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林間合宿
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どこか殺気立った雰囲気の中ペア決めのためにくじを引いて怜奈が自身の紙を恐る恐る開いてみると8番と書かれている。
辺りをキョロキョロと見渡してみるとみんな紙を持ってそれぞれペアとなって別れていく。
その中で緑谷が一人いることに怜奈はパッと顔を輝かせ後ろから小走りで駆け寄る。
「みっちゃん、もしかして8番?」
「えっ?!怜奈ちゃん8番!?」
緑谷は慌てて自身の番号を改めて確認しコクコクと首を上下に動かし肯定すれば怜奈はぎゅっと緑谷の手を握る。
「よ、よかったあ…!離れないでね?一緒にいてね?」
「もっ……もちろんだよ!!!」
眉を下げてうるうると瞳を潤ませながら自身を見上げてくる怜奈に緑谷は心臓が撃ち抜かれ荒ぶりまくっている内心を潜め何とか返事を返す。
本当ならば小躍りしたい気分だが怖がられたら元も子もないのでグッと堪える。
しかし一人有頂天にいる緑谷に対し周りはぐしゃりと自身の紙を握りつぶす。
「おいデクァ……代われやクソ…!!!」
「か、かっちゃん?!」
「緑谷、俺と代わってくんねぇか」
「すっこんでろ半分野郎!!!」
「轟君まで?!そ、それはできないよ…!」
「クソデク!!!言うこと聞けやゴラァ!!!」
両手で爆破を起こしながら迫ってくる爆豪と真っ直ぐに緑谷を見ながら自身の紙を差し出してくる轟に、緑谷は戦闘で見せるような顔で譲るわけにはいかない!と二人を見据える。
その他の人たちも三人に乗じてわいのワイのと騒いでいたがマンダレイがクジの変更はなし!とキッパリと宣言したためその場はなんとか収まった。
(クソが!何で俺が半分野郎と廻らなきゃいけねーんだよ!!)
(くっ…怜奈…!)
(轟紙燃えてるよ)
(怜奈さん!十分注意してくださいまし!)
(何かあったら大声で叫んでね!!)
(でもお化けにあったら叫んじゃうかも…)
((そっちじゃないよ!))
──────────
────────────
「じゃ、5組め…ケロケロキティとウララカキティGO!」
B組が脅かす側にまわりA組の悲鳴が森から薄く響き渡る中、5組目となる蛙吹と麗日が出発した後順番が近付くにつれ怜奈の顔はだんだん青ざめていく。
「うぅ………すごい悲鳴………」
「大丈夫?神風さん顔真っ青だけど…(ぷるぷるしてる)」
「お、お化けとか…ほんとに…ダメで……」
「ほんとに大丈夫か怜奈くん!?今にも倒れそうじゃないか!」
「3.141592653589」
「緑谷てめえぇぇえええええ!!!!」
「緑谷も倒れそうだった!!!頭から煙上がってるけど!!」
現在残っているのは6組目の尾白・峰田ペア、7組目の飯田・口田ペアと怜奈達の3グループ。ぷるぷると震える怜奈に飯田や口田が心配そうに声をかけたりする
遠くから悲鳴が聞こえる度怜奈は緑谷の腕にしがみつくため腕は怜奈の胸に埋まる形になる。
それに対し緑谷は全身から湯気を出し今にも倒れそうになっているのに峰田は血涙を流しながら彼の足を何度も叩いている。
その時
スンッ…
「…!何かが燃えてる…?」
「黒煙…」
辺りの異変を感じ取った怜奈が焦げ臭い臭いに空を見上げると同じようにプッシーキャッツのメンバーも上を見上げ、緑谷達も同じように視線を動かした時背後からピクシーボブの悲鳴が響いた
「飼い猫ちゃんはジャマね」
「何で…!万全を期したはずじゃあ……!!何で…」
「ピクシーボブさん!!!」
「何でヴィランがいるんだよォ!!!!」
トカゲのような見た目とステインを彷彿させるような飾り、長めの髪とサングラスをかけ布で包まれた棒らしきものを持っている明らかにヒーローでは無い二人組が姿を現した。
トカゲ姿の敵がピクシーボブを踏みつけ、髪の長い敵は持っている棒でピクシーボブの頭を殴りまるで肘掛のような体勢をとる。
その時の衝撃が強かったのだろうか、ピクシーボブは頭から血を流し気絶しているようだ。
「ピクシーボブ!!」
「やばい…!」
「「!!!」」
「みっちゃん…!」
「うん…!!」
怜奈がこの事態に自身の前にいる緑谷を見遣れば、彼も同じことを思ったのだろう、短く返答が返ってくる。
洸汰だ。彼の秘密基地、それを知っているのは恐らく怜奈と緑谷だけ。彼を保護できるのは二人しかいない
敵の奇襲にマンダレイは恐らくこの二人だけではないと判断し個性で施設に戻った補習組にテレパスを送った。
「ギャハハハハ!ご機嫌よろしゅう雄英高校!!我ら敵連合開闢行動隊!!」
「敵連合…!?何でここに……!」
「この子の頭潰しちゃおうかしら?ねぇどう思う?」
「させぬわっ!このっ……」
「待て待て早まるなマグ姉!虎もだ。落ち着け」
マグ姉と呼ばれた敵と虎が戦闘態勢に入ろうとした時、何故かトカゲ姿の敵は二人に対し待ったをかけた。
「生殺与奪は全て、ステインの仰る主張に沿うか否か!!」
「ステイン…!当てられた連中か!!」
「そして、アァそう!俺はそうお前。君だよメガネ君!保須市にてステインの終焉を招いた人物。申し遅れた。俺はスピナー…」
ステインのフォロワーであるスピナーという敵はは背負っていた無数の刃物が重なり合った一本の剣を構える
「彼の夢を紡ぐ者だ」
「───彼のは、夢なんかじゃない」
今まで緑谷達の後ろに隠されていた為姿が見えなかった怜奈がそう呟くと、怜奈は一瞬で彼らの足元に移動し未だ踏みつけられているピクシーボブに触れるとまた一瞬で虎とマンダレイの傍に移動する。
「大丈夫かピクシーボブ!!!」
「…見た目より危険な状態です!取り敢えず応急処置をっ」
「ありがとう怜奈さん!!」
突然のことに放心状態の敵達だが虎がピクシーボブに呼びかけ、怜奈はピクシーボブの容態を確認するとすぐに"治癒"を使い傷を軽傷状態まで癒していく。
ピクシーボブの呼吸が安定してきたのを見計らい怜奈が彼女の身体を安定した体勢にした後、今度は逆に緑谷達の前に立ち敵を強い瞳で射貫けば彼らは怪訝そうな顔から一変、怜奈を視界に映すと歓喜に満ちた表情になった。
「貴女様は…!!」
「あらヤダ!やっぱりすごく可愛い!!」
怜奈を見た瞬間明らかに反応を示した二人に虎、緑谷達も戦闘態勢を取りながら怪訝そうな表情を浮かべる。
「この日をどれほど待ちわびたことか…!ステインが唯一忠誠をお誓いになった怜奈様……いいえ!我が君よ!!!!」
「「「「「「!!!」」」」」」
「ふふ、あのステインに忠誠を誓わせるなんて…天使みたいな見た目なのに凄いわ。食べちゃいたいくらい可愛い」
「このようにご対面できるとは、至極光栄でございます!」
「……あなた達の目的は何ですか」
敵連合開闢行動隊、と彼らは言った。つまり死柄木弔率いる敵連合のメンバーだろう。しかし、USJ事件の際彼らがいた記憶はない、つまり連合は勢力拡大のため新しい仲間を集めたという事だ。
「下がっておれ怜奈!」
「!虎さん…」
「気持ち悪い目で怜奈を見よって……!!なんでもいいがなぁ、貴様ら…!その倒れてる女…ピクシーボブは最近婚期を気にし始めててなぁ、女の幸せ掴もうって…いい歳して頑張ってたんだよ。そんな女の顔キズモノにして、男がヘラヘラ語ってんじゃあないよ!!」
「はっ、ヒーローが人並みの幸せを夢見るか!!」
「虎!!"指示"は出した!他の生徒の安否はラグドールに任せよう!私らは2人でここを押さえる!!みんな行って!良い!?決して戦闘はしない事!委員長引率!」
「承知いたしました!行こう!!」
「……飯田くん先行ってて」
「行かなきゃ……」
「緑谷くん!?何を言っている!?」
「神風さん!?」
「「マンダレイ!!」」
「「僕/私、知ってます!!」」
知っている、それは洸汰の居場所のことだ。恐らく彼はあの秘密基地にいる。マンダレイは洸汰に対して恐らくテレパスは送れるものの場所がわからないため助けに行くことが出来ない。
緑谷と怜奈の言葉にマンダレイは少し戸惑いつつも、自分では助けに行けないと判断しお願いと短く返事を返した。
「あら、怜奈ちゃんは行かせられないわ。貴方は何がなんでも連れ出せって言われてるの」
「我が君、我らとご同行を」
「行かせるわけないでしょ!!」
「みっちゃん、つかまって!!」
「うん!!」
「お、お待ちください我が君!!!」
「"
スピナーとマグ姉が怜奈を行かせまいと駆け出そうとしたが、虎とマンダレイが二人の動きを止める。
そんな彼らを横目に映してから怜奈は洸汰の秘密基地へと緑谷と共にとんだ。