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数日が経ったある日——
「フランキー、今日は工場行かなくていいの?」
ミドリが洗濯物を片付けていると、そばを通り過ぎたフランキーにそう聞いた。
「おう。今日は好きに過ごせ。毎日だとお前も飽きるだろ」
「フランキーとならいつも楽しいよ」
笑顔でそういうミドリの頭に手を乗せて髪を撫でる。
あれからなんとなく、そうすることが増えた。
「ふふっ」
そうするとミドリはいつも、頬を染めて嬉しそうに笑う。その表情は恋人に頭を撫でられ、胸がときめいている女性のそれだ。
その様子にフランキーの方も癒されているのを自身で感じていた。
そしてこの行為が増えたことで、ミドリが夜中にフランキーのボンクに入ってくることはなくなった。
ーーーーーーーーーー
「今のままでもいいんじゃねェのか?」
「おう!毎日楽しそうだしな!」
「将来はフランキーのお嫁さんにしてあげればいいんだ!」
ミドリのプログラムの解除に行き詰まり、工場から甲板へと上がってきたフランキーに、ウソップ、ルフィ、チョッパーがそれぞれそう言ったが、納得しない。
「そういうわけにはいかねェ」
フランキーは怒っていた。
完璧な人工知能が備わっている。
相手に好意を抱き続ければ、自然と恋をすることも不可能じゃないはず。
それを勝手な男の私利私欲のためにミドリの気持ちを操作しようなんて酷い話だ、と。
見た目はあんなにも人間そのものなのに、その部分だけが人間らしさを失くしている。
そんなミドリがかわいそうだと思っていた。
「恋多きお年ごろだろーが」
「コイオーキ…?」
「よくわかんね」
「要は自由に恋愛させてやりてェってことだろ。まァその通りだけどな」
4人の視線の先で、ミドリが芝生にごろりと寝転ぶ。
太陽の光を浴びて、気持ちよさそうに目を閉じた。
進展があったのは、この日の夜だった。
一日中考えていたフランキーはあることに気が付いた。
『最初に見た者に恋をする』ということは、瞳に何か細工があるのではないか、と。
その夜、ミドリの眼球の奥を調べ、朝を迎える頃には正解へと辿り着いた。
翌朝、フランキーは朝食に集まってきた皆の前にミドリを連れてきて得意げに言った。
「こいつはもう自由だ!」
「お!ってことは直ったのか?」
「おめェやっぱすげェな!フランキー!」
手を叩くクルーたちの前で、フランキーはミドリの肩に手を置き、視線を合わせた。
「なァミドリ、おれのことは?どうだ?」
「ん?すごく変態に見える」
「ア?まいったな……直ってねェか?」
「いや直ってるだろ!」
「直ってるわね」
口々に喜ぶ仲間たちを見て嬉しそうに笑うミドリ。
フランキーはそっと頭に手を乗せて髪を撫でた。
「ん?なぁに?フランキー」
その反応はこれまでとは違い、心の奥で少しの寂しさを覚える。
「……これでよかった」
フランキーもニッと歯を見せて笑った。