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「怜奈…聞いてもいいか?」
緑谷と飯田の笑いが収まり、怜奈が作ってきたシュークリームを食べ終わった轟が問いかけてくる
「何?焦ちゃん」
「………あの時、何で動くことが出来たんだ…?」
その瞬間、ピリッと空気が震えた
あの時…というのは、恐らく怜奈が最後ステインを拘束した時のことだろう
確かに怜奈自身救いたいと思ったから動いた
だがステインの殺気と執念を直に浴びたからこそ轟は疑問に思わずにはいられなかった。
「あの時、プロヒーロー達や…親父だって居た。…だけど動けなかった、ただ気圧された…」
だからこそ、救いたいという思いだけでは動くことは難しいのではないかと言った轟に、緑谷達も視線を向ける。
それに怜奈はうーん……と考えたあとにポリポリと頬を掻き困ったように笑った。
「私自身、無意識だったからよく分からないんだけど………たぶん、パパと重なったのかもしれない…」
「「「!!」」」
どこか遠くを見るように言った怜奈に、3人がハッと息を詰まらせる。
「パパが死んだあの日に思ったの…せめて、手の届く範囲にいるのなら…絶対に救い出すって…何も出来ずにただ見送るなんてことは…もう二度と、したくないから。」
自分が行った時には既にこの世から旅立ってしまった父に、なんて自分は無力なのだろうと、一時はとてつもなく落ち込んでしまったが
なら、もう大切な人が傷つくことがないように、必ず救うことができるようにと、自分の個性の可能性を広げていった。
恐らくその信念が今回ステインを拘束する手助けになったのだと、怜奈は言った。
彼女のダイヤモンドが強く輝いているのに、怜奈の心の強さを改めて実感する。
失うことの辛さと痛み、悲しみ……恐らくその場にいた誰よりもそれを知っていた怜奈だからこそ動けたのだ
「って……ごめんね!何か空気重くしちゃって!」
真剣な表情から一変、暗い話になってしまったと怜奈が腕で空気を変えるように回しながら慌てて謝ると、3人はぽかんとした後にそんなことは無い!と否定する
「聞いたのは俺だ、気にすんな。」
「…ありがとう、怜奈ちゃん。話してくれて」
「怜奈くんは、心まで強いんだな」
「ええ?そんなことないと思うけどなぁ…」
「いいや、ある!!」
「うん!僕も見習わなくちゃ!!」
「もっと胸張ってもいいだろ」
もうやめてー!と怜奈が頬を赤く染めながらぶんぶんと両手を降るのに、3人は笑った
(そんな君の隣に立てるように、もっと強くなりたい)
Fin
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