エピローグ
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一年後——
宮殿の正面玄関を出ていくペルを見かけ
ビビはその背中へ声をかけた。
「あ!ペル!これから任務?」
ペルは、面倒な人に見つかった…と内心思った。
誤魔化そうとしたが嘘をつくわけにもいかず
正直に答える。
「……いえ、今日は非番です。」
少し罰が悪そうに目を逸らすペルの態度に
ビビはピンときて、ニヤリと口角を上げる。
「会いに行くんだ?」
「……えェ、その通りです…」
「いつもペルだけズルいわ!私だってミドリに会いたいのに!」
「そのうち連れてきますので。失礼します。」
「ああっ!もうっ!」
ビビから逃げるように空へと飛び立った。
その表情は嬉しそうに笑みを浮かべている。
アラバスタの玄関口でもある港町・ナノハナ——
大きな商店街の一角にあるアクセサリー店に
ミドリの姿がある。
「またお待ちしています。」
「新作が出たらすぐに教えてちょうだい。あなたのファンなのよ。」
「嬉しい!いつもありがとうございます!」
自身がデザインをした商品を客に手渡しながら
笑顔を見せている。
「ミドリ、今日はもう上がっていいわよ。約束があるんでしょ?」
「あっ、すみません。ありがとうございます!」
オーナーから言われ
ミドリは時計を確認すると慌てて帰り支度をした。
店を出て、早足で向かうのは街の端にある広場。
ミドリが到着するとほぼ同時に
大きなハヤブサが降り立つ。
「ペルさんっ!」
「ミドリ。」
その姿が人型に戻るなり
ミドリはその首に勢いよく抱き付く。
しっかりと抱き留めるペルの手首には
あのミサンガがよく似合っている。
どちらからともなく、口付けを交わした。
会えなかった時間を埋めるよう
長く、強く抱き締め合った。
見上げる先にはペルの優しい微笑み。
ミドリが俯いて涙を流すことはもうない。
砂漠の国の大きな太陽が
いつまでも強く、2人を照らし続けていた。
いつも下ばかり見ていた。
だから
空の青さも、その広さも
私は知らなかった。
これからはずっと、上を向いて
あなたと共に
あの青く高く広がる大きな空へ。
…fin