神、愛を知る。/エネル
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「お、天使がいるぞ。羽が生えてる。」
「スカイピアの住人か。連れ帰ろう。きっと高く売れる。」
「っ……!」
後ろから話し声が聞こえて振り返ると
何十人という数の大男たちが立っていた。
彼らがきっと、青海のカイゾク。
「泣いてたのか。家を燃やされて悲しいか。」
「ハハッ!なかなか可愛らしいじゃねェか。」
ジリジリと近付いてくる彼らを前に
震える足で立ち上がる。
悲しいのと悔しさで、涙が止まらない。
「どうして…こんな、ひどいことをっ……」
「ちょっと神ってヤツに喧嘩売ろうと思ってよ。こんだけ暴れりゃ出てくるかと思ったんだが。」
「それよりお前、おれたちと来いよ。」
逃げなきゃ。
そう思ったとき、空が光った。
「何だ?」
「は?」
——ズンッッ!!!
ものすごい衝撃波を感じて尻もちをつく。
それは一瞬の出来事だった。
青白い光が地面へと叩きつけられ
私の目の前にいた男たちは姿を消した。
「……神の…裁き………」
空を見上げてみるも
すでに元通りの静かな星空へと戻っている。
ゴッドが、青海人に裁きを与えた。
それとも……私を助けてくれた?
「おーい!!」
「今のは、ゴッドの。まさか青海人を……」
「大丈夫か!?ミドリちゃん!!」
商店街の人たちが焦った様子で集まってくるも
私はただ座ったまま、空を見上げる。
もしも、聞こえているのなら……
「エネル様……」
「ん?」
「どうしたんだ?ミドリちゃん……」
「エネル様!聞こえているんでしょ?」
「ま、まさか、ゴッドを!?」
「呼ぼうとしてるのか!なぜだ!?」
「やめろ!やめるんだ!!」
「エネル様ぁ!!」
なぜ彼を呼んだのか、自分でもわからない。
お父さんとお母さんの形見である
大事なお店を無くしたら
もう私には何も残っていないと思って
——何もかも無くしたら
私の嫁になればいいだけだ
ふと、彼の顔が浮かんだ。
「会いたい…エネル様……」
涙と一緒に、その言葉が溢れた。
「もう来るなと言ったり、会いに来いと言ったり、わがままな娘だ。」