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結局、敵の海賊たちは一味の強さを前に歯が立たず、あっという間に勝負はついた。
ミドリのことは諦めること、ミドリの居場所がわかるレーダーを目の前で海に捨てることで、彼らを逃してやることにした。
「皆、守ってくれてありがとう」
敵船が去った後、ミドリは皆に向かって改めてお礼を言った。
「私、この船に拾ってもらえてよかった」
ミドリの笑顔に、仲間たちも笑顔になった。
この事件を境に、ミドリの心境に変化が起きた。
——黙れ。胸糞わりィ
あの時のフランキーは見たこともないくらい怒りに溢れていて怖かった。
——こいつはおれたちの大事な仲間だ
そして、嬉しい言葉を言ってくれた。
——ミドリはてめェのもんでもねェし、人形なんかじゃねェ!!
思い出すと、心が暖かくなると同時になぜか泣きそうにもなる。
フランキーはミドリの”機械”な部分を一番知っているはずなのに、一番”人間”らしく扱ってくれる人。
最近感じるフランキーへのこの特別な気持ちは、不思議でどこか懐かしい。
少し前は、あの大きな手でよく頭を撫でてくれた。
その度に気持ちが舞い上がって、嬉しくて、笑顔を向けると、フランキーも優しい目で自分を見てくれていた。
それが、今はとても恋しい。
ーーーーーーーーーー
フランキーによるミドリの体の研究は落ち着いたが、定期的に工場で検査を受けていた。
「うっし!どこも異常はねェな」
「ありがとう」
ミドリは台から下りると、工具を片付けているフランキーの隣にしゃがみ込んだ。
「私、フランキーが好き」
突然の言葉にフランキーは手に持っていた工具を落とし、床に鈍い音が響いた。
「ア?どうした?急に」
「ずっと言いたかったの。フランキーが好き」
「……プログラムは直したはずだ」
フランキーは不思議そうにミドリの瞳を覗き込む。
「そう、プログラムじゃない。自動的に恋に落ちただけだよ」
「っ!!」
恥ずかしそうに視線を逸らして、頬を染める。
そしてもう一度
「フランキーが好きなの」
今にも泣き出しそうに、唇を噛む。
「………」
フランキーはそっと頭に手を乗せ、髪を撫でた。
ミドリはフランキーを見上げて嬉しそうに笑った。
その表情を見て、フランキーも笑みがこぼれる。
そっとミドリの頭を胸に抱き寄せた。
…fin