MHA中心
林間合宿
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「えっと…確かこっち………あれ?」
「妙に騒がしいな…何してんだ?」
「っとに……明日も早いっつーのに……」
「消太先生、ブラド先生!」
「!怜奈、なんでここに…?」
怜奈が緑谷に借りたタオルを返しに行こうと男子の部屋の道を歩いていた時、男子の部屋の前に相澤とブラドの姿を見つける。
今まさに襖を開けようとしていた手を止め、相澤とその奥にいるブラドは驚いたようにこちらを振り返る。
そしてなぜここに居るのかと聞かれるので駆け寄って近くまで移動して事情を説明すれば、二人は同時に深いため息をついた。
「はあぁぁ………それでお前は、そんな格好で来たのか?」
「え?そんなに変な格好してるかな…?」
「そうじゃなくってだな………!」
「お前は1回魔の手がかかっただろ…!!」
どこかおかしいのかと確認するように自身の格好を見る怜奈に、警戒心が無さすぎる…と2人は頭が痛くなる
今の怜奈の格好は某白い子犬をモチーフとした大きめのパーカーと短パン、そして中は小さなフリルがアクセントになった薄い桜色のキャミソール(余談だがこのパーカーはオールマイトとお揃いである)
自分たちのような大人であればまだ自制が利くが、彼女が今向かおうとしていたのは思春期真っ只中の男子高校生の部屋
それが風呂場の事件に続いてこんな姿を見せられて、どんな気を起こすのかわかったもんじゃない……と2人が考えていると、相澤の袖が遠慮がちに引かれる
それに顔を覆っていた手を退かすと、怜奈が眉をへにゃりと下げながら相澤をおずおずと見上げている
「先生ごめんなさい…勝手に部屋から出て…………」
怜奈はどうやら部屋から出たことを怒っていると勘違いしたらしく、しゅんとしながら謝る怜奈はパーカーについてる耳とも相まってさらに小動物感が増しており、キュンっと二人の胸が容易く射貫かれる
「ん"…!」
「ぐっ……!いや、ちゃんと警戒しとけよ……」
「?はぁい…」
そんな顔を見せられて怒ることなどできるはずもなく、頭を撫でることでなんとか誤魔化す
パーカーの上からわしゃわしゃと撫でられた怜奈が可愛さから顰められた彼らの顔を見ることは無かった。
「って……あいつらを注意しにきたんだった」
「怜奈は緑谷にそれを渡したらすぐ戻るんだぞ」
「うんっ」
本来の目的を思い出した3人は未だ騒がしい部屋を前に、声をかけながら襖を開ける
「お前ら何を騒いで……っぶ!」
「んぶっ!?」
「きゃっ?!」
が、襖を開いた瞬間、巨大な白い何かがぼふっ!!という音とともに3人に直撃した
あまりの勢いに怜奈が思わず尻もちをつき、それを見た相澤とブラドは更に目元をギラつかせる。
まずはじめにブラドが雷を落とし、その間に相澤が巨大枕に埋もれてしまっている怜奈を救出する。
「大丈夫か?頭打ってないか?」
「うん、びっくりしちゃっただけだよ」
怜奈の姿は男子達からは死角になって見えないのか、気付いてはいないようだ。
怜奈の無事を確認すると相澤は安心したように眉を下げるが、次の瞬間には目を据わらせる。
そして底冷えするかのような声で明日のトレーニングメニューを最終的に三倍にする、と言った相澤の教育的指導に流石にそれはキツすぎるんじゃ……と苦笑する。
さらに事の発端は肉じゃがに入れる肉から始まったということに相澤が肉抜き!と言って男子達から嘆きの声が上がったところで、彼等から死角になっていて見えなかった怜奈が姿を現す。
「消太先生、それはちょっと可哀想だよ…」
「えっ!怜奈ちゃん?!」
「あ、みっちゃんのタオル返しに来たよ!」
「「「(寝巻き!!可愛いの暴力!!!)」」」
何故この場に?!と驚いている男子達だが、怜奈は彼女の姿に声を上げた緑谷に近付くとありがとう、と言いながらタオルを手渡した。
「早く返そうと思ってお風呂入ったついでに洗っちゃったんだけど…ごめんね?」
「えっ?!!や、その、全然だっ、いじょぶ、でっす!!」
「?どうしたのみっちゃん?顔赤いけど…暑い?」
「ッ!!!ッッ?!!?」
「「「(何その天国と地獄なシチュエーション!!!だが取り敢えず緑谷f○ck!!)」」」
怜奈の寝間着姿を間近で見たため挙動不審になった緑谷だが、彼の赤い顔を見て勘違いしたのか怜奈はしゃがみこみ緑谷の額に手を当てる。
しゃがんだ際無防備にさらけ出される怜奈の白い胸の谷間に緑谷はパニックになってる
「具合わる…わっ」
「言ったそばから……無闇に男に近づくんじゃないって何度言えばわかるんだお前は」
パニックから最終的に固まってしまった緑谷に怜奈がさらに顔を近づけようとした時、ひょいと後ろから顔を顰めた相澤に脇に手を差し込まれそのまま持ち上げられる。
「でも消太先生、みっちゃんが……」
「でもじゃありません…ったく……」
相澤は緑谷の再起不能ぶりを見下ろしたあと溜息を吐き、未だ納得していない怜奈が手足をパタパタとさせるのもなんてことは無いと、持ち上げたままスタスタと廊下に移動するとその体を下ろす
「あ、でも先生、特訓頑張った後にお肉抜きは可哀想だよ」
「む……」
「お肉も余っちゃうし…」
足をつけられた怜奈がそうだったと思い出したように言いながら、両手を組んでお願いのポーズをするのに、相澤は唇を尖らせるがそれ以上反論することも出来ず、はぁ…とため息を吐き出した
「……………怜奈に感謝しろよ、次はない」
「「「!!!!」」」
ガシガシと頭を掻きながら渋々と言った感じの相澤に、男子達が驚きながら怜奈に視線をやると彼女は嬉しそうに笑う
「だがメニューは三倍にするからな。わかったらはよ寝ろ」
「おやすみなさい」
「物間はちゃんと補習に来い」
じろりと睨みつけながら言った相澤と手を振り挨拶をする怜奈を最後に、ブラドがスパァンッと襖を閉め去って行った。
「…………俺思ったことがあるんだけど」
「………………多分俺も同じだ」
「「「「天使ってほんとにいるんだな」」」」
この時はA組B組関係なく心があわさった瞬間であった。
(風呂場であんなことあったのにな…)
(天使すぎだろ……)
(いや何があったんだよ…)
(てか緑谷、怜奈ちゃんそれお風呂で一緒に洗ったって…)
(え?あ、確かそう言ってた………ね……)
(((……………………)))
(緑谷、言い値で買う)
(寄越せやくそが)
(ちょ、轟くん、かっちゃん!?)
(俺にくれよォ緑谷あ!)
(せめて匂いだけでも!!!)
(緑谷ばっかズリーぞ!!)
(だっダメに決まってるでしょ?!)
その後緑谷はタオルを求め迫ってくる男子達から何とかタオルを守り抜いたのだった。
────────────
────────
「送ってくれてありがとう、消太お兄ちゃん」
「ああ。もう夜に男子部屋に行くなよ?」
「うん、わかったよ」
「ん、じゃあおやすみ」
「おやすみなさい」
部屋の前まで送ってくれた相澤はぽんぽんと怜奈の頭を数回撫でそのまま廊下の奥へと消えていった。
それを見送り扉を開けようとした時、既に何cmか開いているのに首をかしげながら扉を開けると、何故か葉隠達が聞き耳を立てる体勢でそこにいた。
「?みんな何してるの…?」
「怜奈さん!今のは何ですの?!」
「今のって…?」
「相澤先生のことお兄ちゃんって呼んでたよね?!」
「相澤先生って怜奈ちゃんの前だと雰囲気柔らかくなるって思ってたけど、二人っきりの時はもっと優しい顔してた!!」
「あの頭ぽんぽんとかめっちゃキュンキュンしたんだけど!」
「先生と生徒…禁断ですわ!!!」
「わざわざ送ってくれたところも大人って感じだ!」
「2人っきりの時はお兄ちゃん呼びなの?!2人だけの、ってやつ?!!」
「わ、わ、わ………」
興奮しながら詰め寄ってくる彼女らに思わず後ずさりをすると着信音がその場に響き渡る。
その音に一瞬動きの止まったのにほっとしながら自身の携帯の着信音にゴソゴソと鞄を漁ると、画面には"マイクお兄ちゃん"と表示されているのを見てグットタイミング!と思いながらもどうしたのかと首を傾げる。
とりあえずでなければとジェスチャーでちょっと電話してくると伝え、そそくさと部屋から出たところで受信のマークへと指をスライドさせた。
『Hey怜奈ちゃん!マイクお兄ちゃんだぜ!!』
「こんばんはマイクお兄ちゃん、どうしたの?」
『やー、そこの施設山の中だけどWiFi繋がってるって聞いてよ、合宿はどうかなと思ってこうしてLove Callを鳴らしたってわけだぜ!』
「あははっ!Love Call!」
おそらく電話の向こうでドヤ顔をしているであろうマイクに笑い声を上げると、彼は大丈夫か?ちゃんとやれてるか?と聞いてくるので相槌を打ちながらみんなと頑張ってるよ。と伝える。
「…それとね、今パパの技も練習してるんだよ」
『っ……怜奈ちゃん…それって…』
「………だからね、完成したらマイクお兄ちゃんにも見てほしいな!」
約束ね?と笑いながら言えば、耳から僅かに鼻のすするような音と掠れた声でもちろんだぜ!!と言葉が帰ってくるのにまた笑い返した。
『つーか、前も職場体験やらI・アイランドなんかで離れたばっかだっていうのにまた強化合宿とか皆テンションダダ下がりだぜほんとに!!』
「みんな元気ないの?」
『怜奈ちゃん居ねーと皆ショボショボだぜ!?オールマイトなんか泣きそうだしな!消太が羨ましいぜほんと』
「大袈裟だな〜」
それから一言二言言葉を交わすと頑張れと応援をしてくれるのにお礼を言ってから通話を終了する。
やはり彼の声は元気をくれるなと改めて感じてほわほわと胸に広がった温かさを感じながら後ろをふりかえると、今度は明確にいくつもの目と視線が合わさった。
それに声を上げる間もなく部屋の中に引きずり込まれるとまたしても囲まれ質問攻めにあう
「さっきの電話マイク先生?!」
「へ?う、うん」
「マイク先生のこともお兄ちゃん呼びなんだ!」
「わざわざ電話で励ましてくださるなんて…」
「マイク先生普段あんなんだけどめっちゃ気遣いしてくれるんだ!優しい!」
「相澤先生とはまた違った大人だ〜!!」
「そこんとこどーなの?!」
「ど、どう?え、えっと…………」
この後彼女達が満足するまで怜奈は質問され続けるのであった。