secret smell
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それから私たちは
隙を見つけては2人の時間を作った。
これまで味わったことのない
恋人同士の甘い時間。
私に触れるサンジくんの手は、いつも優しかった。
仲間たちには秘密の愛を育んだ。
「巨大タコだ〜!!」
「やったなルフィ!!」
「チョッパー、サンジ呼んでこい!
タコ焼きパーティーだ!!」
「タコ焼きパーティー!?いいな!それ!」
ある昼下がり。
釣りをしていたルフィ、ウソップ、チョッパーの
騒ぐ声が聞こえる。
私はアクアリウムバーで本を読んでいた。
タタタタッと足音が近付いてきたかと思えば
勢いよくドアが開いてチョッパーが現れた。
「サンジ!タコ焼きパーティーだ!!」
サンジくんを呼びに来たようだけど
今ここには私しかいない。
「サンジくんなら、食材の本を探しに
男部屋へ行ったよ?」
「そうなのか!?おかしいな。
おれ、タバコの匂い追ってきたはずなのに。」
首を傾げながら近付いてきたチョッパーは
私のすぐ隣で止まる。
「…ミドリ、タバコ吸い始めたのか?」
「え?吸ってないけど…」
「ミドリからサンジのタバコの匂いがする。」
言いながら私の周りをウロウロして
鼻をクンクンと動かしている。
ドキッとした。
ついさっきまで私は、サンジくんと2人だった。
「まァいいや!ミドリも来いよ!
タコが釣れたんだ!パーティーだぞ!!」
「うん!行く!」
そういえば小腹が空いた。
チョッパーに連れられて甲板へ出ると
サンジくんをはじめ
騒ぎを聞きつけたクルーの皆が集まっていた。
と、チョッパーが小走りでサンジくんに近付き
隣でまたクンクンと鼻を動かす。
「やっぱり!」
「なんだ?どうした?チョッパー。」
嫌な予感がする。
やめて、チョッパー。
「ミドリから
サンジと同じタバコの匂いがするんだ!」
言った瞬間、皆がシーンとなる。
何か、何か言い訳を……
「まぁサンジは
色々な料理やスパイスの匂いも混ざってるし
ミドリはシャンプーのいい匂いが混ざってるから
よく嗅げば違いはわかるな!」
チョッパーはひとり、頷いて納得していた。
「なんだよチョッパー、知らなかったのか?」
そこへ大きなタコを担いだルフィが割って入る。
「サンジとミドリは恋人同士なんだぞ。」
「「「!!!」」」
「だからサンジの匂いが移ったんだろ。」
ししししと笑いながらルフィが言ってのけると
再び、全員が無言になる。
「コイビト?」
「あ、でもこれ知らないフリするんだった。」
「ルフィ〜!!」
「悪ィナミ。言っちまった。」
……つまり
皆私たちの関係を知っていたわけで
隠し切れていると思っている私に気を使い
気付いていないフリをしてくれていたそう。
「ごめんねミドリ。
あんたが恥ずかしがるかと思って。」
「い、いいのいいの!確かに恥ずかしいけど……
今まで気を使わせてしまってごめんね?」
サンジくんが隣にきて
私の肩を抱くように手を置く。
「おうおう!と、いうわけだお前ェら!
ミドリちゃんはおれのモノだからな。
変な目で見るんじゃねェぞ。」
「よかったなァ!青春じゃねェかお前ェら!」
「ヨホホホ。サンジさん羨ましいです、ほんと。」
「まァ、あんなあからさまに
ミドリの顔が赤くなったりしてたら
気付かない方がおかしいけどな!」
「え?私、赤くなってた!?」
「んなことどうでもいいから
サンジ!早くタコ焼き!」
「どうでもいいとは何だ!!」
「なんだうるせェな…朝か?」
「おやつの時間よ。」
こうして、クルーの皆には内緒で始まった
私たちの関係は公認となり
甲板でタコ焼きパーティーをしながら
改めて皆から祝福をされた。
この日からサンジくんは
ところ構わず手を繋いだりしてくるようになり
ウソップやブルックから
このバカップル、と怒られる毎日がはじまる。
…fin