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期末試験

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季節は6月






ここ、雄英高校ではほかの学校と変わらず、ある行事が近づいてきていた。




「まったく勉強してねぇーーーー!!!!」

「あっはっはっは」




そう、《期末試験》だ




成績がビリッケツである上鳴が叫び、その次に悪い芦戸が現実から逃避するように笑い声をあげる。




「中間は入学したてで範囲狭かったからなんとかなったけどな」




そんな彼らに続けて言った砂藤に頷く口田は、中くらいの成績である。




「行事が重なったこともあるけどやっぱ期末と中間は違って…」

「演習試験もあるのがつれぇところだよな」




そう余裕そうに言ったのは峰田で、彼は見かけによらず10位と今までの行いからは想像も出来ないがなかなかにいい成績をキープしている。



その事実に上鳴と芦戸が裏切り者ー!と非難するが、峰田は相も変わらず余裕気に椅子に座って受け流す。


そんな彼らを見てか、緑谷が声をかける




「芦戸さん、上鳴くん、が、頑張ろうよ!やっぱ全員で林間合宿行きたいもん!ね!」

「うむ!」

「普通に授業受けてりゃ赤点は出ねぇだろ」

「言葉には気をつけろ!!」




緑谷(5位)、飯田(3位)、轟(6位)の悪意のない純粋な言葉は、その順位からかあまり効力を持たずただ上鳴を襲っただけだった。(轟の言葉は最早励ましでもなんでもないような気がするが)




「お二人とも、座学なら私お力添えできるかもしれません。」

「「ヤオモモー!!!」」




そんな2人に、見事1位を勝ち取った八百万が救いの手を伸ばす。




「演習の方はからっきしでしょうけど…。」




何故かそう言ってズーン…と落ち込む八百万に、轟と一緒に首を傾げる。八百万は体育祭が終わってからどことなく自信の喪失が見受けられる。



宥めてあげたいが、これは言葉で言うよりも何かアクションが起きない限り払拭することは難しいだろう。




「え、あのっ、怜奈さん?!」

「百ちゃんはすごいよ」




せめて…と怜奈がよしよしと八百万の頭を撫でれば、あわあわと慌てた後八百万はにやけを押し殺しながら撫でられる。(それを見た芦戸達がずるいと騒ぎ出すのは数秒後)











そして場所は食堂へと移る




「普通科目は授業範囲内からでまだなんとかなるけど……。演習試験が内容不透明で怖いね。」

「突飛なことはしないと思うがなぁ。」

「普通科目はまだなんとかなるんやな……。」

「梅雨ちゃん、私の春巻きと卵焼き交換しよ?」

「ええ、いいわよ」

「やった!はい、あーん」

「ケロ、ありがとう」

怜奈ちゃん!私とも交換して!」

「いいよ〜」

「(羨ましい………)」




緑谷の発言に飯田もそれについての反応を返す。が、その2人の会話に麗日が至極羨ましいと言った感じに言葉を漏らす。そしてその横では怜奈が蛙吹、葉隠とおかずをあーんと交換しており、その様子を轟も羨ましそうに見つめる。




「そういや、怜奈は順位どうだったんだ?」

「2位だったよ。やっぱり百ちゃんすごくて…」

「2位でも十分すげえだろ。」




葉隠にもらったおかずを食べなから言った怜奈に、轟も蕎麦を啜りながら素直に賞賛の言葉を返す。彼女の順位に葉隠や麗日も凄いと言えば、怜奈は少し照れたように笑ってから話を試験の内容へと戻した。




「試験勉強に備えて体力面でも万全に…」

「!みっちゃん危ないっ」

「わっ、あ、ありがとう怜奈ちゃん!」




緑谷の後ろから肘がきたのを見て、緑谷を自分の方へ引き寄せると肘は緑谷のいた位置を掠めた。そしてその肘の人物はヒーロー科1-B組・物間寧人



彼は避けられたことに対して少し驚いた様子だったが、構わずそのまま話しかけた。




「あぁごめん、頭が大きいから当たっちゃいそうだったよ」

「B組の!えっと……物間くん!」




悪びれる素振りもなく彼は緑谷達を視界にうつすとどこか嘲笑にも似た表情で話し出した。




「君ら、ヒーロー殺しに遭遇したんだってね。」

「「「!」」」




発せられた言葉に、轟や飯田も反応し、勢い良く物間へと視線を向けた




「あー怖い!いつか君たちの呼ぶトラブルに巻き込まれて僕らにまで被害が及ぶかもしれないなぁ!!あぁ怖…ふっ!!」

「シャレにならん。飯田の件知らないの?」




ヒートアップしてきた物間に突如として落とされた手刀それに全員が驚いていると、がっくりと崩れ落ちた物間を同じくB組クラス委員長・拳藤一佳が首元のシャツを握り受け止める。




「ごめんなA組。こいつちょっと心がアレなんだよ。」

「拳藤くん!」




B組の委員長である拳藤と飯田は顔見知りなのだろう。彼が声をかければ拳藤も会釈を返す。すると今まで黙って成り行きを見ていた怜奈が、ぽんっと手を合わせた




「あ、やっぱり物間くんだ!」

「「「え?」」」




物間を見て言った台詞に、緑谷達が驚きで彼女を見ると物間と拳藤も驚いた様子で怜奈を見た




「な、ななんで…僕のこと……」

「体育祭、勝己くんと凄い張り合ってたから!凄いなぁって思ってたんだ!」




裏表のないキラキラとした純粋な瞳で見られた物間は顔を真っ赤にさせた後ボンッと顔を爆発させる。




「えっ」

「あぁ、ごめんな神風さん!こいつ神風さんのファンなんだよ。あと私はこいつと同じB組の拳藤一佳!よろしくな?」

「なっ!ちょ、拳藤!!!」

「こいついっつもA組見ては羨ましいとか天使だーとか言っててさ。って言っても私も神風さんのこと尊敬してるし、ヒーロー殺しへの言葉も凄いかっこよかった!」




拳藤は赤い顔のまま騒いでいる物間にもう一発手刀を入れると、そう話してくれる。


それに怜奈がお礼を言いながらにこにこと一佳ちゃんって呼んでもいい?と言うのに拳藤は嬉しそうに頷き自身も名前で呼ばせてほしいと言うと、物間は再び抜け駆けか!と騒ぎ出す。(緑谷達は些か面白くなさそうに見ている)



そして、物間が絡んだお詫びとして、ちょっとズルだけど…と言いながら先輩に聞いた演習内容を教えてくれる。



聞けば例年としては対ロボット型の実践演習だという



それに麗日達がお礼を言うとじゃあね、と手を振る拳藤にみんなで手を振り返した。







「ロボット……」

怜奈?」

「ん…これまで色々な事件があったから、ロボットでの演習はあまりにも実践的な要素が欠けているかなって思って……」

「!確かに…入試試験と同じようなのは柔軟な動きに欠けるし、何より対人じゃないから……」

「だから今回はもしかしたら例年とは違う流れになるかも……」




取り敢えず対ロボじゃないことも想定しておこう!とその場は収まったのだった。









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