番外編

今日は土曜日!
課題はやりません!
…あとでちゃんと時間作ってやります
…やるよ?
ほんとほんと


麗奈と待ち合わせしてるおっきい駅に向かう。
普段は麗奈んちに私が迎えに行くけど今日は待ち合わせ。
付き合う前の頃のデートみたいで楽しい。


集合場所に着きスマホをいじりながらしばらく待っていると

「お待たせ〜」

麗奈が小走りでやってきた。
急いでたのか前髪が乱れちゃってるけどそんなところも可愛い。


「待ってないよ〜。麗奈、前髪」


ん、と目を瞑った麗奈の前髪を直してあげる


「はい、できた」

「ありがとっ♡可愛い?」

「可愛い!」


可愛いに決まっている。

特に何をするかは決まってなくて、麗奈のリクエストで家具屋さんに行くことになった。
キッチンワゴンが欲しいらしい。


電車で移動をするためホームに向かう。

「麗奈は何してたの?」
「市役所の出張所で手続きしてたの」
「お〜」

なんか分かんないけど大人だ。


電車に乗ると、1席だけ空いていたから麗奈を座らせて、目の前に立つ。
電車に乗ってる間は2人でニヤニヤしながらLINEをしていた。
麗奈が実家で飼ってる犬の変な顔の写真を送ってくるんだもん。
あれは絶対に笑いを堪える私を見て楽しんでた。
そんなところも好きなんだから困ったものだ。


お店に着いて2人で回る。
モデルルームみたいになってるところがあって、すごく楽しい。
麗奈もキラキラした目でとっても楽しそう。

お目当てのものも見つかったみたい。

しばらく各々が見たいところを見ることになった。


私が1番足を引き止められた場所があった。

「かわいい…」

たくさんのぬいぐるみが集まっているコーナーがあった。

なんだここは、楽園か?
そんなに高くないしめっちゃ欲しいんだけど


「てーんちゃん」

麗奈が横から覗き込む。

「れな」

「何見てるの?」

「ぬいぐるみ!めっっちゃ可愛い!」

「欲しいの?」


案の定麗奈に見抜かれる。


「ちょっとだけ」

「運命感じた?」


運命?
分かんなくて首を傾げる。


「ぬいぐるみさんはね、とっても可愛いから運命を感じた子だけにしないとおうちが大変なことになっちゃうんだよ」

「うん」


ちゃんと考えなさいってことだよね。


「でもね、麗奈もぬいぐるみ好きなんだ〜。天ちゃんの気持ち分かるよ。実家の麗奈の部屋すごいよ」

「じゃあ今の麗奈の家にいる子はお気に入りの子たちなんだ」


そう!と麗奈はにこっと笑った。
うん、可愛い。


会計を済ませて、私が配送の手続きをする。
「天ちゃん書いて♡」なんて頼まれてしまったからね。

隣で見てるなら自分で書いてもいいのに、とも思うけど。
麗奈に頼られると嬉しい方が勝ってしまう。

麗奈の家の住所を何も見ずにサラサラと書いていると


「天ちゃんもう麗奈の家の住所覚えちゃったの?」

「うん、覚えやすいから」

「ふーん、そっかそっかー」


麗奈がなぜだかとってもご機嫌だ。
なんでだ?


「麗奈ね」

「うん?」

「天ちゃんの真剣な顔好きなんだ」

「ほんと!?嬉しい!」

「かっこいいから…あと珍しいからかも♡」


麗奈に褒められて嬉しい!!


「100枚くらい書いちゃう!」

「も〜そんなにいらないよ〜」


お調子者さん♡って肩をツンってされちゃった。


へへ


配送手続きを終わらせてお店を後にする。

「ん」と手を差し出すと、麗奈は恋人繋ぎで握り返してくれた。


「麗奈、楽しかったねぇ」

「うんっ、今日は泊まってく?」

「いいの?」

「もちろん〜」

「やったぁ!一回うち帰ってかられなんちいくー」


ゆっくりでいいよ〜と麗奈はいつも優しい。


「…本当に楽しかったなぁ」

麗奈がぼそっと呟いた。


「天ちゃん、いつかさ」


「うん」と麗奈の横顔を覗き込むと
あんまりにも綺麗な横顔でドキッとした。


「いつか一緒に暮らせたらいいね」


…それは、麗奈と毎日一緒にいれるってことだよな?

そんなの…幸せに決まってるじゃんか

「麗奈ちゃんそんなのさ…」

私は麗奈の両肩を掴む。
少し驚いた表情。

「天ちゃんも麗奈と一緒に住みたい!!」 


麗奈はどこか安心したような嬉しそうな笑顔になった。


「ふふ、今はお勉強頑張るんだよ〜」


麗奈は私のほっぺたをむにむにしながらそう言った。

「れなのおうちで課題やっていいからね?」と全部見透かされてたみたい…

それでも麗奈がいると何でも頑張れちゃう!
まずは課題をやっつける!!
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