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次の日の朝。
甲板に皆を集め、彼女を連れて行った。
ニコニコとフランキーの一歩後ろを歩く彼女の姿に、クルーたち皆が歓喜の声をあげる。
フランキーが芝生に腰を下ろし、あぐらをかくと、彼女も隣にちょこんと正座をした。
そのまま周りに集まった全員に彼女についてわかったことを説明した。
「こいつはどうも″ラブドール″っつーモンらしい」
「「「ラブドール?」」」
「″愛の人形″という意味ね」
「足の裏に小さくそう書いてあんだよ」
フランキーがそう言うと、彼女は右足をあげて足の裏を見せた。
ナミは顔を近づけ、その踵に小さく彫られている文字を読み上げる。
「ラブドール……ミドリ?」
「はい!名前はミドリです」
「普通に喋れるのね!」
ミドリがニコニコと笑みを浮かべているので、ナミも釣られて笑顔になる。
「ミドリちゃんていうのか〜かわいいなァ〜」
「見れば見るほど人間だ…」
「見た目だけじゃなく人格もある。感情も。どう見ても現代の科学じゃ考えられねェ。未来の島からでも来たんだろ」
フランキーが彼女を見るとミドリはそれに応えるように話し始めた。
「フランキーに会う以前の記憶は消えているの。どこから来たのかも、今の私にはわからない。わかっているのは名前だけ」
「なんだ、迷子か」
「じゃあ家に送ってやりたくても、帰しようがねェな」
ウソップのその言葉にミドリは一瞬険しい表情を浮かべ、瞬時に隣のフランキーの腕に抱き付いた。
「帰りたくないっ……フランキーと一緒にいたいです」
「「「!!」」」
その言動に驚く一味を前に、フランキーはポリポリと人差し指で頬をかき、説明をした。
「仲良しになったんだな!」
「起動したときからこの調子よ。スーパーなこのおれの魅力にいち早く気付くなんて、見る目のあるヤツだぜ」
ヘラヘラと笑っているフランキーを見つめるミドリの視線は、確かに特別な感情がこもっているように見える。
そんな彼女を見て、ロビンが静かに口を開いた。
「″愛の人形″という名前のとおり、誰かを愛するようプログラムされているんじゃないかしら?例えば、電源を入れたときに最初に見た者。それなら、フランキーが対象になっているのにも納得できるわ」
ロビンの憶測に「へェ」「なるほどな」「不思議なもんだ」とクルーたちは口々に納得した。
皆からの注目を集めながら、ミドリは改めてフランキーの腕をギュッと強く抱き締め顔を寄せた。
「フランキーのことが好きなの」
頬を赤く染め、俯きがちにそう呟く。
恥じらいもありつつ嬉しそうなその表情は、まさに恋する乙女のものだ。
「フランキーのそばにいたい」
「てめェフランキー!自分ばっかいい思いしやがって!!再起動しなおせ!今!おれの!目の前で!!」
サンジは彼女から引き離そうとフランキーの腕を引っ張るが、ミドリが離すもんかと強く抱き付くので、2人の距離が余計に縮まっただけだった。
「まァいいじゃねェか。細けェことは。船にロボが2人も!面白ェ!」
「まぁ他に行く宛てもないみたいだし、拾っちゃったものは仕方ないか」
「ミドリちゃん、食事はできるのか?」
「はい!」
「納得はいかねェが仕方ねェ!とりあえずメシにするか!」
「やっほーい!!」
不思議な出会いではあったが、新しい仲間に喜ぶ仲間たち。
こうしてアンドロイドであるミドリは、麦わらの一味にその身を置くこととなった。