Love Android
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
彼女を拾った次の日にはログを辿った先の島に到着し、仲間達は各々上陸して楽しんだ。が、フランキーはほとんど工場から出ることはない。
それほどまでに、アンドロイドの技術に夢中になっていた。
「なんだよ、フランキーはまだか?」
「メシなら運んでくれって」
「おォ、そういうことなら仕方ねェ。行ってくるか」
「サンジ君はいいから。私たちに任せてちょうだい」
サンジは少しでも彼女のことを見てみたいと、覗きに行く機会を伺っていたが、あっけなくそのチャンスをナミに奪われ落胆する。
そして、その日の夜中のこと——
「何かわかったか?」
チョッパーが夜食を届けに来ると、フランキーは嬉しそうに目を輝かせていた。
「チョッパー、いいところに来た。見てろ」
フランキーはうつ伏せの状態で寝かせている彼女の両耳の穴にそれぞれ左右の小指を差し込む。
と、彼女からピピピッと小さく音が鳴り、うなじから背中にかけてスッと線が入る。
その線を中心に左右に10センチほど亀裂が走り、パカリと窓のように背中の肌が開いた。
「おォ!!?」
その様子にチョッパーは驚きの声をあげた。
中を覗き込むと基盤の上に細かく並んだ回路や何色ものコード、コイルやボタンなども所狭しと並んでいる。
これらが彼女のシステムを制御する基盤であることはわかるが、何がどうなっているのか、チョッパーには理解不能なものだった。
フランキーは彼女の耳元を指差しながら説明をする。
「耳の穴の奥に小せェボタンがそれぞれに2つずつあってよ。上のボタンを左右同時に押せばこうやって背中が開く。下のボタンはたぶん、こいつを起動する電源だ。つまりこのプログラムを直して電源が入ればきっと動く」
「うおー!ほんとかよ!フランキー直せんのか?」
「あったぼーよ!スーパー任せとけ!!」
しかし、それは言うほど簡単なことではなく、フランキーが工場にこもる日々はまだまだ続いた。
直しては電源を入れてみるが、起動しない。
また別の箇所をいじっては電源を入れ直す。が、反応はない。
そんなことの繰り返しだった。
やがて停泊していた島のログが貯まり、サニー号が出航する頃
フランキーは彼女を椅子に座らせ、目の前にしゃがみ込んで真っ直ぐに顔を見た。
「皆がおめェに会いたがってんだ。今度こそ頼むぜ……」
電源ボタンを押してみる。
「………」
が、反応はなく、フランキーは項垂れる。
「ダメか。チクショーめ……」
と、ふと視線を感じた。
彼女を見ると、なんと目が開いている。
それどころか、何度か瞬きをしている。
音もなく、彼女は起動したのだ。
「…っ……」
吸い込まれそうな大きな瞳に言葉を失った。
「あなたの名前は?」
真っ直ぐにフランキーを見据えて、そう言葉を発した。
「あァ、お、おれか?おれはフランキーだ。アニキと呼んでくれてもいいぜ」
名を聞かれ、咄嗟にいつものように名乗り、親指を立ててキメ顔をする。
「フランキー、大好き」
満面の笑みでそう言うと彼女は立ち上がり、腕を目一杯のばしてフランキーの首元へ抱き付いた。
「………アァ!?」