親友
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本当は認めたくない。
だって
あんなに男前なゾロでもサンジでもなくて
相手があのウソップだなんて。
鼻が長くて、嘘つきで、誰よりもネガティブな
あのウソップだなんて。
自分の男の趣味を疑ってしまう。
でも、他の人には感じない
ドキドキとうるさいほどの胸の高鳴り。
認めざるを得ない。
そして認めてしまったら
心地いい関係が崩れてしまった。
ウソップがそばにいると落ち着かなくて
変に緊張して呼吸すらしづらい。
今まではこんなことなかったのに。
気持ちに気付いた瞬間、難しくなる。
今までどんなふうに隣に行っていたのか
どうやって話しかけていたのか
どんな顔を向けていたのか
全部忘れちゃった。
思うように行動できなくて
”今までどおり”なんてわからなくて
下手したら気持ちがバレてしまいそうで
ウソップのそばに行けなくなった私は
次第に彼を避けるようになってしまった。
呼ばれても、理由をつけてそばには行かない。
話しかけられても上の空。
皆と一緒の時間も
ウソップとだけは目も合わせられない。
気付けば、そんな最悪な態度ばかりとっていた。
「ミドリ!お前最近おれのこと避けてんだろ!気付いてんだからな!」
ある日、急にウソップにそう言われた。
「なんか怒ってんなら言えよ。謝るから。」
同じ船の上で生活してるのに
真正面で向き合ったのは久しぶりで
胸がギュッと締め付けられる。
少し照れ臭くて、少し嬉しさも感じた。
「別に怒ってない。謝るとかそういうんじゃないの。」
「じゃあ何だってんだよ。傷付くぞー?最近のお前のその態度。」
「そうだよね。ごめんごめん。そのうち話す。」
「なんだよ、そのうちって。今話せ。」
「それはちょっと無理かな。」
そう言って、逃げるようにその場を離れた。
まだ後ろの方で文句を言ってくる声が聞こえたけど
聞こえないふりをした。
顔を見られたくなかった。
頬が緩んで抑えられないから。
ウソップが怒ってくれたことが嬉しかった。
離れることは許さない、と言ってくれたようで。
避けられてもそのままにするんじゃなくて
真っ直ぐにぶつかってくる。
それがとても彼らしくて
やっぱり私はあいつが好き
そう思った。