第四章 〜ありがとう〜
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笑った顔をもっと見てェ
そう思ってた。
——ふふっ。なんかそれ、戦いたくて仕方ないみたいな言い方。
初めて、おれだけに向けられた笑顔が
頭から離れない。
——いってらっしゃい!
この女がほんの少し口角を上げるだけで
おれの胸はどうしようもないほど高鳴る。
どうしたらこいつが笑うのか
馬鹿なおれにはわからなかったが
別にそれでよかった。
そばにいれば、それだけで。
笑わなくてもいい。
おれを怖がっていてもいい。
特に会話はなくてもいい。
こうして同じ空間で過ごしているだけで十分だ。
だから
——私といて、楽しいですか?
こうなるまで、気付かなかった。
——私と2人のときは、笑ってくれたことありません。
笑わせるどころか、泣かせていたことにも
——あなたとは結婚できません!
傷付けていたことにも。
思えばいつもお前はおれの顔色ばかりを伺って
何か言えば「ごめんなさい」と謝ってばかりで
そんな生活、逃げ出したくなるに決まってるな。
お前がいなくなってから
どうしたら帰ってくるのか…
そんなことばかりを考えている。
第四章 〜ありがとう〜