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「校長先生、1年A組の神風 怜奈です。」
「どうぞ!」
「しっ失礼します…」
校長室の扉をノックして中からの返事をもらいゆっくりと開ければ、雄英高校 校長 根津がこちらに目を向けながらカチャカチャとお茶の準備をしていた。
「HRに呼び出して悪いね!さぁ、座って!」
「はっはい!」
が、やはり先に座るのは忍びないので根津が準備をし終え座るのを待ってから、怜奈も彼の目の前にあるソファへと座る
根津とはスカウト入学での試験と合否の発表以降初めてのコンタクトになる
彼がなぜ自分と話をしたいのかわからず疑問の表情を浮かべていると、それを察したらしい根津は軽く笑ってからまぁお茶でも飲んで話そうか!と怜奈にティーカップを差し出した。
有難くそれを受け取り一口口に含んで飲み込めば、思わず美味しい…と呟いたと同時に少しだけリラックスする。そんな怜奈の様子に根津はまた軽く笑った。
「そういうすぐ表情に出るところは、お父さんにそっくりだね!」
「!……父と、面識があるんですか?」
「もちろんさ!彼はここの卒業生、それに彼ほどの優秀なヒーローはなかなかいないからね!」
そのまま彼も紅茶を1口啜る
「君が彼の娘と知った時興味が湧いてね、それから君を調べるうちに、是非とも我が校へ進学させたいと思ったのさ!」
「そ、うだったんですか…」
「もちろんそれだけじゃなく、君の個性や能力に対する思考、柔軟性、頭脳もかっての事さ」
「…ありがとうございます」
「ただ、」
根津はティーカップを1度机の上に置き、動物特有のつぶらな瞳に虹色を移した
「君の力は、強大だ。それ故にきっと君は苦難するだろう。」
「!!」
「大きすぎる力は何かしらの対価を生み出すものさ。それはいつになるかわからないが、必ずその時は訪れる」
大きすぎる、力………
思わず下を向いて両手を握りしめる。
力に対する対価…そんな事考えたこともなかった…怜奈が思わず黙り込んでしまえば根津はまた明るい声で言った。
「だが、それをどうしたらいいのかと一緒に考えるのが私たちさ!」
「っ!!」
「君が成長するのを私たちは3年間しっかりとサポートをする。だから君は安心してここで学んでいけばいい!」
「校長先生…」
「ここの校訓はPlus ultra!君も雄英生なら乗り越えるなんて楽勝さ!」
恐らく彼は警告してくれたのだ。
それが動物の本能なのかはわからないが、怜奈の力は恐らく父を超える未知数のものだと根津は気づいたのかもしれない。
彼の思惑はわからない。それでも、その言葉は怜奈にとっては教訓とすべき言葉には変わりなかった。
「っはい!」
「さぁお茶が冷めてしまうよ」
「ほえっ」
それから根津とのティータイムを楽しみ教室へと戻った。
いい時間を過ごすことができた…と言う思いからか足取りはとても軽かった
教室につき結果を見れば、委員長は緑谷、副委員長は八百万に決定していた
「凄いね百ちゃん!おめでとう!」
「怜奈さん!ありがとうございます!大丈夫でしたか?」
「うん!一緒にお茶を飲ませてもらっただけだったから…」
「そうでしたか…ですが私、委員長は怜奈さんがいいと思ってましたのに…」
「ええっ?私はちょっと向いてないかなあ…私よりもみっちゃんの方が向いてると思うよ!」
なぜかプリプリとしている八百万を宥めつつ、授業の準備を始めるのだった
(みっちゃん委員長おめでとう!)
(ありがとう怜奈ちゃん!でもちょっと不安だな…)
(みっちゃんなら大丈夫だよ)
(うっうん!ありがとう!(天使))
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午前の通常授業が終わり、今は昼休み
女子たちの誘いを断り、怜奈は轟と一緒に屋上へと足を運んでいた。
一緒にいる理由としては昨日は一緒に帰れなかったから、ということで轟が怜奈を昼食に誘ったのだ。それに怜奈も気にしなくていいのに、とは言ったが一緒に食べることには賛成だったので食堂は人が多いから人気の少ない屋上をチョイスした。
「日差しが暖かいねぇ…」
「そうだな。」
ポカポカとした陽気にほっこりしながら怜奈がお弁当を広げると、轟もガサガサと袋からパンを取り出した。
お弁当は?と聞くと轟は姉さんが忙しくて弁当が作ってもらえなかったので購買で売っていたパンで済ます。と言った。まぁいつもは学食で済ますから恐らく滅多にないだろうとも言った。
「そうなの…じゃあ私のおかずと交換しよう!」
「いいのか?」
「うん!メロンパン1口ちょうだい?」
「いいぞ」
轟は目を少し輝かせながらいそいそと何食べたい?と差し出された怜奈のお弁当箱をのぞき込んだ。彼も怜奈の作った料理に胃袋を掴まされたうちの1人である。
「あ、お箸ないから…はい、焦ちゃんあーんして?」
「?!」
「焦ちゃん?」
躊躇なく自身の口元に伸ばされたそれに、顔には出さないが轟が内心動揺していると彼女はどうしたの?と言ってくるので少し固まってから大人しく口を開くと、アーモンドがまぶされた唐揚げが入れられた。
「美味しい?」
「………おう、美味い」
「よかったあ」
「…怜奈、これあんまり他の奴にするなよ」
「?」
「(絶対わかってないな)」
轟は相変わらず鈍感な彼女に内心でため息を吐いた。俺が見ててやればいいか…と自己完結して。
それから轟のパンも仲良く交換して、全て食べ終わりそろそろ教室に戻るかと立ち上がったその時
ウゥーーーーーーーーー!!!
けたたましい警報音が学校全体を包んだ
「っ警報か?!」
「!焦ちゃん!門が!!」
屋上からしたを見渡せば校門がマスコミに突破されているのが見えた。
「マスコミがどうやって…」
「!門が破壊されてる…」
「……そういう個性で突破したってことか…?ヴィランかよ」
崩れるように粉々に破壊された門。雄英が造ったセキュリティ万全の門があんなにも簡単に崩されるなんて…と怜奈は不審に思い、"
すると報道陣から離れたあたりに1人の男が立っているのが見える。
痩せた風貌で上下黒の服を身に纏ったその人物…しかし男は辺りを見回したあとすぐに黒い靄に包まれて姿を消してしまった。
唖然とその様子を見ていると怜奈!と隣から名前を呼ばれ、はっとそちらに顔を向ければ轟が心配そうにこちらを見ていた。
「どうした?具合でも悪いのか?」
「あ、ううん、何でもない!」
「そうか?…にしても、すげえ騒ぎになってんな」
「さっき見たら先生達が対処してるみたい…私達も教室に戻ろう?」
「そうだな。」
もやもやとする胸に、後で報告に行こうと考えながらその後教室に戻れば、「非常口飯田」というあだ名とともに委員長が飯田に変わっていた。
なっなぜに…?