第四章 〜ありがとう〜
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現在、神の護衛隊の訓練中。
神の社には
キンッ、キンッと剣と剣がぶつかり合う音が響く。
時間を持て余した神様は
屋敷の廻廊からその様子を眺めていた。
「なァミドリちゃんは?戻ってきたのか?」
「うるせェ!ほっとけ!」
「その様子じゃまだだな。さっさと迎えに行って謝れよ。」
カマキリとワイパーの会話に耳を傾けた
ガン・フォールが、楽しそうに話に加わった。
「なんだ。もう逃げられたのか。」
「そうみたいです。」
「うるせェ!だからおれは結婚なんていいって言ったんだ!それなのにジジイ共が…」
「馬鹿者。それでも一度嫁にすると決めたのなら、ちゃんと最後まで大事にせい。」
「……わかってる。」
と、そこへ使いの者が現れて
ガン・フォールの横に膝をつき、報告をする。
「神様、ここにおられましたか!」
「何事だ。」
「神隊に出動要請があり、先ほど出向しました。パンプキンカフェが青海人に制圧されたようで……」
「あァ!?」
その報告に神よりも先に反応をしたのは
ワイパーだった。
「制圧ってどういうことだ!!神隊だけで問題ねェのか!?」
「ワイパー、お前の気持ちもわかるがの、彼らも十分有能だ。任せておけ。」
ガン・フォールの言葉も聞かず
ワイパーは訓練のために持っていた剣を
その場に投げ捨てる。
「おいっ!」
「悪ィな、カマキリ。今日はもう抜ける。」
そのまま神の社を飛び出してしまった。
呆気に取られるカマキリの横で
ガン・フォールはため息を吐く。
「不器用な男だ…」
ーーーーーーーー
——パンプキンカフェ。
「全員捕らえたか?そろそろ船に連れ出す。」
「これだけいりゃ相当な額になるな。」
「そうなりゃおれ達は金持ち海賊団だ。さっさと本物の海に帰ろうぜ。」
青海のカイゾク達の会話から
彼らの目的がなんとなくわかってきた。
どうやら私たちのように羽の生えた人間は
雲の下にはいないようで
空島の住人を連れ帰って人買いに高く売り
大金を得ようという魂胆らしい。
このままでは、青海へ連れ出されてしまう。
どうにか逃げ出すことはできないか、と
周りを見渡す。
カフェの店員仲間も、お客さんも皆捕らえられ
誰ひとり自由に動ける者はいなかった。
「大丈夫よ。」
私を安心させてくれようとしているのか
ラキが小さな声でそう言って頷いた。
「コニスが異変を感じて通報してくれてるはず。」
そうか。コニス。
彼女は、買い出しのために先ほど店を出て
確かにそろそろ戻ってくる頃だ。
それを信じて、カイゾク達が船に帰る前に
助けが来ることを願うことしかできなかった。