことは無いと首を横に振った
「二つ目は魔力の具現化……今までこの力が形として形成された例はない、それは魔力を形として残すことが不可能だったからや」
「なんで?」
「まず魔力をカードとして封印するにはそれ以上の力がいる。さらに作られた魔力にもそれぞれ意思がある…それら全てがそいつを主として認めんかったらカードとして形にはならん。形になるっちゅうことはそいつに所有されることやからな」
「え……じゃあもし仮に力があっても、その子達に気に入られなかったらカードに出来ないの?」
「その魔法を作ったとしても?」
「せや。魔法は作れても性格までは決められんからなあ…偏屈な奴も多いねん。使う分にはええけど、封印はできん」
初代と誠には説明をして一度形にしようと試みては見たもののまず力が足りず成功はしなかったという
「怜奈は所有者として認められたってことか」
「…小僧、スプーンに対してどんな感情持っとる?」
「…スプーンに対して?」
「スプーンでもなんでもええけど、自分が使うとる物に対してなんか思うことあるか?」
いまいち意図の読めない質問に轟は少し間をあけてから使うだけのもんになら感情とか考えたことは無いと答える
「それが普通やろなあ…ワイらの関係はあくまで使う方と使われる方…そこにはなんの感情もない」
「……」
「けどな…怜奈は違った」