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雄英体育祭
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《第2種目》 騎馬戦
まずは2人〜4人と自由にペアを組むところまでは普通のものと同じなのだが、違うのはここからだ。
先程の障害物競走での順位がポイントに換算されるのだ。
その鉢巻を見えるところに巻き、個性を使ってのポイントの奪い合い。
しかし全てポイントが奪われても関係なく、時間が許す限りそのまま種目には参加し続けることができる。
つまりこれは、下剋上式サバイバル
上のものほど狙われる確率はグンっと跳ね上がる。
「それじゃ、これより15分!チーム決めの交渉タイムスタートよ!!」
説明が終わると、チーム決めの時間が設けられる。
どうしようかと悩んでいると、いつの間にか囲まれていることに気づく。
辺りを見れば、そこにはA組の面々が揃っている。
爆豪と轟はほぼチームが完成している状態だった。
「怜奈、俺と組んでくれ」
「ざっけんなテメェ!怜奈、俺と組め!!」
彼らを含めチラチラと彼女に視線がむく。
怜奈の個性は死角が無い。
全方位に対応できなおかつ防御、攻撃…どれにおいても強力な個性と底の見えない戦闘力の高さを併せ持つ怜奈に、チーム戦において彼女以上にいてくれるほど心強い者はいないだろう。
だが本人はうーんと考えたあとごめんね?とそれらを断った
「なっ怜奈っ!何で……」
「怜奈……」
「うちらと一緒に組もうよ〜!!」
「私、2人やみんなには挑戦したいの。それに少し組みたい人がいて…ごめんなさい!」
苦笑しながら怜奈が両手を合わせ小走りでかけていく後ろで、騎手である爆豪と轟は悔しそうに唇を噛み締めた。
組みたい人がいるのは本当だが、もうひとつ理由があった。
恐らくこれはプロヒーローでもよくある連携を前提としたもの。
ヒーローともなればその場で初めて顔を合わせるヒーローともうまく連携を取らなければいけない。
短時間でどれだけ自分の個性を把握してもらい、また己も理解するか。
そのためにはよく知っている人物とではあまり意味が無い。
そう思い怜奈は彼らの誘いを断ったのだ。
それを見ていた相澤は流石だな…と感心したような眼差しを向けていた。
そして怜奈は目的の人物を見つけ後ろから声をかける。
「あ、いたっ!心操くん!」
「!…怜奈…?何で俺のとこに…」
声をかけられた心操のそばには尾白とB組の生徒がいた。
心無しか目が虚ろな2人に恐らく個性がかけられていると推測する。
一方で彼は、彼女ならば引く手数多だっただろうに、なぜ自分のところに来るのか疑問に思い、思わず口にする。
「まだ、メンバー募集してるっ?…私、あなたと組みたいの!」
「!!…俺と?」
「うん!」
「どうして……」
「前に言ったでしょう?私は心操くんの個性の凄さを、誰よりも近くで見てみたいの!」
「!!!」
「だから、私と組んでくれる…?」
"あなた次第だよ"
心操の中でそう言ってくれたあの日の光景と重なった。
怯えるでもなく、ただ純粋にこちらを見つめるキラキラと輝く瞳。
思わず笑ってしまえば、怜奈は不思議そうにこちらを見つめてくる。
「ははっ!そんなの、俺からお願いしたいくらいだよ。」
「!ほんとに?」
「うん、よろしくね」
─────────
そして試合は終わり、怜奈のいるチームは2位という結果で幕を下ろした。
あまり動かず周りを旋回していたので狙われることは少なく、狙われたとしても怜奈の力で難なく回避した。
それから最終に鉄哲チームに狙いを定めハチマキをとった時点で試合終了。
怜奈が前の種目で2位でいたことも含め、点数は高かったのだ。
結果を発表されたあと、怜奈は嬉しそうに心操を振り返った
「やったね心操くん!やっぱり凄い個性だ!」
「…怜奈、」
「ん?」
「……ありがとう」
「心操くん…?」
「初めて、あんなこと言われたから…嬉しかったんだ、俺…。」
初めて誰かに必要とされた。
一緒に戦ってほしいと言われた。
それがどれだけ自分の中で嬉しかったかは、今までの感情では測りきれないものだった。
ありがとう。ともう一度心操が言葉を紡げば、怜奈は目をぱちくりとさせていたが、すぐに笑みに変わった。
「あなたのおかげで、私は進むことができた。だから私も、ありがとう!」
そう言って差し出される手を握り合い、今度は2人で笑いあった。
1位 轟チーム
2位 心操チーム
3位 爆豪チーム
4位 緑谷チーム
この4チームで午後の最終種目へと進むことが決定したのだった。