第四章 〜私の初恋〜
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第四章 〜私の初恋〜
初めて飛んだ空は
どこまでも広く、果てがなく
私のこれからの人生も
同じように無限に広がっているんだ、と
教えてくれているようだった。
ーーーーーーーーーー
「テラコッタさんだ。」
一夜明けたアルバーナ宮殿。
ペルはミドリを連れ
護衛隊長イガラムの妻であり、給仕長を勤める
テラコッタに彼女を紹介した。
「ミドリです。お世話になります。」
「はいはい!よく来たわね!」
「彼女はここの給仕長だが、ビビ様の身の回りの世話もしている。色々と教えてもらうといい。」
「よろしくお願いします。」
「私は給仕の方が忙しいし、もう1人くらい欲しいと思ってたのよ!ビシバシ行くわよ!」
「はい!!」
威勢がよくハツラツとしたテラコッタを習うよう
ミドリも背筋を伸ばし、力の限りの返事をした。
「テラコッタさん、あとは頼みます。」
「任せて!」
ペルは2人に会釈してその場を離れた。
テラコッタはミドリを連れて歩き
宮殿内を簡単に案内しながら
ビビのいる王女の部屋へ向かった。
——コンコンコン
「ビビ様、失礼いたします。」
「はーい、どうぞ。」
中から明るい返事が聞こえると
扉を開けて中に入るテラコッタに続き
緊張した面持ちでミドリも王女の部屋へ入った。
「クエ!!」
「わぁっ!」
突然目の前に現れた大きなカルガモに驚いて
大きな声をあげてしまい、慌てて口を塞ぐ。
ビビの相棒であるカルーだ。
「新しく侍女に加わった子をお連れしましたよ。」
「あ!あの時の絨毯屋の子ね!ペルから聞いて楽しみにしてたの。よろしくね。」
ベッドの上で読み物をしていたビビは
ミドリの姿を確認すると本を置き
足早にこちらへ近づいてきて
嬉しそうにミドリの両手を握った。
「あの…ミドリと申します。よ、よろしくお願いいたします。」
相変わらずの眩しいほどの笑顔に
目を見ることが恥ずかしく、頭を下げた。
想像以上に喜んでくれたことが嬉しくて
自然とミドリの頬も緩んでいた。
こうしてミドリのアルバーナ宮殿での
新たな生活が始まった。