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そして休み最終日
怜奈は何故かまた8時過ぎに目を覚ました。
なぜ何故かと言うと昨日は目覚ましのセットを6時にしといたはずだったからだ。
昨日の夜もオールマイトが帰ってくる前に寝てしまい、早い時間に起きればオールマイトに会えると思ったからだったのだが、何故か目覚ましは6時に鳴らず、8時過ぎに鳴ったのだ
もしかしてセットをし間違えてしまったのだろうかと思わず肩を落とすが、いかんいかんと頭をふり今日の予定を思い浮かべながら気分を高揚させていく
そして昨日と同じく午前11時過ぎ
怜奈は一軒家の前にいた。
相変わらず立派なお家だなぁと思いながらチャイムを鳴らすとすぐさま扉が開き自分を迎え入れてくれる。
「こんにちは、勝己くん!」
「…おう」
昨日爆豪から電話がかかってきて話をしていた際に「今日ね、みっちゃんの家に行ってご飯食べたんだよ〜」とポロリとこぼした。
すると爆豪は「明日は俺の家来いよ」と間髪置かずに約束を取り付けたのだ
突然のお誘いに怜奈は首を傾げたがそう言えば彼の家もしばらく行ってないなぁ…と考え、特に用事もないので迷惑じゃなければ…と快諾した
爆豪は期限の良さそうな顔でいそいそと怜奈を招き入れると買い物袋を奪い取り冷蔵庫にほおり投げる勢いて詰め込みすぐに上に上がろうとした、がそれよりも先にある人物によって拒まれる。
「ちょっと勝己ィ!!独り占めしようたってそうはいかないわよ!!」
「うるっせえぞババア!!」
「誰がババアだコラァ!!!」
ドドドドドと言う音とともに現れたのは爆豪勝己の母である光己
相変わらずの若々しさと豪快さに目をぱちぱちとさせると、光己は怜奈の目の前に来て頬を両手で覆いうっとりしたように彼女を眺めたあとぎゅーっと抱きしめる。
「んむっ?」
「あああ〜!!可愛いいいいいっ!」
「クソが離せやババアーーー!!!」
会いたかった〜!と言いながらさらに力を込める光己に爆豪が怒鳴り散らすが慣れている彼女は右から左へと受け流す。
「ほんと会いたかったわ怜奈ちゃん!も〜ますます可愛くなっちゃって!!天使みたい!!」
「私も会いたかったです!光己さんもお綺麗なままですね!!」
「嬉しぃいいいいいいいいい!!!!」
「ババアーーーーー!!!」
数分してから体を離した光己に爆豪は怜奈の腕をつかもうとしたがスカッとその手は空ぶった。
は?視線を移せば自分の母が彼女の両肩に手を置き足取り軽くリビングへと進んでいた。
「さあ〜怜奈ちゃんはおばさんとお話しましょうね〜」
「ババア!!ふざけんなよ!!」
「うるさいわね勝己!!あんたの部屋なんかに行ったら怜奈ちゃんが可哀想でしょうが!!」
「んだとコラァ!!」
「あ、えと、勝己くん、今ご飯作るからね!」
「……おう」
「何その対応の差」
そして怜奈は光己にも座ってていいですからね、と言うと光己はにこにこと、爆豪は写真を撮りながら怜奈が料理するのを見ている。
すると別の部屋から爆豪の父である爆豪勝も現れ、怜奈が台所で料理をしている状況に眼鏡が割れた。(驚いた)
そして出来上がった料理は、爆豪が辛いものが好きという理由から麻婆豆腐だった。
「やだ、美味しそう!」
「辛さ足りなかったら調節してくださいね?」
「ん」
「嬉しいなぁ」
麻婆豆腐の他にも作られた料理に彼らは顔を輝かせる。それにクスリと笑をこぼし料理をみんなで運び、食べ始める。
「んんん〜!」
「美味しいよ!」
「うめぇ」
「よかったあ」
ぱくりと1口口に入れた時点で光己はさらに目を輝かせ、男性陣は美味しいと感想を漏らす。
爆豪はさらにパクパクと食べ進めているのに、辛さちょうど良かったのかな?と別で作っておいてよかったと安心する。
と言っても爆豪は怜奈の料理であれば基本何かを加えようとは初めから思っていない。
他の者が作った料理であれば問答無用で七味やら何やらを加えまくるが、彼女が出してくれた料理はそのまま食べたいと思ったからだった。
「私の料理には唐辛子かけまくるのにねぇ」
「うっせババア」
「ババア言うんじゃないわよ!」(スパァン)
「叩くなや!!!!」
「そう言えば怜奈ちゃん、体育祭お疲れ様!」
「そうね!凄かったわね〜優勝なんて!戦ってる姿凄い綺麗だったし!勝己ボッコボコにやられてたわよね」
「次は俺が勝つんだよ!!」
ご飯は食べ進みながらも再びギャーギャーと言い争う彼らに緑谷の家とは別の温かさがあるなと感じ、終始話っぱなしで食事を終えた。
爆豪は何度か部屋へと彼女と移動しようとしたがそうはさせないと言わんばかりに光己があの手この手で怜奈をリビングへと繋ぎとめたために、そろそろ帰ろうかという時間になっていた。
「わ、もうこんな時間?ごめんなさい光己さん、勝さん。私帰りますね」
「ええ、もう?泊まって言ったらいいのに…」
「こらこら、怜奈ちゃんにもやらなきゃいけない事があるんだろう?」
「……そうね……」
あからさまに落ち込む様子を見せる光己に怜奈は迷惑じゃなければまた来たいですと言えばもちろんよっと彼女も嬉しそうに言葉を返した。
「勝己いい!あんたちゃんと怜奈ちゃんのこと家まで送ってきなさいよ!!」
「ったりめェだろがクソが!!」
「別に大丈夫で…」
「「ダメよ/だ!!」」
間髪置かずに断言され爆豪が怜奈の手を引き玄関に行くと、光己と勝が二人揃って見送りをしてくれる
「……怜奈ちゃん」
「はい?」
「本当に、いつでも来ていいんだからね」
「、光己さん…」
「私、怜奈ちゃん大好きだもの。毎日でも会いたいわ」
「迷惑なんかじゃない。君はもっと甘えてもいいんだから」
「勝さん…」
2人がそう言ってくれるのに、爆豪も黙って靴を履いている。反論がないということは、彼もまた同じ思いを抱いているということ。
「…私、とっても幸せ者ですね。こんな風に言ってもらえるなんて…」
ありがとうございます。
そう心からの感謝を伝えれば光己はガバッと怜奈を抱きしめたのだった。
(はぁー怜奈ちゃんお嫁に来てくれないかしらねぇ…)
(そうだねぇ)
(頑張りなさいよ勝己!)
─────────
───
────────────
結局爆豪は家まで怜奈を送り(緑谷同様視線に気づいたため)お礼を言って部屋に入ると、掃除をしたり洗濯物を取り込んだりとあらかた家事を終えたところで今日の献立を脳内で考える
オールマイトも恐らく仕事が落ち着いてきた頃だろうし、何か彼の好きなものでも作ろうかなと洗濯物を畳んでいると外はもう黄昏に染まっていた
畳終わり、部屋に持っていこうと立ち上がった時ダイニングテーブルに置いたスマホが鳴る
着信を見るとオールマイトかららしく何かあったのかとスマホを手に取りすぐに電話を繋げる
「はい、怜奈です」
『怜奈、パーパだけど今どこにいる?』
「今はお家にいるよ?」
『そっか、よかった!急で申し訳ないんだけど、部屋に忘れ物をしてきてしまってね…もしよかったら学校まで持ってきてくれないかい?』
「わかった!すぐに持ってくね」
『ありがとう!』
その会話から数分後、制服に着替え忘れ物だという白い封筒を持ち、怜奈は校舎の中に入りオールマイトから言われた場所に足を進める。
一応学校だからと言う理由で制服を着てきたのだが、生徒は全く見当たらない。当たり前といえば当たり前なのだが、これなら着てこなくてもよかったかな?と苦笑した。
そしてオールマイトから指定された場所は職員室ではなく、何故か空き教室だった。
初め聞いた時は首を傾げたが、それよりも早く届けなければと早足になる。
そして辿り着き、1度ノックしてから声をかけると中からどうぞー!とオールマイトに言われるのでガラリと扉を開けた瞬間
パーンッ!
「わっ!?」
「「「体育祭優勝おめでとうーー!!」」」
軽快な破裂音と色取り取りの紙吹雪が舞い、怜奈の瞳が見開かれる。
中には笑顔でクラッカーを持ったオールマイト、相澤、ミッドナイト、13号、スナイプ、エクトプラズム、セメントスが居た
疑問符を浮かべ戸惑う怜奈の背をマイクが押しやり中へと招き入れる。
「Hey!!主役のご登場だぜ!!」
「こっこんな、私…」
「招待状持ってるだろ?」
「え?招待状なんて…」
「怜奈、それだそれ」
「あっ…」
スナイプにそう言われて手元を見ればオールマイトから届けてほしいと言われた白い封筒があり、ハッとオールマイトを見れば彼はパチリとウィンクを返した。
「すぐにお祝い出来なくてごめんね?」
「よく頑張ったな」
「お弁当すごい美味しかったですよ!」
「今日はpartyだぜーーー!」
「制服着てきたんだな…」
「真面目なのはいいことです!」
「勝者ニハ褒美ガ必須ダカラナ」
怜奈を見ながら言う彼らは、この為に仕事を急いで終わらせたのだという。
「他の奴らも来たがったんだけどな」
「今回は私たちってことで!」
「お祝いのプレゼント受け取っといたから!」
たくさんのパーティ料理、中央に置かれたケーキ、隅に置かれた包装と花束に唖然としているとオールマイトがぎゅっと怜奈の手を握った。
「パーパ……」
「ごめんよ怜奈、君に会ったら言ってしまいそうで避けてしまって…」
「あ、じゃあ目覚ましもパーパがセットし直したの…?」
「うっ…本当にすまない…」
「ちょっ、オールマイト……うら若き乙女の部屋に忍び込んだんすか?!」
「ちっちが!いや違わないけど!!しょうがなかったんだよ!!」
「この外道!!」
「平和の象徴!!!!」
「貶してないだろそれ」
マイク達がひっでぇ…と彼を避難するとオールマイトは夥しい量の冷や汗をかきながら許してくれ!と両手を合わせている
「まぁ貴方なら言いかねませんしね…」
「許してやってね怜奈」
「…ドウシタ?」
相澤がため息を吐きながら言えばミッドナイトも呆れながら怜奈にそう言うが、彼女は動かないのでどうしたのかとエクトプラズムが声をかけると
ポロっ……
「「「「?!!!!」」」」
「あ…」
ダイヤモンドの大きな瞳から、ぽろぽろと雫が溢れ出したのだ。
涙を零している本人はぽかんとしたまま流れ落ちるそれを静かに見つめる
まさかの事態に彼らは周りを慌てて取り囲んだ。
「どっどうしたの怜奈っ?!」
「ドコカ痛イノカ?!!」
「やっぱオールマイトに部屋に侵入されて嫌だったのか?!」
「そうなのかい?!それは大分ショックなんだけどな?!!」
「パーティ気に入らなかったか!?」
「欲しいものがあるなら今すぐ買いに行きますよ!!」
「怜奈さん…」
「あ、違っ違うの、私………」
「ゆっくりでいいぞ、どうした?」
相澤がふるふると首を振る怜奈の頭に手を乗せ、左右に優しく撫でると彼女はぐっと唇を引き結んでから手で目元を擦りぽつぽつと漏らす
「いつもいつも……こんなに、みんなにいっぱい、やってもらって……嬉しくて……でも私、なんにもお返し出来てないのに……こんな、いいのかなって、思って………」
はらはらと泣き濡れる怜奈に彼らは不安そうな表情から、一気に優しい表情へと変わる。
目を擦る彼女の手を相澤が優しくどかすと、オールマイトが怜奈、とその名を穏やかな声で呼ぶ。
そして優しく、彼女を広い腕に抱きしめた。ぽんぽんと小さい子にするように、背中を叩いて諭すように伝える。
「私たちはいつも、君の存在に救われているんだよ。」
「…でもっ………」
「君はいつも笑顔で、私たちを包んでくれる。その優しさにどれだけ私たちが救われているか、君はまだ分かっていないんだね…」
「…怜奈がいてくれるだけで俺は十分だよ」
「それに怜奈ちゃんはいつも俺達のこと気にかけてくれてるじゃねーか!」
「そうそう!誰よりもすぐに変化に気づいてくれますし」
「一つだけ言うなら、もっと我儘言ってほしいってことぐらいかしらね?」
「モット甘エルベキダナ」
「私たちがいますから」
「それに、これは俺達がしたくてしている事だ。見返りなんか気にしなくていい」
「君にとっての当たり前が私たちにとっては、かけがえのないものなんだよ」
だから、笑っておくれ?
そう言って笑う彼らに、目の縁に残った涙も気にせずに、怜奈は今見せれる最高の笑顔を送った
「…ありがとうみんな……大好きだよ」
その笑顔に全員が一時停止した後、がばあと勢いよく彼女に飛びついたのは言うまでもないだろう
「私も愛してるよおおおおお!!!」
「可愛いいいいい!!」
「I LOVE YOU!!!!」
(あ、我儘言ってもいい…?)
(なに?)
(写真、撮ろ?)こてんっ
(おい誰か一眼レフ)
(それは我儘じゃないよ……kawaii…)
(天使ですね)
(同意)
(今の写真撮れました)
(動画も)
(((((よこしやがれください)))))
Fin
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