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雄英敷地内
校舎から徒歩5分の築三日
"ハイツアライアンス"
生徒達との共同生活が幕を開ける
───────────
怜奈の検査結果から少し経ったあとに、相澤から病室で入寮制度の説明がされた。
今回の寮制は生徒の安全を確保するだけでなく内通者を見極めるためでもあると、怜奈は察した。
ならば自分はそれに従おうと首を縦に振ったのが2日前。
家に戻った後、一日はゆっくりと休んで(たっぷり甘やかされた)、その翌日は寮に持っていく分の荷物を纏め準備を進める。
寮に荷物が送られていないのは怜奈だけの為、相澤達はゆっくりでいいと言ってくれたが荷物を纏める手は自然と早くなる。
用意してもらったダンボールに前日に作っておいたリストの中身を確認しながら手際よく詰め込んでいると、ふとドアから視線を感じた
そこで怜奈が後ろをふりかえってみれば、開けられたままの部屋のドアから自身の保護者が暗い影を背負い窪んだ瞳からじっとりとこちらを見つめている
その姿はその風貌もあって、さながら亡霊のようではっきり言ってしまえば不気味でしかない。
「パーパ?どうしたの?」
しかし怜奈はそんなオールマイトの様子に一時作業を中断し駆け寄ると、どうしたの?何かあった?と眉を下げて首を傾げながら尋ねた時、オールマイトはその姿を見て数秒間の間の後だぱっと夥しい量の涙を溢れさせた。
「えっ?!」
「うわぁぁぁやっぱりやだよぉぉぉぉぉぉ!!行かないでぇぇえええええ!!!」
そう切実な叫びと共にオールマイトは目の前の怜奈を抱きしめながら子どものように駄々をこね始める。
…と言ってもかれこれこの駄々は怜奈が荷物を詰めだしてから数えるのも億劫になるほど発生しており、最早発作と言ってもおかしくない
それでも怜奈はおろおろとしながら毎回彼を落ち着かせようと、自身の肩口に顔を埋める頭を宥めるようによしよしと撫でるので、逆にそれも治まらない原因の一つであると言える
いやだいやだと首をふるオールマイトに怜奈が苦笑しながら軽く困っていると、一瞬顔を上げた彼の頭に見慣れた捕縛布が巻き付けられ、ギリィッと言う音とともに強制的にその身体が彼女から引き剥がされる。
「わっ」
「うわあああ離して相澤くんんんんんんん!!!」
「あんたそれ何度目ですか!!いい加減にしてください!怜奈の準備が進まんでしょう!!」
「いやだア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」
「懲りねぇなあオールマイト」
「ふ、二人とも落ち着いて?ね?」
何度目か分からないオールマイトの妨害ともいえる行動に、捕縛布を巻き付けた本人である相澤は青筋を浮かべながら容赦ない締め付けをオールマイトに仕向けるが、彼は体に巻き付けられた捕縛布も気にせず手足を必死にバタバタとさせ怜奈へと手を伸ばそうと抗う
そのやり取りにマイクは軽くツッコミながらさり気なく怜奈の隣に移動し彼女の頭を優しく撫で回すが、怜奈は修羅場に近い現場を何とか宥めようと手を伸ばした。
相澤達がここにいる理由は言うまでもなく怜奈を甘やかすためで、今日も手土産を片手に参上しついでに彼女の部屋の大きな家具を運んでくれている。
(お見舞いでくれたものだけで十分だと言ったがそれとは別とバッサリと切り捨てられたのは別の話)
暴れまくっているオールマイトに怜奈はちょっと休憩しようかなあと呟き、みんなと一緒にお茶を飲みたいと付け足すとピタリと争いは止み、いそいそと全員でリビングに行き飲み物を手にソファに腰を下ろす
先程よりもだいぶ落ち着いたが、その間もオールマイトはすんすんと鼻を鳴らし怜奈の隣から離れようとしない。
「パーパ、落ち着いた?」
「うう、すまない怜奈…」
「…ったく、今からそんなんでどうするんですか。教師だって同じ敷地内での寮生活になるんですから、そんな離れるわけじゃないんですよ?」
「だって!!同じ敷地内でも、"同じ空間"にはいないんだよ?!!」
「どんだけ贅沢な悩みだよ!逆に俺は距離が近くなって最高だね!」
「それは私も嬉しいなあ」
「怜奈!!!!?」
オールマイトの訴えをマイクは一刀両断すると、さらに今までが贅沢すぎたからいい気味だぜと言葉を続け笑い声を上げている
確かにオールマイトにとっては死活問題かもしれないが、その他の教員にとっては今までよりも簡単に会いに行けるとありみんな顔が緩みまくっていたのは記憶に新しい。
「君たちにとってはいいかもしれないけど!私はご飯だって一緒に食べれないし、すぐ気軽に喋ったりも出来なくなるんだぜ?!!」
「んむっ?」
「抱き上げる必要ないでしょう」
「激しく同意」
オールマイトはダァン!とマグカップを置くと、カップを両手で持ち紅茶を飲んでいた怜奈に手を伸ばしそのまま持ち上げて股の間に移動させると頭を撫で出す。
一連の動きはとてつもなくスムーズで一切無駄がなかった。
相澤達はその光景にイラつきながら離せと抗議するもオールマイトは嫌だとやめる気はさらさらなく、手土産の焼き菓子をカップから口を離した怜奈の口元に持っていき、彼女がもぐもぐと大人しく咀嚼するのを見届ける(kawaiiダメージが三人を襲ったのは言うまでもない)
「つーか、もう怜奈ちゃんとオールマイトの関係は世間には公表されてる」
「家族だと公式で公表されたんですから、会いに行ってもおかしくはないでしょう」
そう、既に怜奈とオールマイトの関係は塚内から世間に公表されているため、会いに行っても何かを言われることはまず無いし生徒達の前でこうして接することも出来る。
初めその公表を聞いた時、怜奈はファンからなどの意見等は大丈夫だろうかと心配したが、世間的には好意的に受け入れられているのが事実
雄英高校へのスカウト入学は体育祭と神野の事件での活躍でオールマイトの娘だからと言うコネではないとハッキリと証明されているし、何より平和の象徴を支え続けたその姿に批判的な意見を述べるものはそっち側の人間くらいだ
しかし怜奈が最も気にかけていたのは世間からの受け入れではなく、A組や他の生徒達の事だった。
トップシークレットな情報のため言えなかったとはいえ、真実をずっと隠していたことに対して彼らは受け入れてくれるだろうかと不安になってしまうが、自分から何も言わないままでいる事の方が怜奈は失礼だと考えた
たとえ許してもらえなくても、彼らと向き合いたいと人知れず改めて怜奈は意志を固めた。
未だ自分を抱き込むオールマイトに、怜奈はマグカップをテーブルの上に置くと後ろを振り返りオールマイトを見上げ頭を撫でている方とは逆の手をきゅっと両手で握り、ふんわりとした声で諭すように声をかける
「パーパ、私も一緒に居られないの寂しいけど…みんなと頑張るから」
「怜奈…」
「それに遠くに離れるわけじゃないし、いつでも会いに行けるよ。お昼のお弁当も前と同じように毎日作るね?」
「……………ほんとう?」
「うん」
オールマイトが不安そうに声をかけてくるのに怜奈は優しく笑いながらいえば、相澤達はどっちが保護者かわからんと思いつつ羨ましいと奥歯を鳴らしている。
「えっと、でもね?たまにでいいから、お休みの日は一緒に家に帰ってゆっくりもしたいな…」
頬を桃色に染めて恥ずかしそうにはにかむ怜奈の姿に、オールマイトは数秒間その可愛さに固まった後ガバッ!!と小さな体を抱きしめた
(うん!!!寂しいけど私も頑張るよ!!)
(ちょっと。いい加減怜奈離してください)べりぃっ
(ああっ!!引き剥がすなんてひどいじゃないか相澤くん!!返して!!)
(HEY消太!!怜奈ちゃんプリーズ!!!)
(怜奈、荷物詰めるの手伝うぞ。)
(ありがとう消太お兄ちゃん、でも抱っこしなくても…)
((無視よくない!!!))
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