おとぎ話
二人掛けというソファだが、御堂筋が寝転べば体が余る。
その御堂筋の上に坂道が寝転ぶから、二人で使えるソファであることには違いない。
坂道は、御堂筋の顔を見上げて尋ねた。
「御堂筋くんの目は、どうしてそんなに大きいの?」
「ファ?サカミチのがデカイやろ?」
突然の問いに、御堂筋は質問を返す。
坂道は少しムッとしてから、御堂筋に言う。
「違うー!僕を見るため…でしょ?」
「そ…そやね」
御堂筋は、突然かつ勝手に始まったその遊びに付き合う様に返事をすると、坂道は満足そうな表情を浮かべて質問を続けた。
「御堂筋くんの腕は、どうしてそんなに長いの?」
「サカミチを…抱き締めるため?」
正解を探るように御堂筋が言い、その長い腕で抱き締めれば、また坂道は満足そうな笑顔を見せる。
「御堂筋くんの舌は、どうしてそんなに長いの?」
「サカミチを…悦くするため?」
その答えに坂道は顔を真っ赤にして突っ伏し、御堂筋の胸を叩くから、どうやら答えを誤ったらしい。
「正解なんやの?」
御堂筋は困って坂道に聞くが、聞いた本人の坂道の方も正解を考えいなかったから、即答出来ずに悩んでから言う。
「えっと…あ、嘘吐いたから?」
「違う話やないか…それにそれ鼻やろ」
御堂筋は呆れたように言うが、坂道は笑って言った。
「御堂筋くん、僕のこと好き?」
御堂筋はドキリとして、坂道の期待に満ちた視線から逃れる様に目をそらす。
「ファー!キライや!」
わざとらしく舌を出して、天を仰ぎなから言う御堂筋。
「舌伸びちゃうからね!」
坂道は、またムッとして言うが、こういう事は御堂筋の方が上手。
「サカミチを悦くするための努力ですぅ」
そう御堂筋が言えば、坂道は真っ赤になって返す言葉を見失う。
御堂筋は満足そうな顔をして、真っ赤になる坂道の唇に長い舌を伸ばせば、坂道は薄く唇を開いてその舌を受けいれる。
長く、深い口付けの後、解放された口で乱れた呼吸を整えようとする坂道が涙目になって言った。
「舌より、好きって言ってもらえる方が悦くなるよ?」
余裕だった御堂筋の顔が火を吹くように紅潮し、御堂筋は参ったとばかりにまた天を仰ぐ。
そして、紅潮した顔を隠すように顔を塞いだ両手の隙間から力無い声で呟いた。
「努力…します」
狭いソファの上で綴られる物語は、また別のお話。
END
その御堂筋の上に坂道が寝転ぶから、二人で使えるソファであることには違いない。
坂道は、御堂筋の顔を見上げて尋ねた。
「御堂筋くんの目は、どうしてそんなに大きいの?」
「ファ?サカミチのがデカイやろ?」
突然の問いに、御堂筋は質問を返す。
坂道は少しムッとしてから、御堂筋に言う。
「違うー!僕を見るため…でしょ?」
「そ…そやね」
御堂筋は、突然かつ勝手に始まったその遊びに付き合う様に返事をすると、坂道は満足そうな表情を浮かべて質問を続けた。
「御堂筋くんの腕は、どうしてそんなに長いの?」
「サカミチを…抱き締めるため?」
正解を探るように御堂筋が言い、その長い腕で抱き締めれば、また坂道は満足そうな笑顔を見せる。
「御堂筋くんの舌は、どうしてそんなに長いの?」
「サカミチを…悦くするため?」
その答えに坂道は顔を真っ赤にして突っ伏し、御堂筋の胸を叩くから、どうやら答えを誤ったらしい。
「正解なんやの?」
御堂筋は困って坂道に聞くが、聞いた本人の坂道の方も正解を考えいなかったから、即答出来ずに悩んでから言う。
「えっと…あ、嘘吐いたから?」
「違う話やないか…それにそれ鼻やろ」
御堂筋は呆れたように言うが、坂道は笑って言った。
「御堂筋くん、僕のこと好き?」
御堂筋はドキリとして、坂道の期待に満ちた視線から逃れる様に目をそらす。
「ファー!キライや!」
わざとらしく舌を出して、天を仰ぎなから言う御堂筋。
「舌伸びちゃうからね!」
坂道は、またムッとして言うが、こういう事は御堂筋の方が上手。
「サカミチを悦くするための努力ですぅ」
そう御堂筋が言えば、坂道は真っ赤になって返す言葉を見失う。
御堂筋は満足そうな顔をして、真っ赤になる坂道の唇に長い舌を伸ばせば、坂道は薄く唇を開いてその舌を受けいれる。
長く、深い口付けの後、解放された口で乱れた呼吸を整えようとする坂道が涙目になって言った。
「舌より、好きって言ってもらえる方が悦くなるよ?」
余裕だった御堂筋の顔が火を吹くように紅潮し、御堂筋は参ったとばかりにまた天を仰ぐ。
そして、紅潮した顔を隠すように顔を塞いだ両手の隙間から力無い声で呟いた。
「努力…します」
狭いソファの上で綴られる物語は、また別のお話。
END
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