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「「「オールマイトォォォォォ!!」」」
「待ったよヒーロー、社会のゴミめ。」
「相澤くん、13号…すまない。」
死柄木がオールマイトに向かって吐き捨てるが彼は入口で治療されている相澤達を見つめて声をかけると、入口から離れたところに避難していた緑谷たちのそばへと降りる。
その姿を映すと、怜奈も"
「皆入り口へ、早く。」
「ここは危ないから」
「え?!え?!あれ?!早え…!!」
唖然とした様子の峰田だが、その隣にいる緑谷は不安気な表情でオールマイトと怜奈を見つめる。
「みっちゃん。」
「緑谷少年。」
「「大丈夫/だよ」」
「っ!」
両者ともいつものように笑いながら言えば、緑谷は息を飲んだ。
「れ…神風少女、遅くなってすまない…。みんなを守ってくれてありがとう」
「ううん、私のことはいいの…それよりオールマイト、攻撃の軸はあの脳みそが出ている敵。パワーもスピードも対オールマイト用だと言っていた、加えて恐らく超再生と吸収の個性も持ってる。手をつけている敵は恐らく破壊の個性。その隣にいるのはワープの個性だと思う。」
「……なるほど。」
オールマイトに目の前の敵の情報を簡潔に伝えるとオールマイトは脳無の元へと走り二撃攻撃を入れる…が、脳無はダメージをおっている様子はなく、平然としていた。
「Mmm、やはり、ダメージが効いてないな。」
「効かないのは”ショック吸収”だからさ、脳無にダメージを与えるなら、ゆうっくり肉をえぐり取るとかが効果的だね。それをさせてくれるかは別として。」
「…神風少女が言った通りだな…わざわざサンキュー!そうゆうことなら、やりやすい!!」
死柄木の言葉にならっ!とオールマイトは脳無の胴回りを掴みバックドロップを決めた。
だが、バックドロップされた脳無は黒霧の能力によってオールマイトの腰あたりに作られたゲートから顔を出し、目の前にあるオールマイトの腰を鷲掴みにしている。腰に食い込んだ指先が血を滴らせ血溜まりを作る。
「オールマイト!!」
それを見た怜奈はオールマイトの元に駆け出そうと地面を蹴ると、その隣から緑谷も駆け出してきていた。
BOOOOOM!!!!!
その姿に怜奈が目を見開くと同時に響いたのは大きな爆発音で、こんな爆発を個性に持つのはクラスでも彼だけだと正面に視線を移すと。
「どっけ邪魔だ!!!」
「勝己くん!?」
「!怜奈か!!」
どこからか飛び出してきたのはやはり爆豪で、緑谷の方向に向かっていた黒霧を爆破し、怜奈の方に視線を向けてから首あたりの金具を掴んで押さえつける。
「よくも怜奈を飛ばしやがって…!!てめえが怪しい動きをしたと俺が判断したら、すぐ爆破する!」
彼の登場に思わず緑谷と共に足を止めるとまたその少し後ろからピキピキピキッと辺りが冷気を纏いオールマイトを避け凍り始める脳無とその地面。
「平和の象徴は、てめぇら如きに殺れねぇよ。」
「焦ちゃんまで……」
「怜奈っ!よかった、無事だったんだな…!」
さらに姿を見せた轟に名前を呼べば彼も爆豪同様怜奈に目を向け、安堵の表情を浮かべる。最後に死柄木に奇襲を仕掛けた切島はからぶってしまったが、轟・爆豪・切島…攻撃型の3人がこの場に集合した。
轟の個性に凍らせられた脳無の手が緩み、脱出したオールマイト
が、爆豪に押さえつけられている黒霧を見て死柄木は脳無に命令をだす
「脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入り口の奪還だ。」
地面から顔を出したままの脳無に指示をする死柄木。
しかし脳無は氷漬けにされているため本来なら動くことはまず不可能。
だが脳無はその指示どうりに無理やり体を動かし、その際ボロボロと崩れ落ちて行く体…ありえない行動に周りは目を見開く。
そして全員が唖然とする中抜け出した脳無は爆豪に向けて一直線に走り出す。
黒霧を脇に抱え脳無が腕を一振りした瞬間、砂埃とともに突風があたり一面を掠めた。
だが爆豪を襲ったのは、体を纏う風のみ。
驚きで目を開けば爆風から通り過ぎるダイヤ
「がハッ……ぐっァ…ッッ!!!!」
ガンッ!!ズササササッッ!!!!
「神風少女ッッ!!!」
「「「怜奈(ちゃん)!!!!!」」」
突き飛ばされたオールマイトと緑谷達が吹っ飛んだ怜奈を見て叫ぶ
吹っ飛ばされた怜奈は何度か地面に叩きつけられながらも宙で体制を立て直し、地面に手を突き立て数メートルほどの距離を経て何とか立て直す
"
ここでオールマイトが傷ついてしまえば、彼本来の力が出せなくなると思ったからだ。
オールマイトを突き飛ばし爆豪を放り投げるのが精一杯でろくなガードが出来ず、そのままお腹へともろに攻撃を喰らってしまった
個性の使いすぎにより変幻を維持することが出来ず、攻撃を受ける前に生身の身体に戻ってしまい打ち込まれた拳に何本か骨が折れたのだろう
膝をついて口から血を吹き出すと同時に強烈な眠気が彼女を襲う
「神風少女っ…!なんて事だ…!!」
「あぁ、ダメだよ怜奈。お前は連れて帰るんだから。」
「大丈夫か神風!!?」
「グッ……げほっ…!私は、あなたの思いどおりには、ならなっい……!!」
全員があまりに酷い彼女の状態に怒りに打ち震える中、怜奈が死柄木をダイヤモンドの視線で射貫きながら眠気を堪え言葉を発する度に咳き込み血がびちゃびちゃと地面に吐き出される。
「怜奈!喋ったらダメだ!!」
「テッ…ンメエエエエッッッ!!!!」
「っ怜奈ちゃんは渡さない!!!!」
あくまで怜奈を連れ帰る気の死柄木に、怒りを剥き出しに怜奈を庇うように横一列になった緑谷達。
それにいらだちを隠すことなく死柄木は溜息を吐き出す
「チッムカつくなぁ…怜奈を返せよクソガキ共。」
黒い靄の弱点がわかったことと、怜奈が傷付けられたのに緑谷達は加勢しようと意気込むが、それをオールマイトはおさえた。
プロの本気を見ろ、と。
いつもと違う彼の様子に緑谷達が息を呑むと死柄木が緑谷達に向かって、黒霧と脳無がオールマイトへと攻撃を仕掛けようとしてきた。
だがオールマイトが放つ怒りと気迫に死柄木にも悪寒が走った。またそれは緑谷達も同じで、その迫力に動けなくなる。
何も感じ取らない脳無だけがオールマイトに飛びかかり攻撃をする。
脳無と殴り合いをするオールマイト。
激しい攻撃のラッシュは脳無の体にダメージを与え続け、いつしか脳無の身体は吸収できる許容範囲を超え棒立ちの状態にまでなっていた。
「敵よ、こんな言葉は知っているか?!!」
───────
最後に振りかぶった拳は脳無の腹を打ち、USJの天井を突き抜けて場外へと飛ばしてしまった。
「だ………め…………」
しかしオールマイトの姿に、怜奈は立ち上がり痛みに顔を顰めながら唇を噛み締め轟達の制止を振り切り走り出す。
…砂埃に交じる白い靄………もう彼は、限界だ。
しかし立ち向かわなければと、オールマイトは身体を脳無が飛ばされた場所を見て唖然としている死柄木達に向けた
「さてと敵。お互い早めに決着つけたいね。」
「チートが…!!」
「どうした?来ないのかな?!クリアとかなんとか言ってたが…。出来るものならしてみろよ!!」
限界を超えているが虚勢を張るオールマイト。
それに気づいているのは、緑谷と怜奈のみ。
死柄木は悔しげに歯を食い縛るも黒霧が冷静にオールマイトの状態を確認して確かにダメージが出ていることに気づいてしまう。
「やるっきゃないぜ…目の前にラスボスがいるんだもん。それに、怜奈をまだ回収していない」
死柄木は黒霧と走り出し、攻撃を仕掛ける。
それを見た緑谷がワンフォーオールを発動させ、それによって足はぐにゃぐにゃと原型を留めてはいない。
「オールマイトから、離れろ!!」
緑谷が叫びながら死柄木の前へと飛び出せば、オールマイトに向けられていた死柄木の手が黒霧によってワープして緑谷の顔面に向かって手を伸ばす。
緑谷が目を見開き避けられない!と思ったその時、彼の耳へ鈴の声が掠める
「みっちゃん」
「え……?」
瞬間、緑谷の体が優しい風に包まれる。
怜奈は"
緑谷が目を見開き思わず手を伸ばすも必然的に近くなった死柄木との距離に彼がそのチャンスを逃すはずもなく
パシッ
「…怜奈、捕まえた。」
怜奈の手首が死柄木の4本の指に絡め取られた。
「怜奈ちゃん!!!!」
緑谷が叫ぶが、彼女は焦る様子もなく、笑った。
「大丈、夫、」
怜奈が黒い靄へと引きずり込まれそうになったその時
パァン!!!!!!
死柄木の腕に弾丸が打ち込まれた
「来たか!!」
「1-Aクラス委員長、飯田天哉!! ただいま戻りました!!!」
銃声と共に現れたのは、雄英高校教師陣・トップヒーロー達
「ごめんよ皆、遅くなったね。」
怜奈は気付いていたのだ、飯田がヒーロー達を引き連れてきたことを。
プロヒーロー達の登場により死柄木は黒霧の靄の中へと入って行こうとするが、再びスナイプの銃弾が四肢を貫く。
その痛みに死柄木は顔を歪ませるが、怜奈の腕は掴んだままギリリッと音が鳴るほどに握りしめられる。
「くそっが!でも、怜奈は連れて帰る!!」
「「「神風少女/怜奈(ちゃん)!!」」」
オールマイト、轟、爆豪、緑谷、切島が叫び、入口にいる生徒達や先生達も掴まれたままの怜奈に向かって叫んでいる。
マイクやミッドナイトなどは叫び個性を発動させながら走ってきていた。
その他の先生に支えられている13号も個性を発動して靄を吸い込まんとしている。
「死柄木!!神風少女を離せ!!!!」
オールマイトも動いたらマッスルが解けてしまいそうな所を、そんなことは関係ないと言わんばかりに怒りをあらわにし怜奈を取り返そうと手を伸ばす。
飲み込まれる、と思ったその時
「ウィ、ン、ディ………」
ブワッ……………!!!
「なっ……!!」
死柄木に掴まれていた手首から風が旋回し死柄木の手が弾かれた
「神風少女!!!」
「……ゲホッ……オール、マ…ト…だ、じょ、………ぶ…?」
「ああ、私は何ともないよ!!それより、君が……!!」
「よ、かっ………た………」
風によって自身の方へ飛んできた怜奈の体をオールマイトが横抱きにして受け止める。
血が滴る口元に傷だらけの腕
目は朦朧としていて肺にまで傷が達しているのか呼吸も浅い
体力も、もうとうに限界なのだろう
大事な娘のぼろぼろな姿にオールマイトは顔を顰めぎゅっと小さな体をさらに抱き込んだ。
奪われた怜奈を見て死柄木はギリギリと歯ぎしりを立てながら忌々しげに吐き捨てた。
「くそ…。今回は失敗だったけど、今度は殺すぞ、平和の象徴オールマイト。
そして次は、絶対に怜奈を俺のものにする!!必ずだ!!!」
その言葉を最後に、怜奈の意識はそこで途絶えた。