Love Android
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それからは平穏な航海が続いていたが、ひと月ほど経った頃、事件は起こった。
「前から船が来るぜ。ありゃ海賊船だ」
見張り台にいたゾロの一言で、船内はざわついた。
船を停め、皆が戦闘体制に入り、ミドリはナミとロビンと共に後ろへ下がった。
サニー号よりもひと回り大きな船に、数十人の屈強な男たちの姿が確認できる。
すれ違いざまに船を横付けしてくると、船長らしき大男が柵に立ち上がる。
腕を組み、仁王立ちでこちらを見下ろしながら、大声をあげた。
「てめェら!少し前に女を拾わなかったか!?』
「「「!!」」」
”女”というワードに仲間たちの頭には真っ先にミドリが浮かんだ。
しかし、正直に答えてしまっては明らかに部が悪くなるのを見越して、出方を伺っていると
「女ってミドリのことか?」
相変わらず空気を読まないルフィは振り返り、ミドリを見た。
「ちょっと!」
「アホ!!」
相手の船長もルフィの視線の先を追う。
そして、ミドリを見るとニヤリと口角を上げた。
「ミドリ。元気そうだな。やっと見つけたぜェ」
「おっさんミドリのこと知ってんのか!」
「そいつァおれの落としモンだ」
男はポケットからレーダーを出して見せた。
「ミドリの体内に発信機が仕込まれてる。それを追ってきたんだ」
この海賊たちは新世界で偶然立ち寄った島で”ラブドール”という存在を知って気に入り、一体買い取った。それがミドリだ。
この男はミドリの前の持ち主であった。
「帰ってこい!ミドリ!てめェはおれのモンだ。大金払ったんだぜェ」
男はサニー号へ飛び移るとミドリの方へ近付いて来る。
ミドリは全く記憶にはなかったが、男を前に表情が曇った。
「うお!でけェなコイツ!」
「こっち来んな!」
「その体で何度もイイ思いをさせてもらった。おれの下でヒィヒィ喜んでる姿、忘れてねェぞ。今日からまた楽しめると思うと嬉しくて仕方ねェぜ」
「オイてめェ!それ以上ミドリちゃんに近付くな!」
記憶にはないはずなのに、ミドリは今にも泣き出しそうな表情になり、手は拳を作った震えていた。
「黙れ。胸糞わりィ」
フランキーは男の肩を掴み、静止した。
「こっちこそ胸糞わりィぜ。他人のモン取りやがって。大人しく返せば命は助けてやる」
「こいつはおれたちの大事な仲間だ。返すわけにはいかねェな」
「奪っちまえばこっちのもんだ。再起動すりゃまたこのおれにベタ惚れだ。喜んで抱かれるだろうよ」
「悪ィな。プログラムをいじらせてもらった。いくら再起動しても、もうお前に惚れることはねェ」
「なっ!!」
2人が口論しているうちに、敵の仲間たちが次々とサニー号へ飛び移る。
ルフィ、ゾロ、サンジは彼らを迎え討ち、他のクルーは援護にまわった。
「てめェおれの人形になんてこと!!」
「ミドリはてめェのもんでもねェし、人形なんかじゃねェ!!」
2人の怒号を合図に、戦闘が始まった。
「…フランキー……」
自分のために怒り、戦うフランキーを前にミドリは瞳を潤ませる。
「ここはあいつらに任せて、中に入ってましょ!」
ナミに連れられるまま、船内に身を隠した。