最終章 〜別れとはじまり〜
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「私、ひとりになっちゃいました……」
少しして落ち着く頃、そっと体を離すと
ミドリがポツリと呟くように話し始める。
「ひとりって寂しいです。マルコさんも…ずっとこんな気持ちだったんですね……」
「……お前はひとりじゃねェよい。」
「え……?」
「俺がいるだろ。」
覚悟は決めた。
ミドリとともに生きていく、と。
顔を覗き込むと
ミドリはまた泣き出しそうな表情をしていた。
「もう…嘘の恋人は終わりにしたじゃないですか。」
「そうだ。だから、本物にすればいい。」
ミドリの両頬を掌で包んで
そのまま唇を重ねた。
柄にもなく手が震え
ミドリの柔らかいそこの感触に
全身が熱くなった。
「俺を…幸せにしてくれるんだろう?」
両手が濡れた。
ミドリがまた泣いている。
「失うのが怖いとか、格好悪いこと言っちまったが…今は失うことよりも、お前のそばにいることを考えることにした。」
「私の……」
「そばにいてほしいんだよい。」
俺の正直な気持ちだ。
もう迷いはない。
自分の気持ちを抑える気もない。
ただ好きなやつのそばにいたい。
ミドリの手が、俺の手に重なり
視線と視線が真っ直ぐに交わる。
「マルコさんは私をひとりにしない?私を残して…死んだりしない?」
その手もまた、震えていた。
「……人が俺を何て呼ぶか、忘れたか?」
その涙を拭い
顔を寄せて、額と額を合わせる。
ふたりの体温が溶け合って
ひとつになる。
君が笑って、俺も笑った。
「不死鳥だ。」
…fin