第二章 〜二人暮らし〜
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体の関係……
なんてことを思いついてしまったんだろう
と思った。
夫婦になったら普通にすることなのだろうけど
正直そこまで考えていなかった。
私たちも、近い未来、そういうことを……
「………」
先ほどの、お風呂上がりのワイパーさんが
頭に浮かんで、それを振り払うように頭を振った。
ワイパーさんの上半身は見慣れているけど
それとこれとは訳が違う。
体の関係ということは……
想像して顔が熱くなる。
ひとり、自問自答が始まる。
いやいや、まだ早すぎるでしょ。
キスどころか、手を繋いだこともないのに。
第一、どんなことするか知ってるの?
裸になるのよ?全部見せられる?
でもワイパーさんの望みである子どものためには
”そういうこと”をするのは当たり前のことよ。
いっそのこと、割り切って
早く子どもを産んでしまえば
育児に追われて、ワイパーさんとの関係性なんて
問題じゃなくなるんじゃない?
こんなやり方、おかしいかもしれないけど
もともと私たちはちょっと普通じゃないし……
考えすぎてのぼせそうになったので
意を決して、お風呂から出る。
鏡に映る自分に向かって深く頷いた。
断られてもいい。
ドン引きされてもいい。
思い切って、ワイパーさんに提案してみよう。
バスルームを出ると、ワイパーさんは
ちょうど自室に入ろうとしているところだった。
「先に休むぞ。」
私にそう言うと、部屋のドアを開ける。
私は咄嗟にその手首を掴んだ。
「あのっ……」
「……なんだ。」
「……寝るのは、別々なのはいいんですけど…その……子どもは作らないんですか?」
言った…
言ってしまった…
恐る恐るワイパーさんの顔を見上げる。
見たこともないほど大きく目を見開いて
言葉を失い、表情を固まらせていた。
やばい。
やっぱりこんなのおかしいよね…
「あ、あのっ、ごめんなさい。やっぱり何でもないですっ。」
そう言って掴んでいた手を離すと
反対にその手を掴まれる。
「……意味わかってんだな?」
強い力。
掴まれた手が、ピクリとも動かない。
いつもの鋭い視線に戻ったワイパーさんが
顔を覗き込むように私と視線を合わせる。
少し熱を帯びた瞳から、目を逸らせない。
「……ちゃんと、わかってます。」
真っ直ぐに見つめ返しながら、そう答える。
「……来い。」
掴まれたままの手を引かれて
明かりの灯っていない部屋の中に通された。