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「じゃあ怜奈、いってきます」
「はーい、いってらっしゃい」
オールマイトを先に見送り戸締りなどをしてから家を出る。
マンションのエントランスを抜け外に出ると自分の少し前に特徴のある背格好を見つけたので走り寄り後ろから声をかける
「目蔵くんっ!おはよう」
「おはよう」
障子はこちらを振り返り挨拶を返すと走ったら危ないぞ。と注意を促す。その口振りは走ってきたことがわかっていたものだった。
「走ってたのバレちゃった!」
「誰かが走ってくるのには気づいていた」
「やっぱりわかっちゃうかぁ。目蔵くんの複製腕、戦闘訓練の時も凄かったもんね!」
腕もいっぱいあってかっこいい!と怜奈が興奮気味に伝えれば障子は目を丸くして驚いた様子を見せる
自分の個性は典型的な異形型のためほかの人と比べるとあまり人間っぽくはないと思うのだがどうやら彼女から見たらまた違うらしい。
「……怜奈は変わっているな」
「ほえ…?」
フッと笑いをこぼしながら障子がいえば怜奈はこてんっと首を傾げてしまう。今の会話のどこで自分は変わり者だと判断されたのかいまいちよくわからないのだろう。
聞いても彼はもうこの話は終わりだと言わんばかりにぽんぽんと怜奈の頭を数回撫でた。
「(まったく、心臓に悪い…)」
ほんのりと赤らんだ自分の顔に、マスクをしていてよかったと心底思う障子だった
それからしばらく2人で談笑しながら歩いていれば、前方に轟の姿が見えた。名前を呼べば彼はこちらを振り返って一瞬動きが止まった。
なんで、と言葉が出そうになるが轟は慌ててそれを飲み込んだ。だがその視線は何故か怜奈と一緒に歩いている障子に向けられたままで、その瞳には疑問と少しの不快感が見える。
それに気づいているのかいないのか、障子本人はまっすぐと轟を見ていた。
「焦ちゃん、おはよう!」
「…………おお、おはよう」
意識を障子から怜奈へと移せば彼女は嬉しそうに表情を緩ませる。その顔を見てしまうと轟の中にあった不快感は情けない音を立てながら萎んでいってしまう。
「…昨日は先に帰っちまって悪かったな。クソ親父が呼び出ししやがって…」
「うん、そうだろうなぁとは思ってたよ…」
「昨日もしかして1人で帰ったのか?」
「ううん、目蔵くんと一緒に帰ったの!」
家の方角が一緒だったんだよ!という彼女に今度はわかりやすく轟の眉間にきゅっと力が入る。
一緒に帰った。というワードもあれだが、名前で呼んでいるのも引っかかった。
ねーと怜奈が障子を振り返り同意を求めれば彼は女の一人歩きは危ないからな。と改めて肯定した。
「(チッ……クソ親父…………!!!)」
「どうしたの焦ちゃん?」
「いや、何でもねぇ。」
暫くは絶対に口をきかないと決めた轟は自分の父親に怒りを燃やした。
3人で高校の門前まで来ると、そこにはマスコミが殺到していた。
オールマイトが雄英高校の教員になったという報道から集まったマスコミ達だろう、登校してきた生徒達に手当たり次第に声をかけている。もはやここまで来ると訴えられるレベルだ
マスコミ嫌いな彼を思い出して確かにこれは嫌になるかも…と乾いた笑い漏らす
だがここを通らなければ校内にははいることが出来ない。ほかの所からは入ることはまず不可能、飛び越えようものならすぐさま防犯システムが作動することは目に見えている。
「どうしよう…」
「…怜奈は俺たちの影に隠れてろ。」
「でも……」
「怜奈は色んな意味で目立つ…お前一人ぐらいなら俺たちでカバー出来るから、掴まっていろ。」
「えっと、じゃあお言葉に甘えて…ごめんね」
「これぐらい気にすんな」
轟がマスコミをどこか鬱陶しそうな目で見ながら怜奈を背後に隠すようにすると、障子も怜奈を複製腕で隠すように覆う。
その行為に素直に甘えれば、それから2人の陰に隠れて何とか門を通過することができた。
「2人とも、ほんとにありがとう!通れてよかったぁ…」
「礼を言われるほどじゃない」
「ううん…2人がいなかったら私潰されちゃってたよきっと…」
潰される所を想像して顔を青ざめさせる怜奈に、2人は大袈裟だなと小さく笑った。
「ぁあああああー!!!!!轟お前っ!!!しかも障子まで!!?神風と登校してきたのかよっ?!!」
「怜奈ちゃんおはよー!」
「おはよう三奈ちゃんっ」
教室に入った途端に峰田は登校してきた3人を見つけて叫び出す
それに障子はサッと怜奈を峰田の視界から遮り、轟は芦戸に手を振る怜奈のもう片方の手を引きさっさと自分の席へと行ってしまうという見事な連携プレーだ。
オイラだって美少女と登校してぇ!轟もさりげなく手ぇ繋ぎやがって!と峰田はぽかぽかと障子に八つ当たりをしている。
それを見て大丈夫かな…と思いながらも轟に手を引かれながら挨拶をしてくる人におはようと返して怜奈は自分の席に座る
「怜奈さん!おはようございます!」
「百ちゃんおはよう」
挨拶をしてくれた八百万に笑いながら挨拶を返し筆記用具などを鞄から取り出し机の中にしまっていると何やら八百万がもじもじとしながら怜奈を伺うので、手を止めてからどうしたの?と声をかける
「登校してきたばかりで申し訳ないのですが、怜奈さん携帯はお持ちですか?昨日は触っているのをお見かけしなかったので…」
「持ってるよ~」
「本当ですか?!なっなら是非とも私と連絡先を交換して下さいませんか…?」
「やったあ!しようしよう!」
「あっありがとうございます!」
すると八百万はいそいそとスマホを取り出し操作をする。聞くと怜奈が携帯を触っていなかったため、もしかして持っていないのではと思い言い出せなかったという。確かに昨日の時点では取り出すことすらしなかったからなぁと改めて記憶を辿る
それから操作方法をレクチャーしてもらい、私も俺もとスマホ片手によってくる人達と交換し、女子とはLINYでグループを作った
「クラスでもグループ作ろうよ!」
「おっし、じゃあ俺作るわ!」
「爆豪もはいれよ!」
「あ"ぁ"?んなもん」
「勝己くんも入ってくれる?」
「あたりめぇだろうが」
「「「(爆豪ちょろっっっ!!)」」」
「焦ちゃんも入ろう?」
「おう」
連絡先をあらかた交換し終えると予鈴がなると同時に相澤が教室に入ってきたのでクラスは一気に静かになる。挨拶もそこそこに彼はすぐに本題に入る
「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった」
成績表であろう紙の束を置き、相澤は爆豪へと話を向ける。
「爆豪、お前もうガキみてえな真似するな。能力あるんだから」
「…わかってる」
「緑谷はまた腕ぶっ壊して一件落着か。個性の制御…いつまでも"出来ないから仕方ない"じゃ通さねぇぞ。俺は同じことを言うのが嫌いだ。それされクリアすれば出来ることは多い、焦れよ緑谷」
「っはい!」
2人の名指しでの講評が終わると、相澤は本題はここからだ、と話を切り替える。
「HRの本題…急で悪いが今日君らに…」
そこで切られた言葉にざわっと教室内がザワつく。数人は不安に駆られてるようだで、それは彼の初日の行動によるものだが、まぁ無理もないだろう。
緊張感が漂う中、相澤は少しの間間を開けて口を開いた。
「学級委員長をきめてもらう!」
「「「学校っぽいの来たー!!」」」
先程までの不安と緊張感は消え去り、皆一様に立ち上がりその役割に立候補をしだした
普通科であるならば仕事の多いただめんどくさいだけの役割だが、ヒーロー科の生徒にとっては重要なものである。
ヒーローを志すクラスの代表になることが出来、またそれらを引率していくことになる。加えてこのクラスはそういったことに対する意欲が強い者達が多いためそうなるのも無理はない。
「委員長!!やりたいですそれ俺!!」
「ウチもやりたいっす」
「おいらのマニュフェストは女子全員膝上30センチ!!」
「リーダー!やるやるー!!」
とは言ってもこう何人もがただ騒いで立候補するだけという収集のつかないこの状況に飯田が声をかけた。
「多を牽引する責任重大な仕事だぞ!やりたい者がやれるものではないだろう!!周囲からの信頼あってこそ勤まる聖務…!民主主義に則りそのリーダーをみんなで決めると言うなら…これは投票で決めるべき議案!!」
「そびえ立ってんじゃねーか!何故発案した!!」
長々しい前置きを置きながらもビシィッと手を立たせている彼もまた委員長になりたいのだろう。直立不動のその姿勢にはなりたいという思いが隠しきれてはいなかった。
が、このままでもどうせ決まらないし…と結局そのまま飯田の提案通り投票制でやることとなった。
「あぁ、そういえば怜奈。校長が呼んでいたぞ」
「え?」
「言うのが遅くなって悪いな…そういうことでお前ら、悪いが怜奈抜きで投票を行ってくれ。」
委員長など人の上に立つことに関しては向いていないと思っていたので投票についてはなんの問題もない、という怜奈の考えを理解しているので相澤は彼女抜きの投票をしろと言ってくれたのだろう
それよりも校長が自分を呼んでいる、ということに対して怜奈は疑問に思った。
相澤がちょいちょいと手招きをするのに従って、彼と1度廊下に出る
怜奈が不安そうにしているのがわかった相澤は軽く頭を撫でる。
「私、何かしちゃったのかな…?」
「あの人はただお前と話がしたいだけさ。そう不安そうな顔するな。」
「ほんとう…?」
「あぁ、一人で行けるか?」
「うん」
「そうか、遅れてもいいからな。先生には俺から言っておく。」
「いってきます」
相澤は怜奈が校長室へと行くのを見届けて教室へと戻った。
「怜奈ちゃん、大丈夫かな…」
「ケロ…ええ、心配だわ…」
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