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期末試験
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試験から一夜明け、怜奈は教室への道を真っ直ぐに進んでいた
昨日は試験が終わってからすぐに相澤達のアフターケア(?)にまわった後オールマイトと共に帰宅したので生徒達には会っていない。
そしてなんと昨日の自分の演習試験を生徒達の控え室のモニターで見せていたと根津に言われ、緑谷はまぁ見ているだろうなとは思ったがまさか爆豪以外全員に見られているとは知らず何となく恥ずかしさが出てきてしまった。
苦笑しながら思い出していると教室の前へと到着した。何となくそっと音を立てずに入室すると上鳴、芦戸、切島、砂藤がどんよりとした雰囲気を纏っていた。
確か4人は実技試験でクリアできなかった者達だ。恐らくそれによって合宿に行けないと嘆いているのだろう。
「みんな…土産話っ、ひぐ、楽しみに…うう、してるっ…がら!」
「まっまだわかんないよ、どんでん返しがあるかもしれないよ…!」
「緑谷、それ口にしたらなくなるパターンだ…」
「試験で赤点取ったら林間合宿行けずに補習地獄!そして俺らは実技クリアならず!これでまだわからんのなら貴様らの偏差値は猿以下だ!!」
緑谷の宥めももはやなんの効果も示さず上鳴はウガー!!と騒ぎ立て瀬呂も俺も合格かどうかわからんと言い、なんかもう色々くれ!!と上鳴が言ったところで気配を消していた怜奈がおはよう、と声をかける。
「!怜奈ちゃん!!おはよう!」
「おはようみっちゃん」
「おはよう怜奈ちゃん!」
「おはよう怜奈くん!」
「お茶子ちゃんも飯田くんもおはよう」
怜奈に気付いた面々はパッとこちらにキラキラとした顔を向けてくるのに首を傾げれば、扉の前にいた怜奈の周りにあっという間に集まると昨日の試験についての話をされる
「4対1とかもう絶対無理じゃんって思ってたのに!」
「拘束されて耳から血を流したところなんて、まじ血の気引いたぜ?!」
「でもでも!まさかまさかの逆転勝ちでっ!!」
「あの瞬間全員立ち上がっちゃったんだよ!」
「まさか初めからダミーと闘わせて相澤先生の個性の対策をして更に信憑性を高める為にあんな風に血まで映し出すなんて!それに何種類もの魔法の中から合わせ技を作った時なんかもう興奮しちゃって、今回試験で使われたのは今まで見たことないものが大半だったからまたヒーローノートに付け加えておかないと!あと最後に出したあの技はなんの……」
「デクくん…また出とるよ…」
「ハッ!つ、つい……」
「だが、あれはほんとに凄かった。戦況を完全に自分のものにしてたな」
「冷静な判断力と何重にも予想された先読み、プロにも匹敵するほどの戦法…とても参考になりましたわ!!」
未だ熱が冷めやまぬ!!と言った感じで押し寄せる彼らに驚きながら前にもこんなことがあったなぁと思わず笑ってしまう。
と話していたところで予鈴が鳴り相澤が入ってくるので慌てて席に戻ると教卓の前に立った相澤はすぐに昨日の試験についての話を切り出した
「おはよう。今回の期末テストだが…残念ながら赤点が出た。したがって…」
しん、と静まり返る教室と更に表情が沈む4人。
その先の言葉に希望は……と思っていると
「──林間合宿は全員行きます」
「「「「どんでんがえしだあ!」」」」
その言葉に4人がわぁっ!!!と湧き上がりそのほかの生徒達も安堵の表情を浮かべる。
彼のお得意の合理的虚偽に怜奈は気付いていたがこうして彼の方から言った方が良いだろうと黙っていたのだ。
何はともあれ、全員参加の林間合宿に向けての幕が遂に開かれることとなったのだった。
Fin
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