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ピーマン

●オマケ●


電話の呼び出し音が鳴る。
胸がドキドキしてるのは、学食から走ったからかな?
数コールで聞こえた「おん?」と不機嫌そうな御堂筋くんの声に心臓が跳び跳ね、僕は一瞬戸惑ってから、言いたいことをきちんと纏める前に喋り始めてしまった。
「御堂筋くん、あのね!僕ピーマン嫌いなんだけど、ピーマン食べたら御堂筋くんに電話できる気がして、頑張って食べたから電話したよ!」
我ながら意味不明だと思う。
電話の向こうから「ハァァァァア?」という御堂筋くんの声が聞こえたから、御堂筋くんも同意見だと思う。
「ごめんね」と思わず謝ろうとすると、御堂筋くんの不機嫌そうな声が聞こえた。

「ほな、近々ピーマンぎょうさん送りつけるよ」

嫌いって言ったのにな。
やっぱり僕の事、嫌いなんだな。
僕はしゅんとして「う…うん」と力なく返事した。
続くのは「嫌いなピーマン毎日食えばえぇやないの」というキツイ言葉だったけど、聞きたかった声には違いなかった。

「じゃあ…ピーマン食べたら、また電話してもいいかな?」

僕の質問への答えは、しばらく経ってから返ってきた。

「…そやね」

僕は嬉しくなって「僕、ピーマン好きになりそうだよ」と言うと、悲鳴にも聞こえる御堂筋くんの声の後「用事はそれだけェ?だったら切るわ!」と電話を切られてしまった。

…やっぱり嫌われてるのかな?



END
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