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看護師が去って医師による診断を受けた後
マイクの捕縛を解き、全員があらためて椅子に腰を下ろした時相澤はこれは言うつもりはなかったが、と口を開く
「俺は本当は、怜奈がヒーローを目指すことは反対だった。」
「え……………?」
「っイレイザー!」
まっすぐと怜奈を見ながら放った言葉に怜奈は唖然としながら彼を見つめ返すのにマイクはそんな彼女を見て咎めるように声を上げたが、相澤はそれを無視して話す。
「それは俺だけじゃねぇ。少なからずここにいる3人も、望んではいなかったはずだ。」
その言葉にほかの3人を見れば、彼らは視線を彷徨わせる。
無言は肯定
「な、んで…?だって………体術だって、お兄ちゃん達にいっぱい教えて貰って……雄英高校に行きたいって言った時だって頑張れって………言ってくれたのに………」
「………お前には…怜奈には、危険な場所なんかには行かせたくない……っ安全な場所にいてほしかった…!」
「!!」
「あの日、先輩が亡くなって怜奈が1人になった時、俺はお前を守ると決めた………元を正せばあの人が死んだのは俺のせいだ。民間人を守って敵に攻撃されたのを、俺は一瞬の判断ミスを犯し救うことができなかった…すぐ、近くにいたのに………!!」
拳を握りしめ声を震わせる相澤はあの日からずっと後悔していた。
あの日の怜奈が否定しても、彼が死んだのは自分のせいだと、彼女の大切な…たった1人の家族を奪ってしまったと、彼は今までもずっとその後悔とともに過ごしてきてしまったかのかと怜奈は悲しさに顔を歪ませる。
「…USJの時、怜奈の姿が先輩と重なって見えた。このままお前まで消えてしまうんじゃないかと、柄にもなく恐怖したが…ヒーローになれば、命はいつだって危険にさらされる。
…っもう、あんな無茶はしないでくれ…俺なんかどうなってもいい。だが、お前は逃げてくれ。何がどうなっても何が起こっても、生きてくれ…!大切な人をもう、失いたくないんだ…!!」
怜奈の手を握り弱々しく訴えかける彼は確かに自分より大きいはずなのに、この場にいる誰よりも小さく見えた。
いつもの彼からは想像も出来ない位に、今回の事件はそれほど彼の心を揺るがせたのだろう。ほかの3人も何も言わない様子に、彼らも相澤と同意見なのだと理解する。
「お兄ちゃん…私はあの日のことは、誰のせいでもないって本当に思ってるんだよ?だから、もう責めないで………消太お兄ちゃん…パーパやマイクお兄ちゃん、央宙さんもみんな、私のことずっと守ってくれてたの、気づいてた…
そしてそれが、とても幸せなことで嬉しかったことも…私は1人じゃない、みんながいてくれるって…」
「怜奈……」
「………そんなみんなが望むのなら、私は本来ならヒーローにならないほうがいいのかもしれないね」
怜奈はその手を握り返し、もう相澤に過去を振り返って欲しくないと優しく微笑みながら言う。
今までそばにいてくれたみんなの思いを尊重した方がいいのかもしれないとさらに言葉を繋げる
だが同時に、自分の中の思いも告げる。
「…でもダメだよ消太お兄ちゃん。私は1人だけ安全な場所なんかにはいたくない。」
「「「「!!」」」」
「怜奈ちゃんっ!!」
「っ怜奈!俺はっ…」
相澤とマイクはその台詞に目を見開いて声を荒らげる。オールマイトと13号からは不安気な空気を感じ取る。
「わかってるよ、みんなが心配してくれてることも。でも、やっぱり出来ないよ…私だって、みんなが大切なの…必要なんだよ…?
大切な人が傷つけられるのを見て、何もせずにただ逃げられるほど私は大人じゃないの…」
「「「「!!!」」」」
彼らの姿を虹色が射抜く
「私は自分の護りたいものを護るためにヒーローになる。
パパが死んでしまった時の私は誰かに守ってもらわなければ生きていけなかった…でも今は、人を守ることもできるようになった。」
いつかの日の自分は、両親が死んでしまって悲しみに溺れていたのかもしれない。
けど今は、相澤達も言ったように誰かを助けるために力を使うことを覚えた。
「パパも言ってた…ヒーローっていうのは、護りたいものがあるから、ヒーロなんでしょう?
なら私はもう、そうあるべきなんだ。」
最後にそう言ってくしゃりと笑えば、目の前の彼らは一瞬目を丸くして吹き出した。
──────あぁ、そうだ。この子は真っ直ぐなんだ
誰よりも真っ直ぐで、純粋で、素直で、だからこそ美しく、そして強い
彼女の中にある1本の道は、決して曲がることなどないのだ。
オールマイトがふわりと怜奈の頭を撫でる。
「君は本当に、誠君によく似ている。己の信念を掲げ、絶対に曲げようとはしない。」
「怜奈ちゃんには敵ねぇぜ。」
マイクが苦笑しながら頭をガシガシと困ったようにかいた後にだが、とオールマイトは続ける。
「私達も、怜奈を護りたいんだよ。君は優しいから、きっと自分を犠牲にするだろう。でも私は、怜奈に傷ついて欲しくなんてない…
本当の親ではないけれど、彼に君を託されて一緒に生活をして、君がいてくれて私はこれ以上ないほど、怜奈という存在に助けられている。
私の中で君ほど大きな存在はないんだ
誰よりも愛している……だから私は、私達は…怜奈を守るよ。」
柔らかく微笑みながら言うオールマイトに、再び笑ってみせる。
「大丈夫、絶対大丈夫だよ」
窓から吹く風は、新しい時を運び出す
始まりと誓い、それらは動き出す
最高のヒーローの道へと
それから怜奈は無事に退院し、警察による事情聴取、校長からのお詫びと謝罪などに追われ、その日は過ぎていった
(本当に彼にそっくりだよ…)
(やっぱり、先輩の子っすね。)
(怜奈ちゃんは超スーパーガールだな!!)
(根っからのヒーローですね。)
Fin
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