最終章 〜ともに歩き出す〜
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朝——
赤髪海賊団が今日島を出ることは街中に広まり
感謝を伝えたいと集まった町民たち。
中には養護施設の
私の子どもたちも来てくれていた。
「先生!海賊になるの!?カッコいい!!」
「皆を守る、優しい海賊になってね!!」
「うん、ありがとう。皆も元気でね。」
そして、酒場の店長。
「なんとなくだが、こうなると思った。寂しくなるが元気でやれ!」
「店長、いろいろとありがとうございました。」
「あの店のうまいメシが食えなくなるのは寂しいな。」
「船長さん、またいつでも来いや!」
「あァ、また必ず帰ってくる。」
そして、ずっと一緒に暮らしてきた叔母さんに
ギュッと抱き着いて、こっそりと涙を流す。
「叔母さん、ありがとう。本当にお世話になりました。」
「彼は信用できる。楽しくやるのよ。いつでも帰ってきなさいね。」
「うん!」
「あの時は、あの人からあなたを返してもらったけど、まさか17年経って反対に連れていかれちゃうとはね。」
最後に笑い合って、叔母さんに別れを告げた。
「船を出す!全員乗り込め!!」
街の人たちの暖かい声援を受けながら
船は静かに出航した。
やわらかな追い風を受けて
ゆっくりと進み始める。
私は船の最後尾から、いつまでも手を振った。
港には一箇所、大きく変わったものがある。
街の入口に取り付けられた黒く大きな旗。
そこには左目に3本の傷が入ったドクロのマーク。
そう、シャンクスの海賊旗。
縄張りのしるし。
手を振る皆の上で
その海賊旗がいつまでも誇らしげに揺れていた。
シャンクスは私の故郷であるこの島を
これからも守っていってくれることを
あの海賊旗に誓ってくれたんだ。
「……行ってきます。」
生まれ育った大好きな島にそう告げると
一筋だけ涙が流れた。