第二章 〜私の憧れ〜
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第二章 〜私の憧れ〜
アラバスタ王国・アルバーナ宮殿。
深夜。
部屋へと戻ってきたペルは、バンダナを外すと
きちんと後ろへ流していた髪に指を通し
それを無造作に乱れさせた。
ふぅーっと息を吐きながらベッドに腰掛ければ
ふと棚の上の小さな袋が目に入る。
それに手を伸ばし、袋から中身を出す。
あの絨毯屋で買ったミサンガだ。
これを買ったあの日。
店の前を通ったのは本当に偶然だった。
彼女と再会するまで
そこがあの時の絨毯屋であることも忘れていた。
でも彼女と再会した途端、全てを思い出した。
ビビ様を探し、初めて店を訪れた日の帰り道——
「……あの子、何か辛い目にあっているみたい…」
ビビ様が心配そうにそう呟いていたことを。
そして再会した彼女は
確かに前に会ったときよりもさらにやつれ
顔色も悪く、元気がない気がした。
本人は否定していたが、それは明らかだった。
最初は何も買うつもりはなかった。
しかし、何か小さなことでもいいから
彼女のためになることをしたいと思った。
少しでも、たとえいっときでも
喜ばせることができたら…と。
だからこれを買った。
着けるのはなんだか気恥ずかしくて
こうして部屋に置いたままになっている。
ペルはミサンガをまた袋に戻し、棚の上へ置いた。