MHA中心
個性把握テスト〜戦闘訓練
名前変換
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「勝己、くん…………?」
「怜奈………か?」
開け放たれたドアには幼馴染だった爆豪勝己がいた
あの事件以来、彼とはあってはいなかった
小さい頃よりもずっと背は伸び声も全然違う
でもあの頃の面影は残ったままの彼を見間違えるはずもなく、また彼も怜奈を見間違えるはずがなかった
記憶の中で最後まで笑っていた少女はさらに美しく成長していた
両者驚きで動けずにいたが先に動いたのは彼女の方だった
ガタリと椅子から立ち上がり後ろの扉の前にいる彼の胸に飛び込んだ
彼は慌てて彼女を抱きとめるが鍛え上げられた体は数歩後に下がっただけだった
「勝己くん!本物の勝己くんだ!」
「お前は…危ねぇだろ!転けたらどうすんだよ」
「勝己くんだから、大丈夫かなって」
「…おう。」
「ほんとに久しぶり…会いたかった…」
あれからあの土地には足を踏み入れてはいないので、合わなかったのも当然
緑谷に会えたこと自体、奇跡に近かったのだ
それがまた、もう1人の幼馴染に再会することができるなど、誰が予測できただろうか
2人を忘れたことなど、1日もなかった。それは向こうも同じで、彼らもまたずっと怜奈を想っていた
そんな再会を果たした2人は表情から嬉しさが隠せていない
特に爆豪は付属品であるはずの眉間のシワが消え失せ、これ以上ないほどに穏やかな顔で彼女と会話をしている(出久がこれを見たら失神するのではないかというレベルだ)
すると周りの視線に気付いたらしい彼は彼女から視線を逸らし
「何見てんだぁ"あ"?見せもんじゃねぇぞモブ共がッッ!!!シネ!!!怜奈をジロジロ見んじゃねぇ! 」
「「(別人かよ!!!!!)」」
目を釣り上げドスの効いた声で周囲に一括する彼はやはりあの優しさは相も変わらず彼女だけだと改めて認識させられる
勝己くん?と彼女が名前を呼べば彼は怜奈の頭を一撫でし、
また後で連絡先を聞くと言うので喜んで返事をすれば満足そうに自分の席へと座りに行った
思わぬ再会を果たし上機嫌で席へと戻れば何故か轟が眉間にシワを寄せこちらを見つめていた
首を傾げてどうしたの?と問いかければあいつは誰だと聞かれる
「あいつ?かつ…爆豪くんのこと?」
「爆豪って言うのか…怜奈とどんな関係なんだ?」
「勝己くんはね、幼馴染なんだよ!あっもう1人いるんだけどね」
「もう1人も男か?」
「?うん」
「……………」
今度は頭を抱える轟の頭をよしよしと撫でる
すると彼はピタリと固まったあと大人しく撫でられる
「どうしたの?」
「いや、もう何でもねぇ」
「?そう?」
「(くっ……羨ましいですわ…!!!!)ギリィ」
「も、百ちゃんハンカチ咥えてどうしたの?」
「なんれもありまへんわ…!!」
爆豪は今は何やら眼鏡をかけた男子とギャーギャーと騒いでいるのが見える
相変わらずだなぁと思わずまた笑ってしまう
「コホン…怜奈さん、彼とはさっき久しぶりだと仰っていましたが…」
「あ、うん!小学校の高学年の時にね、私が引っ越すことになって……」
その時ピクリと轟が反応し彼女を気遣うかのように目を向けた
それに気付いた怜奈はにこりと彼に笑いかけ頭を撫でていた手を離した
「まぁ、そうだったんですの…」
「だからね、久々に会えて嬉しくなっちゃった!」
「よかったですわね」
「うん!」
花が咲いたように笑う怜奈に今度は八百万が机に突っ伏した
「Angel……」
「百ちゃんとっても発音がいいね!でもなんで天使さん…?」
「(分かるぞ、八百万)」
彼女の様子に心中を察して初めて共感した轟だった