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女の子なら、誰でも一度は夢に見る。
この世界のどこかに
この私と赤い糸で結ばれた王子様がいて
彼がいつか私を迎えに来て
ふたりはいつまでもいつまでも、幸せに暮らす。
そんな、おとぎ話のような未来を。
でも、王子様ってどんな人?
品のある佇まい?
爽やかな笑顔で、皆に優しい?
ひとりの女性を生涯かけて、心から愛してくれる?
私は知ってる。
そんな理想の王子様は、おとぎ話の中だけの存在。
現実にはいないってこと。
「腹が減った。食事はまだか。」
「はい!すぐに!!」
「お待たせして申し訳ありません!!」
「さっさとしろ!おれたちは戦ってきて疲れてんだ。」
「全く使えねェ家来どもが。」
あれが私の王子たち。
正確には、私が”お仕えしている”王子たち。
今日も弱い立場の人間をいびって楽しんでいる
最低最悪の男たち。
そうよ、王子なんて皆一緒。
甘やかされて育ち、自分勝手で
気に入らないことがあれば、すぐに暴れる。
これは、ある日の出来事——
「料理長を呼べ!コゼットはいるか!?あいつがマズそうな物出したせいで弟に気分を害された!!」
「はい!申し訳ありません!!ニジ様のお口に合わない物を出してしまい…」
「よし…そこを動くなコゼット。」
ニジ様が食器を料理長に投げつけようとすれば
イチジ様、ヨンジ様も笑って見ているだけ。
本当にここの王子たちは人でなし。
でも、誰も逆らうことは許されない。
少しでも逆らえば、次は自分が被害に遭うから。
コゼットさんは気の毒だけど
助けることはできない。
誰にも——
「てめェどこまでクズだ!!レディの顔にキズを残す気か!!」
この人も……王子様?
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