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職場体験
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そして怜奈に渡された夥しい量の指名リスト
提出期限はあと二日だと相澤は言っていたが、クラスで1番の指名率を誇る量に思わず乾いた笑いが漏れる
事細かにびっしりと並んだヒーロー事務所名は、武闘派、実力派達の名前はもちろん
あるものはモデル業を専門に、あるものは役者などとレパートリーも豊富だ
改めて肉体強化のため武闘派に行ってもいいし、災害レスキューに特化したヒーローの元に行けば実践的な救護も出来るかもしれない
理想のヒーロー像と言ったら、やはり自分の父である誠がそれに当たる
彼は敵の拘束はもちろん、仲間の援護、レスキュー、諜報活動…どれにおいてもオールマイトに引けを取らない活躍を見せた。
ならばやはり自分に足りない部分を分析してそれに特化したところに行くべきなのだろう。
そう考えると実践面に特化した事務所か、諜報活動に特化した事務所…自分にとってはまだ足りない何かを学べそうな気はするが…
怜奈が顎に手を当てながら考えていると、ある程度決まったであろうクラスメイト達がわらわらと周りに集まってきた。
「怜奈ちゃん決まった?」
「響香ちゃん…えと、まだちょっと悩んでて…」
「そりゃ7000もあったら大変だよな」
「見てみてもいい?」
「いいよ〜」
麗日に指名表の束を渡すと、その厚みに驚きながらもペラペラと捲られるページに他の人たちも同じようにのぞき込む。
「うおっすげえとこばっかじゃん!」
「ベストジーニストに、ギャングオルカ…エッジショット、リューキュウまで!」
「わあ!!モデル事務所とかもある!」
「流石ですわね……」
「怜奈ちゃんの個性はどの活動においてもカバーできる万能個性だから…武闘派とか以外にも後方支援にも適しているし救護活動ではすごい重宝されるノーリスク治療や瞬間移動を使っての諜報活動なんかもできるよね!あと組み合わせによっては敵を攻撃しながらの避難誘導も可能だろうし…でもルックスを活かしての活動もあるだろうしそうなると……」
「芸出てんぞ緑谷」
「ハッ!!」
「確かにどのジャンルでも活躍できるから、迷っちゃうわよね」
「でも、まだまだ見直すところもあるし、どっちかって言うとその時そのときでの選択で変わってくるから、瞬時に考えて実践できるようにしないといけないところもあるかな」
確かに自分の個性はなかなかに万能であるとは思うが、瞬時に行動できなければ意味が無い。
この個性の発動条件は考えることだ。
なので咄嗟の判断で状況を把握し、また理解することによってどこまで理想通りに動けるかが今後の課題になっていくだろう。
そのためには取り敢えず鍛錬と実践しかない
そうなると…と怜奈は1つの事務所名を指でなぞった
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そして迎えた職場体験当日
朝のHR後、1-Aは学校最寄りの駅に集合した。本来ならば学校外では使用不可の戦闘服を持つ彼らの顔はどこか期待と少しの不安に染まりながら、相澤が言った注意事項を胸にそれぞれの職場体験先へと足を進める。
「怜奈、気をつけてな。無理するなよ」
「うん!ありがとう消太先生、いってきます!」
くしゃりと頭を撫でながら言う相澤に笑顔で返事を返し手を振りながら怜奈も足を進めるが、その前に緑谷と麗日と共に飯田へと駆け寄る
やはりあの時から、飯田の顔はどことなく違っているのに眉を寄せるのに、緑谷、麗日も同様の表情を浮かべる。
「無理しちゃダメだからね、飯田くん」
「……本当にどうしようもなくなったら言ってね、友達だろ。」
「あぁ。」
彼の影がかった笑顔が、言い様のない予感を告げていた。
そして向かうは東京行きの新幹線
東京という日本の中心地は軒並み犯罪件数が高い。
そのため東京に事務所を構えているヒーローは多く、またそれに比例してオールマイトを始め有名ヒーローが多く在籍しているのが事実
なので今回の職場体験でも東京にある事務所を選んだ者は多いのだろう
その証拠にチラホラと見知った顔が見える
1人でこういった遠出はあまり経験がないので少し不安になるが、相澤の手前ふんすっと気合を入れ直しているとホームに見知った頭を発見する。
思わず走り寄り声をかければ、本人は驚いたように少し目を見張ると、すぐに表情を緩めてくれる
「焦ちゃん!焦ちゃんも東京?」
「おお、怜奈もか?」
「うん!」
ならとホームに停る東京行きの新幹線へと一緒に乗り込み、自由席に2人で一緒に座る。
程なくして緩やかに発車した新幹線を尻目に安心したように怜奈が頬を上げる
「よかったあ…1人でちょっと不安だったんだけど焦ちゃんいてくれて嬉しい」
「…お前のそういうとこ、ほんとずるい…」
「?焦ちゃん?」
手の甲で口元を覆う轟に首を傾げたが、轟はなんでもないと誤魔化すように言うと普段あんま遠く行かないのか?と話題を変える
「うーん、遠出はちょくちょくするんだけど、1人ではしないかな?いつも保護者が一緒だし」
「過保護なのか?」
「そ、そうかも………」
と、怜奈はオールマイトの顔を浮かべ苦笑いをこぼす。
実際今回のやつも物凄く心配していたし、なんならついて行く!と言い出した時は本当に焦った。
こんなにも長時間離れることはおそらく1度もないのもあるからかもしれないが、それでも実の父親と同じくらい過保護な彼は前日まで寂しい寂しいとごねていた。
『うう、1週間も離れ離れなんて…』
『だ、大丈夫だよパーパ、1週間なんてあっという間だよ!』
『やっぱり私も一緒に………』
『それは……ダメなんじゃ…』
『寂しいよぉぉおおお』
その時の会話を思い出し、大丈夫かな?と少し不安に思っている怜奈を尻目に、轟は大事にしてもらっているのだと安堵する。
自分には最低ではあるが父親とあまり会えないが母親がいる。
そんな当たり前を奪われた彼女が何か嫌な扱いを受けているのではないかと心配していたが、彼女の表情を見て杞憂だったかと目を細める。
「そうか…ところで、怜奈はどこの事務所に行くんだ?」
何気なく聞いた轟は、そのままペットボトルの水に口をつける
「あ、私ねエンデヴァーおじさんのところに行くんだあ」
そう笑顔で言った怜奈に、轟は水を吹き出しそうになった。
(げっほげっほ!!)
(しょ、焦ちゃん大丈夫?!)
(ああ、怜奈が行ってしまった…!)
(職員室でキノコ栽培せんでください。)
(だって!家に帰っても天使がいないんだよ?!私なんの為に家に帰るの?!!)
(((ざまあみろ)))
(Holy shit!!!!)
(でもそうだよな…1週間、会えない…)
(((………………)))
(校長だよ!ってなんでみんなキノコ栽培してるの?)