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USJ
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「すっげー!!USJかよ!!?」
バスから出て歩いた先、目の前に広がるのは、国立・雄英高校内の広大な敷地の中に建つ様々な災害現場の模型。
湖のようなもの、土砂崩れが起きたような場所、ずっと燃えている場所などその一つだけでも十分なひろさを持つそれは上げていけばキリがない。
「水難事故、土砂災害、火事…etc.あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場その名も…(U)ウソの(S)災害や(J)事故ルーム!!」
「「(USJだった!!?)」」
色々とネーミングがギリギリではあるが、今はそれよりもオールマイトがいないことについて気になってしまう。3人1組で見てくれるのでは…?と思っていると13号と相澤が小声で何か話しているのを見てこっそりと内容を聞けばオールマイトについて話しているようだ。
通勤時に制限ギリギリまで活動してしまったオールマイトは、今は仮眠室で休んでいるとのこと。
相澤の呆れたような台詞と根っからのヒーロー気質であるオールマイトらしい理由だなと思わず怜奈が苦笑すればどうした?と隣にいた障子が言うので何でもないっと慌てて誤魔化した。
「えー始める前にお小言を一つ二つ…三つ…四つ」
(((((((増える……)))))))
「皆さんご存知だとは思いますが、僕の個性は"ブラックホール"。どんなものでも、吸い込んでチリにしてしまいます」
「その個性でどんな災害からも人を救い上げるんですよね!」
お小言の数が気になるも、13号の言葉に反応して緑谷が少し興奮気味に答えるその隣で麗日も嬉しそうに激しく首を上下して同意を示している。
「ええ、しかし、簡単に人を殺せる力です」
内容は個性の危うさについてだった。
その場に糸が張ったようにピリリとした緊張に包まれる。
「みんなの中にもそういう個性がいるでしょう。超人社会は個性の使用を資格制にし、厳しく規制することで一見成り立っているように見えますが、しかし、1歩間違えば容易に人を殺せる行き過ぎた個性を個々が持っていることを忘れないでください。相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り。オールマイトの対人戦闘で、それを人に向ける危うさを体験したかと思います。この授業では心機一転!!人命のために個性をどう活用するかを学んでいきましょう!君たちの力は、人を傷つける為にあるわけではない。助けるためにあるのだと心得て帰ってくださいな!」
ご清聴ありがとうございました!という言葉で締めくくる彼にみんなから賞賛の声が上がる。
「(この力は、誰かを救うために使うんだ…)」
改めて怜奈が決意を固めるように両手を握ると、相澤が指示を出そうと口を開いた。
「そんじゃ、まずは…」
その瞬間感じる気配に怜奈は背筋を震わせる
これは…………………殺意……
ぞわりと嫌な汗が背中から流れ落ち、初めて触れる感覚に手足が僅かに震え出す
「っ消太先生!!!」
「怜奈…?………ッッ!!」
────────バッ!!!!
「ひと塊りになって動くな!!!」
「え?」
怜奈が相澤へと叫べば彼は彼女の様子に一瞬眉を寄せたが、すぐに自体を察知し生徒の前へと出る。
すると中央に設置されている噴水の前から黒い靄のようなものが広範囲に広がり、その中から大勢の人が出て来るのが見える。靄は更に辺り一面に広がり人の数は計り知れない。
「13号!!生徒を守れ!
あれは……………ヴィランだ…!!」
黒い靄から出るその者達は
"
相澤は素早く戦闘態勢に入り生徒達を庇うように前に出ながら13号へと指示を出す。そして彼はその姿を見つめながらゴーグルを装備する。
「13号に…イレイザーヘッドですか…。先日いただいた教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここにいるはずなのですが。」
「どこだよ…せっかくこんなに大衆引き連れて来たのにさ…。オールマイト、平和の象徴いないなんて…。
子供を殺せばくるのかな?」
"悪意"…今まで身に受けたことのない底を知らないそれらが卵達へと降り注いでくる。
「ヴィランンン!?馬鹿だろ!ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!!」
「先生、センサーはっ?!」
「もちろんありますが…!」
ヒーローの学校に入り込んで来た敵は侵入者用センサーを作動させることなく、校舎と離れた隔離空間に少人数が入る時間割を狙って来た
おそらく外部からの通信を消したやつがあの中にいる
ただの馬鹿ではない。何らかの目的、オールマイトを殺すという目的のもと考えられた奇襲
「13号避難開始、学校に連絡試せ!電波系の”個性”が妨害している可能性もある。上鳴、お前も”個性”で連絡試せ。」
「っス。」
「先生は?!一人で戦うんですか?!」
「一芸だけじゃヒーローは務まらん。」
「っ…せんせっ」
相澤の個性だと対複数は厳しいと声をあげた緑谷に、相澤が短く返答をする。彼は心配そうに顔を歪め声をあげた怜奈を視界に入れると彼女の言わんとしていることを理解しながらも首の捕縛武器を取り、階段の一番上から飛び降りた。
それに怜奈が唇を噛み締め、下では敵がそんな相澤を見て、この大人数に突っ込んでくることに「大間抜け」だと声を出して笑っていた。
が、その声は一瞬にして止む。
相澤を攻撃しようと発動された”個性”は、見事に相澤に消され、相澤の捕縛器によって気絶させられる。誰が個性を消されているかわからない状態は敵達の混乱を招きまた異形型でも彼の体術によって次々とやられていく。
その間に避難をしようと13号の指示の元動き始める生徒の前に現れたのは、個性”ワープゲート”を持つ黒霧。
「初めまして、我々は敵連合。僭越ながら…この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴オールマイトに、生き絶えて頂きたいと思ってのことでして。」
潜入した理由を丁寧な口調で語る黒い靄に全員が目を見開く。がその側でいつでも吸い込めるようにと13号が指先を開く。
しかしその前に爆豪と切島が攻撃を仕掛けようと軽率に飛び出してしまった。それに慌てて13号が吸い込まないようにキャップを閉めてしまう。
好都合だと黒い靄は姿を広げ、目の前にいる生徒を飲み込まんと迫ったその時
「"
─────ゴゥッ!!!
「「「!!」」」
「っ、これは……」
風を纏った鳥姿の女性によって一陣の風が吹き荒れ、靄は吹き飛ばされた
靄から逃がされた爆豪と切島、黒霧が何事かと目を向ければ、そこには先程の女性を横に従わせ、風をまとい凛とした表情で敵を見つめる怜奈がいた。
怜奈は風で爆豪達を引き寄せ靄を吹き飛ばしながら最悪に備えての指示を出した。
「みんな!身を低くして、1人で動いちゃダメ!必ず近くの人とペアになって!!飛ばされるとしたら恐らくそこに敵がいる!」
「っ怜奈ちゃん!!」
「おや、風ですか…私とでは相性が悪いですね…。そしてその思考能力…」
この状況下でそのような指示を出せるとはお見事です。と丁寧な口調で言う黒霧を警戒し怜奈が構えていると、
「っ!焦ちゃん!!」
「!!!」
黒い靄が轟の背後に迫っていることに気づき彼の腕を引っ張りその場からどかせば、代わりに怜奈が靄に包まれていく。
かかりましたね。という黒霧の言葉が聞こえた。
「「「「怜奈(ちゃん)/神風!!!」」」」
叫びながらこちらへと手を伸ばす轟やみんなの手は怜奈に届くことはなく、彼女は黒い靄へと引きずり込まれて行った。
「散らして、嬲り殺す」
最後に聞こえた黒霧の声に、させるものかと強い光をその瞳に宿した